この記事をまとめると
■初代プリウスは世界初の量産型ハイブリッド車として注目を集めた
市場を切り開いた偉大なクルマが敗北! 「後出しじゃんけん」でバカ売れしたクルマ4選
■当時ライバルだったのが初代ホンダ・インサイト
■カタログ燃費は当時世界最高の35.0km/Lだった
軽量化と空力性能を追求した初代インサイト
先日、5代目となる新型モデルが発表となったトヨタ・プリウス。このモデルはご存じのとおり、世界初の量産型ハイブリッド車であり、今日のハイブリッド車はこのプリウスがいたからこそ生まれたといっても過言ではない1台となっている。
そんなプリウスを追いかけ続け、さまざまな角度から勝負を挑んだのが1999年に登場したホンダ・インサイトだろう。
インサイト自体は2代目ではプリウスと同じ5ドアハッチバック、今年の夏で生産を終了した3代目はクーペスタイルの4ドアセダンとなっているが、初代モデルはCR-Xを思わせるスタイルの3ドアハッチバックとなっていた。
初代プリウスが実用的な4ドアセダンとなっていたのに対し、初代インサイトはとにかく燃費を追求した尖ったモデルとなっており、2名乗車のCR-X風のスタイルも空気抵抗を低減させるために採用されたものだった。そのため、リヤのホイールアーチには空気抵抗軽減を目的としたカバーが備わり、Cd値は0.25を実現していたのだ。
また同時に軽量化にも力を入れており、なんとボディはNSXと同じアルミフレームが採用され、ボンネットやルーフ、ドア、リヤフェンダーに至るまでアルミを使用(フロントフェンダーは樹脂)した結果、ハイブリッドシステムを搭載しながら車両重量は820kg(MT車)と現在のハイト系軽自動車を軽々と下まわる数値となっていた。
そのボディに搭載されたのは、直列3気筒SOHC995ccのエンジンと、アシスト用の薄型直流ブラシレスモーターを組み合わせた「IMA」と呼ばれるハイブリッドシステム。基本的にはエンジンで走行し、モーターはあくまで補助というもので、モーターはフライホイールの代わりに装着される仕組みとなっていた。
そのためトランスミッションは通常の車両と同じく5速MTとCVTが用意されており、気負うことなく運転することができたのは美点と言える。ただギヤ比は燃費重視のものとなっていたため(とくにMT車)、見た目から受ける印象ほどスポーティな走りを楽しめるワケではない。
このように低燃費を実現するために特化したインサイトは、当時のカタログ燃費で35.0km/L(MT車)という世界最高の数値を見事にマークしたのである。
ただ、2人しか乗れず、トランスペースもミニマム。それでいて価格は当時のアコードの2リッターモデルをも上まわる210万円と高額だったこともあり、日本での販売台数はおよそ7年で1600台あまりと商業的に成功したとは言い難い結果となってしまった。
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みんなのコメント
ユーザーをあまり見ていない。
言い方は悪いがホンダの自己満足で作られた車という印象がぬぐえない。
FIT3やVEZELが出て、完全モーター走行ができるようになってもずうっとね。
トヨタの戦略が上手いのだろうけど