現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > まさに”世渡り上手”。目まぐるしくパートナーを変えるザウバー……アウディ参戦までの2年間はステークF1として参戦。約30年で5メーカーとタッグ

ここから本文です

まさに”世渡り上手”。目まぐるしくパートナーを変えるザウバー……アウディ参戦までの2年間はステークF1として参戦。約30年で5メーカーとタッグ

掲載
まさに”世渡り上手”。目まぐるしくパートナーを変えるザウバー……アウディ参戦までの2年間はステークF1として参戦。約30年で5メーカーとタッグ

 ザウバーは2024年元旦にプレスリリースを発表し、2024年シーズンから2年間はステークF1チームとして活動していくことを明らかににした。

 このザウバーは1993年にF1デビューを果たし、それ以降現在に至るまで、様々なパートナーと組んできた。チーム運営の目的も、次から次へと変わっていったのだ。

【ギャラリー】ザ・ヒストリー・オブ・ザウバー1993-2023 グループCカーのおまけつき

 ザウバーは1970年にペーター・ザウバーが創設したスイス拠点のレーシングチームで、初期はヒルクライムレースやスポーツカーレース、耐久レースなどで活躍した。

 1988年からは、モータースポーツに正式復帰することになったメルセデスとタッグを組み、世界スポーツプロトタイプカー選手権(途中からスポーツカー世界選手権に名称変更)に参戦。同選手権ではタイトルを獲得したり、ル・マン24時間レースを制したりと、大成功を収めた。この頃には、ミハエル・シューマッハーもザウバーの一員としてレースを走った。

 そしてメルセデスがF1復帰を目指す先鋒として、ザウバーはF1に打って出ることになる。1993年、ザウバーは漆黒のマシンC12でF1に参戦。ハーベイ・ポストレスウェイト(ティレル019のデザイナーとして有名)がデザインしたこのC12はいきなり高い戦闘力を発揮し、中団グループ上位の存在だった。イルモアエンジン搭載だったが、真っ黒に塗られたエンジンカバーには”コンセプト・バイ・メルセデス”と書かれていた。

 翌年からはイルモアエンジンが正式なメルセデスエンジンと呼ばれ、いよいよ本格的にメルセデスがF1に殴り込みをかけるか……と思われたが、メルセデスはマクラーレンと組むことを決断。ザウバーはフォードとワークス契約を結ぶにいたった。また同時にレッドブルがチームの株式の一部を取得した。

 ただそのフォードも、1997年からはスチュワートをパートナーに選択。ザウバーはフェラーリと組むことになり、キミ・ライコネンをF1デビューさせるなどした。後にフェラーリのジュニアチーム的な存在となり、フェリペ・マッサもここからデビューした。

 なおレッドブルはザウバーの株式を手放すと、ジャガー(フォードがパートナーとして選択したスチュワートの後身チーム)を買収し、2005年にレッドブル・レーシングを立ち上げることとなった。

 一方ザウバーは、2005年限りでウイリアムズとのコンビを解消したBMWが買収。2006年からBMWザウバーとして参戦することになった。2008年のカナダGPでは、ロバート・クビサによってF1初優勝を手にした。

 ただ2009年、BMWは同年限りでF1を撤退することを発表。ペーター・ザウバーが買い戻すこととなった。

 2010年からは完全なプライベーターに戻ることになった。むしろメーカーの後ろ盾なくしてF1に挑むのは、この頃が初めてだったかもしれない。

 エンジンはフェラーリ製を使い、小林可夢偉が加入。2012年にはその小林とセルジオ・ペレスが活躍し、4回の表彰台を獲得。小林が鈴鹿で3位になったのもこの年だ。

 その後はプライベーターチームとして厳しい数年を過ごしたが。2018年からホンダのパワーユニット(PU)を使うことが決まった。しかしホンダとマクラーレンの契約が破棄されると、ギヤボックスを自製できないことを理由にザウバーもホンダとのPU契約を破棄。フェラーリとのPU契約を延長することとなった。

 その2018年からはアルファロメオがメインスポンサーにつき、再びフェラーリのジュニアチームとしての側面を併せ持つようになった。同年そのザウバーからF1デビューしたのがシャルル・ルクレールである。

 2019年からはアルファロメオがザウバーのネーミングライツを取得して、アルファロメオとしてエントリーしたが、2022年には2026年からアウディのワークスチームとなることが明らかになった。それに伴い、2023年限りでアルファロメオとしての活動を終了させることとなった。

 アウディの参戦開始前、2024年と2025年はザウバーとして活動するものと見られていたが、この度その2年をステークF1チームとして活動することが明らかにされた。

 これまでのザウバーの歴史を見ると、メルセデス→フォード/レッドブル→フェラーリ→BMW→プライベーター→(ホンダ)→アルファロメオ→ステーク→アウディと、目まぐるしく体制が変わってきた。特にメルセデス、フォード、BMW、アルファロメオ、アウディの時代に関してはワークスチーム。わずか30年ほどの間に、これだけパートナーや体制が変わるのは、実に珍しいことだと言える。逆にある意味、”世渡り”がうまいチームと言うことができるかもしれない。

こんな記事も読まれています

【MotoGP】プラマック、ヤマハ陣営入りの2025年はアンドレア・イアンノーネを起用? チームオーナーが可能性示唆
【MotoGP】プラマック、ヤマハ陣営入りの2025年はアンドレア・イアンノーネを起用? チームオーナーが可能性示唆
motorsport.com 日本版
全長2.3m! 日産が新型「2シーター」モデル公開! 超軽量“500キロ級”の「斬新コンパクトカー」! 都会派の「S04ナノカー」フランスとイタリアで発売
全長2.3m! 日産が新型「2シーター」モデル公開! 超軽量“500キロ級”の「斬新コンパクトカー」! 都会派の「S04ナノカー」フランスとイタリアで発売
くるまのニュース
日産のインフィニティブランドのフラッグシップSUV「QX80」が第2世代の新型に移行して本年7月末より米国で発売
日産のインフィニティブランドのフラッグシップSUV「QX80」が第2世代の新型に移行して本年7月末より米国で発売
カー・アンド・ドライバー
スズキ、クーペSUVの新型車「フロンクス」 2024年秋に日本導入
スズキ、クーペSUVの新型車「フロンクス」 2024年秋に日本導入
日刊自動車新聞
立ち位置、絶妙である──新型レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィーP550e試乗記
立ち位置、絶妙である──新型レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィーP550e試乗記
GQ JAPAN
【6気筒対決】BMWとマセラティとポルシェが異なる6気筒で王座を争う!BMW M4対ポルシェ ケイマン対マセラティグラントゥーリズモの勝者は?
【6気筒対決】BMWとマセラティとポルシェが異なる6気筒で王座を争う!BMW M4対ポルシェ ケイマン対マセラティグラントゥーリズモの勝者は?
AutoBild Japan
伊勢湾岸道~中部空港に「最短ルート」建設中! 橋脚ニョキニョキで「東海IC」大変化!?「西知多道路」工事はどこまで進んだのか
伊勢湾岸道~中部空港に「最短ルート」建設中! 橋脚ニョキニョキで「東海IC」大変化!?「西知多道路」工事はどこまで進んだのか
くるまのニュース
レクサスLBXが絶好調! 日産ノートオーラも売れている! 日本には「高級コンパクト」の潜在需要があり
レクサスLBXが絶好調! 日産ノートオーラも売れている! 日本には「高級コンパクト」の潜在需要があり
WEB CARTOP
トヨタ次期「セリカ」に期待! 「まもなく登場?」 8代目「次期型」20年弱ぶりに復活!? みんなの声は
トヨタ次期「セリカ」に期待! 「まもなく登場?」 8代目「次期型」20年弱ぶりに復活!? みんなの声は
くるまのニュース
オーストリアでの接触で友情にヒビ? ノリス、フェルスタッペンが責任逃れをするなら「リスペクトを失う」
オーストリアでの接触で友情にヒビ? ノリス、フェルスタッペンが責任逃れをするなら「リスペクトを失う」
motorsport.com 日本版
[カーオーディオ・素朴な疑問]メインユニット…カロッツェリア『サイバーナビ』のオーディオ機器としての実力は?
[カーオーディオ・素朴な疑問]メインユニット…カロッツェリア『サイバーナビ』のオーディオ機器としての実力は?
レスポンス
高級ファミリーカーの新提案──新型アウディQ6 e-tron試乗記
高級ファミリーカーの新提案──新型アウディQ6 e-tron試乗記
GQ JAPAN
マセラティ MC20/MC20 チェロ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
マセラティ MC20/MC20 チェロ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGP決勝
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGP決勝
AUTOSPORT web
2024年5月欧州新車販売は前年比2.6%減。HEVがシェアを伸ばしている
2024年5月欧州新車販売は前年比2.6%減。HEVがシェアを伸ばしている
カー・アンド・ドライバー
6速MTもある日産「新型スポーティセダン」発表! 生まれ変わった“精悍”顔に「カッコイイ」の声も! 新型「セントラ」約340万円からチリに登場
6速MTもある日産「新型スポーティセダン」発表! 生まれ変わった“精悍”顔に「カッコイイ」の声も! 新型「セントラ」約340万円からチリに登場
くるまのニュース
日産の最高級SUV!新型「インフィニティQX80」北米で登場 全長5.4mのフルサイズSUVがフルモデルチェンジ
日産の最高級SUV!新型「インフィニティQX80」北米で登場 全長5.4mのフルサイズSUVがフルモデルチェンジ
VAGUE
【古いクルマのオーナーこそ必見】この夏〝中古車バブル〟到来中! 愛車を高く売りたいなら、この7月がベスト
【古いクルマのオーナーこそ必見】この夏〝中古車バブル〟到来中! 愛車を高く売りたいなら、この7月がベスト
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村