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新型メルセデスAMG A45&CLA 45初試乗! ライバル不在の圧倒的パフォーマンス

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新型メルセデスAMG A45&CLA 45初試乗! ライバル不在の圧倒的パフォーマンス

Mercedes-AMG A 45 S 4MATIC+ / CLA 45 S 4MATIC+

メルセデスAMG A45 S 4マティック+ / CLA 45 S 4マティック+

新型メルセデスAMG A45&CLA 45初試乗! ライバル不在の圧倒的パフォーマンス

市販車搭載エンジンとしては異常なまでの高出力!

210.5hp/リッター。メルセデスAMGの新しい2.0リッターユニットのパフォーマンスレベルは市販車搭載エンジンとしてはもちろん前代未聞、そしてちょっと異常な領域に達している。

単純計算ではあるが、4.0リッターのキャパシティになぞらえれば840hp超。現在、そこまでハイチューンのスーパーカーは存在していない。或いは一世を風靡したランサーエボリューションの4G63ユニットでも、この出力まで持っていくにはタービン交換やインジェクターの大容量化を含めたひと通りのチューニングを施さなければならないだろう。それが実用的なパッケージに収まり、普通のクルマと同じワランティをもって維持できる。すごい時代になったものだと思う。

最高出力421hp、最大トルク500Nmを発生するM139ユニット

拡大戦略著しいメルセデスAMGにあって、この2.0リッター4気筒ユニット=M139は、4.0リッターV8ユニット=M178と同様、ワンマン・ワンエンジンのポリシーに沿ったハンドビルドが貫かれる。このため、アファルターバッハには新設計のエンジン製造ラインが設けられた。

先代のM133型との共通項はボア×ストロークくらいのもので、クローズドデッキのシリンダーブロックや強化アルミクランクケースを用いたワンオフのデザインとなる。ピストンやクランクシャフトには鍛造品を用いて高強度化、シリンダーライナーはダイムラーの特許となるナノスライドコーティングが施され、摺動抵抗の低減と高硬度化が図られている。

シリンダーマウントは先代とは逆のいわば後方排気となり、大径ツインスクロールのターボチャージャーはバルクヘッド寄りにマウントされるが、グリルからシリンダーヘッド上を抜けて走行風がタービンへ導かれるなど、随所にM178型のノウハウを用いたクーリングデザインが採用されている。

日本仕様はA 45もCLA 45も高性能版“S”のみ導入か

そもそも後方排気化は巨大なタービンを収めるスペースが低いボンネットを売りとする新型FFアーキテクチャーの前方に用意できなかったのが最大の理由だが、それによりタービンとエアクリーナーやインタークーラーを行き来するパイピングのレイアウトもシンプルに配されるなどの副次的なメリットも生まれたそうだ。

ちなみにこのM139型が搭載されるA 45とCLA 45は、欧州仕様においては標準とSの2つのチューニングレベルが用意されており、前者はブースト圧1.9バールで387ps、後者はブースト圧2.1バールで421psとなるが、日本仕様は潔くSのみの展開になるという。

ドリフトモードも備える4マチック+を採用

このエンジンに組み合わせられるドライブトレインは専用チューニングされたAMGスピードシフト8速DCTとなり、いわゆるローンチスタートも可能な機能を備えている。4マティック+と名付けられた4WDシステムは100:0~50:50の前後駆動配分を多板クラッチによってリニアに可変させるオンデマンド式となり、更に後軸側にはAMGトルクコントロールなる新機能も搭載された。

これは左右輪の駆動トルクを多板クラッチによって0~100の間で連続差動させるいわばeデフ的なシステムで、その制御は5レベルのドライブモードや3モードのESPの設定とも連動し、状況に応じては車両をFR的なリヤスライド状態に持ち込むことも可能だ。

チューニングカー同然のパワープラントが果たして一般道でいかなるマナーを備えているのか。大きな疑念や興味はそこにあったが、結論からいえばこのエンジン、多少足りないところはあれど、十分メルセデスのプロダクトレベルには達している。

コンサバなセダンボディに獰猛なM139を搭載するCLA 45

まず音・振動は先代に対して確実に洗練されており、エキゾーストサウンドの躾も品がある。一方で回せば音は綺麗に揃っていくし、適度なビート感も掌に伝わってくるなど、快適性と情感の折り合いづけは長足の進化を遂げたといえるだろう。

そしてロングストロークを7000rpm向こうまで回しての、トップエンド付近までしっかり乗ってくるパワー感も不満はない。メルセデス系のエンジンとしては出色のスポーツ性を備えているといっても過言ではないだろう。

但し、今日び珍しいほど高回転寄りなパワースペックの代償は完全に拭いきれているとはいえない。とりわけ2000rpm手前辺りまでのトルクは細く、低回転域を主とする日常的なドライブは多段DCTの頻繁なキックダウンに助けられる場面もあるだろう。例えば登坂路や山道などでは、燃費を気にせずドライブモードをスポーツにすることで走りやすくなるといった場面があったのも事実だ。

しなやかなドライブフィールをみせる秀逸なシャシー

しかし、そんなエンジンよりも更に驚いたのがシャシーのセットアップだ。421hpを支えるアシとは思えないほどに細かな入力の受け止めはしなやかで、車体を無粋に揺することもない。さすがに大きな凹凸ではバネの硬さが現れるが、概ね上質とさえいえるこのライドフィールもまた、先代とは大きく異なるポイントだ。

ちなみにダンパーは可変レートを採用、ボディの剛性強化はパネルや筋交いなどをあてがう常套的なものだが、これがボディの減衰特性にも大きな変化を与えていることは、基準車とは一味違う精度感を備えたドア開閉からも伝わってくる。

素晴らしい完成度にライバルは思い当たらない

サーキットドライブではそのハイパワーから想像するやんちゃぶりとは全く異なる限界域へ至る穏やかな挙動推移や、そこからの懐深いコントロール性を確認することができた。ワインディングではインに向くきっかけとして積極的に働いていたAMGトルクコントロールも、コース上では四輪をニュートラルにグリップさせながら旋回力を徐々に高めていく側へと役割を微妙に違えていることが伝わってくる。

ダンパーを最もハイレートな設定としてもロールの極端な抑制はなく、操作にまつわる姿勢変化はわかりやすい。あまりに素直に掌に収まった感覚が味わえるぶん、421hpの数字から期待する強烈な炸裂感には乏しい感もあったが、スピードメーターの駆け上がりっぷりをみるとCセグメントにして0~100km/h・3秒台突入のゾッとする速さを実感することになるだろう。

総じて、素晴らしい完成度と太鼓判を捺せる仕上がりだ。にわかにライバルは思い当たらない。が、BMWは1シリーズのフルモデルチェンジに伴いシャシーをFF化、4WDの設定でA 45をロックオンできるソリューションを整えた。アウディRS3も更なる伸びしろを求めて進化を重ねるだろう。ドイツ御三家のパフォーマンス競争は遂にCセグメントでも過熱することになるのは間違いない。

REPORT/渡辺敏史(Toshifumi WATANABE)

【SPECIFICATIONS】

メルセデスAMG A 45 S 4マティック+

ボディサイズ:全長4445 全幅1850 全高1412mm

ホイールベース:2729mm

トレッド:前1597 後1558mm

車両重量:1550kg

エンジン:直列4気筒DOHCターボ

総排気量:1991cc

ボア×ストローク:83.0×92.0mm

最高出力:310kW(421hp)/6750rpm

最大トルク:500Nm/5000-5250rpm

圧縮比:9.0

トランスミッション:8速DCT

駆動方式:4WD

サスペンション形式:前マクファーソン 後4リンク

ブレーキディスク(ディスク径):前後ベンチレーテッドディスク(前360×36mm 後330×22mm)

タイヤサイズ(リム径):前後245/35ZR19(8.5J)

0-100km/h加速:3.9秒

最高速度:270km/h

メルセデスAMG CLA 45 S 4マティック+

ボディサイズ:全長4693 全幅1857 全高1413mm

ホイールベース:2729mm

トレッド:前1605 後1585mm

車両重量:1600kg

エンジン:直列4気筒DOHCターボ

総排気量:1991cc

ボア×ストローク:83.0×92.0mm

最高出力:310kW(421hp)/6750rpm

最大トルク:500Nm/5000-5250rpm

圧縮比:9.0

トランスミッション:8速DCT

駆動方式:4WD

サスペンション形式:前マクファーソン 後4リンク

ブレーキディスク(ディスク径):前後ベンチレーテッドディスク(前360×36mm 後330×22mm)

タイヤサイズ(リム径):前後255/35ZR19(9J)

0-100km/h加速:ー秒

最高速度:270km/h

【問い合わせ先】

メルセデスコール

TEL 0120-190-610

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