ナンバーをつけて公道テスト走行
text:AUTOCAR UK編集部
【画像】AMGワン、手強いライバルとどう戦う?【競合するハイブリッド・ハイパーカーと写真で比較】 全135枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
メルセデスAMGが開発中のハイパーカー「ワン」は、テストの最終段階に入ったようで、公道を走行しているプロトタイプが初めて目撃された。
メルセデスがワンを発表してから約4年が経過しており、F1由来のハイブリッド・パワートレインを公道に適応させるための複雑な作業のために開発が遅れていると言われている。しかし、数か月後にはついに姿を表す可能性が出てきた。
先日公開された公式映像では、おなじみのプロトタイプのカラーリングを施した車両がテストコースを高速で走行する様子のほか、エアロパーツやキャビンデザインを詳しく紹介している。また、メルセデスAMGの2021年のF1マシンと同様に、EQパワー+に代わる新しい名称「Eパフォーマンス」が採用されることが明らかになった。
2017年のF1マシンに搭載されていた1.6L V6をハイブリッド化し、最高出力1000ps以上を発揮する全輪駆動モデルのワンは、当初、2019年初頭に発売される予定だった。しかし、パワートレインの性能を損なうことなく、ガソリン・パティキュレート・フィルターを使用したWLTP排出ガス基準に適合させるなど、技術的な課題に直面したため、発売時期が延期されたと考えられている。
エンジン開発に大きな課題
また、F1ベースのエンジンのアイドリング回転数にも問題があった(レース仕様では約5000rpm)。AMGのエンジニアは、アイドリング時に約1200rpmで正常に動作させることを課題とし、「非常に大きな挑戦」と述べている。
開発目標としては、「日常的なパフォーマンスを完璧に発揮する」ことと、「最長25kmまで完全電動モードで走行可能」であることを掲げている。最高速度350km/h、0-200km/h加速6秒というコンセプトの性能を達成できるかどうかはまだわからない。
チューニングが完了すれば、ニュルブルクリンクでなんらかのラップレコードに挑戦することになるだろう。
AMGワンは、2017年に発表されたコンセプトカーのデザインの多くを継承している。ルーバー、フロントウイングのエアアウトレット、リアスポイラーなどのアクティブなエアロパーツの調整に重点が置かれているが、当初と比べても細かな変更点がいくつか見られ、生産前にも再び変更される可能性がある。
ワンの詳細はまだ明らかになっていない。しかし、2021年中には納車される予定であることが伝えられている。
生産台数はわずか275台で、その全数がすでに227万ユーロ(約3億円)で販売されている。
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