現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > スポーティセダンのディーゼルはコレで決まりだ!──BMW新型3シリーズをポルトガルで試す<320d編>

ここから本文です

スポーティセダンのディーゼルはコレで決まりだ!──BMW新型3シリーズをポルトガルで試す<320d編>

掲載 更新
スポーティセダンのディーゼルはコレで決まりだ!──BMW新型3シリーズをポルトガルで試す<320d編>

日本への導入前に、ひと足はやくBMW 新型3シリーズのディーゼルエンジン搭載モデル「320d」に乗ることが出来た。試乗場所は、ガソリンエンジン搭載の「330i」とおなじタイミングで、ポルトガルの保養地でもあるファロだった。温暖な気候のファロは、ゴルフリゾートとしても人気が高い。

320dに搭載される新しい2.0リッター直列4気筒ディーゼルエンジンは、2ステージのシークエンシャル式ターボチャージャーを備えているのが特徴だ。小型の高圧用ターボチャージャーと、大型の低圧用ターボチャージャーを連続して配置。それにより低回転域から高回転までしっかりトルクを出すのが特筆すべき点だ。

やっぱり天下一品のスポーティセダンだ!──BMW新型3シリーズをポルトガルで試す<330i編>

ほかのメーカーでは電気モーターを加速に使ったり、エンジン回転が低く負圧が上がらないところは機械式スーパーチャージャーでカバーする技術を採用したりするが、それらに対しBMWの考えはあくまでターボの有効活用だ。

最高出力190ps(4000rpm)、最大トルク400Nm(1750rpm~2500rpm)のスペックは現行モデルが搭載するディーゼルエンジンと基本的にはおなじだ。特徴は燃費改善のため、さまざまなファインチューニングがほどこされている点である。

たとえば、コモンレール式の燃料直接噴射システムは従来に対し噴射圧を強めたという。それによって燃費効率を高め、さらにCO2排出量も低減したそうだ。

ボディサイズこそ現行モデルより拡大しているものの、パワフルな新型エンジンはそんなことをものともしない。もっとも、同時に軽量化も推し進めた結果、車両重量はじっさいのところ最大50kg低減しているのである。

まるでガソリンエンジンのようにスムーズ!

スポーティな印象は加速性能だけではない。コーナリングの際、ロールを抑えた足まわりもスポーティだ。新ダンパーを含め、サスペンションシステムが見直され、より足まわりがしっかりしたため、スポーティなハンドリングが実現したのだ。さらに拡大したトレッドと、バリアブルレシオのステアリングシステムなども、スポーティな走りに寄与する。

ただし、試乗車はオプションのスポーツサスペンションが装着されていたせいか、やや硬めの足まわりであった。Mスポーツモデルほどではないものの、高速道路の段差を超える際、それなりにショックが乗員に伝わる硬さはある。ノーマルサスペンションであれば、よりしっとりした乗り味になりそうだ。

もうひとつ、新型は静粛性がさらに向上した。Aピラーに効果的な吸音材を仕込み、かつ風の音を減らす「アコースティックグラス」をウィンドシールドに採用した効果が大きいようだ。

現行モデルもけっして静粛性は悪くないが、ロードノイズもさらにしっかり遮断され、車内の快適性は大幅に向上している。ファミリーセダンとして日本でも人気が高いディーゼルモデルだけに、広くなったリアシート空間とともに、朗報といえる。

インテリアの目玉は音声認識システム「BMWインテリジェントパーソナルアシスト」だ。「ヘイ、ビーエムダブリュー」と呼びかけるとクルマが反応し、各種操作を音声でおこなえる。

「ちょっと寒いけれど」(試乗会場では英語で)と、言うと「室温を1℃上げます」と応え、自動で温度を調整する。電話をかけられるのはもちろん、目的地を告げれば、そこまでの所要時間を教えてくれたりもする。

音声認識システムは乗員すべての声に反応するが、フロントシートの声を優先するよう、マイクはセットされているという。ちなみに「窓を開けて」、「窓を閉めて」などからだを挟むような危険性を秘めているコマンドには反応しない。その点はメルセデス・ベンツの「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」とおなじだ。

開発者によると、日本での使用を開発初期段階から想定しているため、日本市場に導入される際は日本語で使えるという。

昨今の欧州では、「ディーゼルエンジンが環境を破壊している」といった意見も多く逆風が吹いている。にもかかわらずBMWは、新型3シリーズに今回試乗した2.0リッター直列4気筒ディーゼルエンジンと3.0リッター直列6気筒ディーゼルエンジン(7シリーズで試したが、すごいエンジンだ!)を搭載した。

なお環境問題についてBMWは「燃料噴射からはじまり排ガス浄化にいたるまで、多くの過程で排ガスの低公害化を進めている」と、説明する。

ディーゼルエンジン搭載車はご存知のとおり、遮音さえしっかりしていれば常用回転域が低めのためガソリンエンジンより静かで燃費がよくなる傾向にあり、かつ日本では燃料費が安いというメリットがある。

くわえて、320dはもうひとつの魅力がある。それは運転する楽しさだ。トルクがたっぷりあるパワーユニットならではの”味”が、運転する楽しさをさらに深めている……と、ポルトガルで思ったのであった。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

598.5651.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

30.02215.0万円

中古車を検索
チャージャーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

598.5651.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

30.02215.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村