現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ「背の低いミニバン」姿消す? 昔は各社の定番モデルだったのに! イマは全高170cm以上の「背の高いミニバン」ばかり… 理由は?

ここから本文です

なぜ「背の低いミニバン」姿消す? 昔は各社の定番モデルだったのに! イマは全高170cm以上の「背の高いミニバン」ばかり… 理由は?

掲載 11
なぜ「背の低いミニバン」姿消す? 昔は各社の定番モデルだったのに! イマは全高170cm以上の「背の高いミニバン」ばかり… 理由は?

■使い勝手はよかったのに…定番だった背の低いミニバンはなぜ消えた?

 ミニバンといえば、背の高いトール型ミニバンを思い浮かべる人が大多数でしょう。

【画像】「えっ…!」 これが「アルファードSUV」なの? 衝撃の画像を見る!(49枚)

 しかし以前は、ロールーフ型とも呼ばれる背の低いミニバンもたくさん存在していました。

 なぜ近年のラインナップは背の高いミニバンがほとんどなのでしょうか。

 いつの間にか、背の低いミニバンはほとんど見なくなり、現在はトヨタ「シエンタ」、「ノア/ヴォクシー」、「アルファード/ヴェルファイア」、「グランエース」。

 ホンダ「フリード」、「ステップワゴン」や、日産「セレナ」、「エルグランド」や三菱「デリカD:5」といった全高1700mm以上のミニバンが主流です。

 なぜ全高1700mm以下の背の低いミニバンは姿を消したのでしょうか。

 ロールーフ型ミニバンの人気の火付け役は、1994年に登場した初代ホンダ「オデッセイ」(全高1660mm-1690mm)でした。

 各メーカーはオデッセイの対抗馬として乗用ミニバン開発へ本格的に着手し、トヨタからは「イプサム」「ウィッシュ」「アイシス」「プリウスα」などが登場。

 日産で有名なのは「ラフェスタ」「プレサージュ」。マツダには「プレマシー」「MPV」が存在し、三菱には「グランディス」、スバルには「エクシーガ」がありました。

 長らく市場にはロールーフ型とトール型のミニバンが共存していました。

 しかし徐々にトール型ミニバンに人気が移り、それに従ってほとんどのメーカーがロールーフ型ミニバン開発に見切りをつけます。

 オデッセイを擁するホンダは「ストリーム」に加え、実質的な後継といえる「ジェイド」を2020年まで販売。

 現在もオデッセイを販売するなど、ホンダは各メーカーのなかで最後まで背の低いミニバンの開発にこだわっていたメーカーです。

 ロールーフ型とトール型のミニバンでは具体的に何が違うのでしょうか。ボディサイズと室内寸法の違いから比べてみましょう。

 オデッセイの対抗馬として2001年~2009年まで販売された2代目イプサムのボディサイズは、全長4650mm×全幅1760mm×全高1660mm。室内寸法は、長さ2755mm×幅1505mm×高さ1250mmです。

 2003年~2008年まで販売されたセダン並に低い全高が特徴の3代目オデッセイのボディサイズは、全長4765mm×全幅1800mm×全高1550mm、室内寸法は、長さ2790mm×幅1535mm×高さ1220mmとなります。

 これに対して、現行型のノアとステップワゴンのボディ全高は1895mmと1840mm。室内高はノア1405mm、ステップワゴンが1410mmです。

 こうして比較すると、全高や室内高は200mmほどの違いしかないことがわかります。

 しかし車内の頭上空間は、室内幅の広さよりも開放感に直結するため数値以上に大きな影響があります。

 またロールーフ型ミニバンの多くはヒンジドアであり、日常的な使い勝手では電動スライドドアが備わるトール型ミニバンに軍配が挙がるのは誰もが知るところでしょう。

 快適性と利便性に的を絞れば、トール型ミニバンの方が明らかに勝るようです。これがロールーフ型ミニバンが消滅した理由なのでしょうか。

■背の低いミニバンが消滅したのは必然! 今後人気が復活する可能性は?

 ロールーフ型ミニバンが、トール型ミニバンにとって代わられたことについて、トヨタ広報部の担当者は次のように話します。

「イプサムやウィッシュを始めとする背の低いミニバンを様々なライフスタイルにスマートに対応できるクルマとして、ライフステージにかかわらず幅広いお客様に受け入れられていました。

 しかし時代のニーズやデザインのトレンド、市場動向が変化したため、背の低いミニバンの販売数は少なくなっていきました。

 代わりに『乗り降りしやすいスライドドア』や『多くの人/荷物を載せられる広い車内空間』などのミニバンにしか実現できない嬉しさを、ファミリー層を中心にした背の高いミニバンの需要が大きくなりました」

 つまり、現在に至るまでのこうしたミニバン市場の変化は、時代や環境変化における自然淘汰と言えるでしょう。

 またロールーフ型ミニバンの消滅には、クルマの技術進歩や日本特有の交通環境も関係しています。

 クルマは全高を高くするほど重心位置も高くなるため、安定性を確保するためにはサスペンションを硬く締め上げなければならず、乗り心地は悪化する傾向にあります。

 高い乗り心地や安定感はロールーフ型ミニバンの数少ない優位な点でした。

 そのため、欧州をはじめとする平均速度が高い国では、MPV(マルチ・パーパス・ビークル)と呼ばれるロールーフ型ミニバンに近いクルマが今でも主流です。

 その点、日本は走行速度が低いため、全高がある程度高くとも大きな問題になりません。

 それに加え、以前に比べてプラットフォームやサスペンション、タイヤの進化や車両制御技術の進歩により、現在は背の高いクルマでも乗り心地や直進安定性が確保しやすくなっています。

 こうした理由もあって徐々にロールーフ型ミニバンの存在意義は薄れ、現在は室内空間が広く便利で快適なトール型ミニバンが主流になったようです。

※ ※ ※

 今後、再びロールーフ型ミニバンの人気が再燃する可能性はあるのでしょうか。

 ロールーフ型ミニバンは、快適性と走行性能を両立したい人にはベストなクルマです。しかし、その需要は市場全体でみれば決して多くありません。

 しかも、多人数乗車可能なクロスオーバーSUVで代替可能となっているため、かつてのような人気を取り戻すのは難しいと思われます。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ホンダ『プレリュード』、米国でも25年ぶりに復活へ…次世代ハイブリッド車として2025年投入
ホンダ『プレリュード』、米国でも25年ぶりに復活へ…次世代ハイブリッド車として2025年投入
レスポンス
「えっ…!」この道「ウインカー」出す? 出さない? 真っ直ぐも行ける「道なりカーブ」どうする!? 「正解」の曲がり方とは
「えっ…!」この道「ウインカー」出す? 出さない? 真っ直ぐも行ける「道なりカーブ」どうする!? 「正解」の曲がり方とは
くるまのニュース
ベン・キーティングがWEC復帰、小泉洋史は外れる。コルベットZ06 GT3.Rのラインアップ確定
ベン・キーティングがWEC復帰、小泉洋史は外れる。コルベットZ06 GT3.Rのラインアップ確定
AUTOSPORT web
パイセンに続け!! 将来はトヨタで[WRC]のシートを掴むかもしれないラリードライバーの卵 
パイセンに続け!! 将来はトヨタで[WRC]のシートを掴むかもしれないラリードライバーの卵 
ベストカーWeb
ヒョンデの新型EV『インスター』、東京オートサロン2025で日本初公開へ
ヒョンデの新型EV『インスター』、東京オートサロン2025で日本初公開へ
レスポンス
クルマのホーンボタンには「ラッパのマーク」がないと違反! なんと「有名薬のラッパのマーク」を切り貼りしても「手書き」でもOKってマジか!!
クルマのホーンボタンには「ラッパのマーク」がないと違反! なんと「有名薬のラッパのマーク」を切り貼りしても「手書き」でもOKってマジか!!
WEB CARTOP
ブランドイメージ構築に課題? レクサスLBX 長期テスト(5) モデルの強みはNXと共通
ブランドイメージ構築に課題? レクサスLBX 長期テスト(5) モデルの強みはNXと共通
AUTOCAR JAPAN
[15秒でわかる]ブガッティの特別なガレージと展示台
[15秒でわかる]ブガッティの特別なガレージと展示台
レスポンス
実質約445万円で買える ホンダの燃料電池車[新型CR-V e:FCEV]は本気で買いたくなるほどのデキだったのか? 
実質約445万円で買える ホンダの燃料電池車[新型CR-V e:FCEV]は本気で買いたくなるほどのデキだったのか? 
ベストカーWeb
6速MTあり! ミツオカ最新「ビュートストーリー」がスゴい! 全長4m「ちょうどいいボディ」に超レトロデザイン×「豪華インテリア」採用! 「小さな高級車」どんなクルマ?
6速MTあり! ミツオカ最新「ビュートストーリー」がスゴい! 全長4m「ちょうどいいボディ」に超レトロデザイン×「豪華インテリア」採用! 「小さな高級車」どんなクルマ?
くるまのニュース
レッドブルのジュニアチームで5年目を迎える角田裕毅。ホーナー代表、2025年末で手放す可能性を示唆も、昇格も否定せず
レッドブルのジュニアチームで5年目を迎える角田裕毅。ホーナー代表、2025年末で手放す可能性を示唆も、昇格も否定せず
AUTOSPORT web
軽自動車サイズの布製タイヤチェーン「モビルシュシュ」が一般販売開始
軽自動車サイズの布製タイヤチェーン「モビルシュシュ」が一般販売開始
レスポンス
0-100キロ加速2.9秒! SL史上初PHEVのメルセデスAMG「SL 63 S Eパフォーマンス」は3350万円…日本仕様車は左ハンドルのみです
0-100キロ加速2.9秒! SL史上初PHEVのメルセデスAMG「SL 63 S Eパフォーマンス」は3350万円…日本仕様車は左ハンドルのみです
Auto Messe Web
新人コラピントは素晴らしいドライバーだ! 僚友アルボンが称賛。シーズン終盤にクラッシュ連続も「F1に相応しい存在」
新人コラピントは素晴らしいドライバーだ! 僚友アルボンが称賛。シーズン終盤にクラッシュ連続も「F1に相応しい存在」
motorsport.com 日本版
技術も力もいらない簡単装着! 持ってて安心な新タイヤチェーン「バイアスロン・イージーフィット」が雪道ドライブの最強の味方だった
技術も力もいらない簡単装着! 持ってて安心な新タイヤチェーン「バイアスロン・イージーフィット」が雪道ドライブの最強の味方だった
WEB CARTOP
制限速度を守ってる自分を抜かしていったクルマにオービスが光らないって納得いかん! なんで自動速度取締機は大幅にマージンをとってるの?
制限速度を守ってる自分を抜かしていったクルマにオービスが光らないって納得いかん! なんで自動速度取締機は大幅にマージンをとってるの?
WEB CARTOP
ミズノの「歩ける」ドライビングシューズ、新登場の高級モデル『ベアクラッチL』を試してみた
ミズノの「歩ける」ドライビングシューズ、新登場の高級モデル『ベアクラッチL』を試してみた
レスポンス
ホンダの新型ハイブリッドがすごい! しかも新開発!! 今のハイブリッドより圧倒的に楽しかった!!!
ホンダの新型ハイブリッドがすごい! しかも新開発!! 今のハイブリッドより圧倒的に楽しかった!!!
ベストカーWeb

みんなのコメント

11件
  • lan********
    D QN親が上から見下してオラオラ運転し、
    断つべきDNAを受け継いでしまったD QNキッズが
    チャイルドシートやジュニアシートに座ることもなく後部座席でトランポリンするためだろ?

    他に何がある?
  • ******
    惨めなドキューンが運転してる時だけ上から目線になれるからだろ
    トヨタが公式にコメントしてるじゃん
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村