華麗なモントレー・カー・ウィークの様子をお届け
2024年8月16日に北米カリフォルニア州モントレー半島にて開催された「モントレー・カー・ウィーク」で、ブガッティのモデルが一堂に会しました。2024年のモントレー・カー・ウィークは、「シロン」の終焉と新型「トゥールビヨン」の幕開けによって、ブガッティのバトンタッチを象徴するものとなりました。今回のブガッティのモントレー・カー・ウィークを振り返ります。
ブガッティの100年前の「タイプ35」が残した偉大な記録とは?「トゥールビヨン」や「ボライド」に受け継がれる精神性を解説します
新型「トゥールビヨン」が米国で初披露
2024年8月16日に開催されたザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリングでは、ブガッティ新型「トゥールビヨン」が初めてアメリカで発表された。「Pour L’éternité(永遠のために)」をテーマに製作されたトゥールビヨンは、100年後もクエイル・ロッジの芝生に現れることのできるクルマとして、構想された。
自然吸気V16エンジンに3つの電気モーターを組み合わせ、スイスの時計職人の協力を得て製作された完全機械式の計器盤を備え、さらに時代を超越したエアロダイナミクス主導のデザインを採用したトゥールビヨンは、「タイプ57」や「EB110」など、ザ・クエイルに展示されたブガッティのヴィンテージカーと同様に、いつまでも魅力が続くように設計されている。
トゥールビヨンの隣に並んだむき出しのローリングシャシーは自動車芸術の一部であり、「美しすぎるものはない」や「比較できるならば、それはもはやブガッティではない」というエットーレ・ブガッティの理念を明確に表現している。
会場には世界有数の自動車コレクターやエンスージアストが集結し、マテ・リマックCEOとデザイン・ディレクターのフランク・ハイル氏がトゥールビヨンのビジョンを発表した。
最後に製造された特別モデル「シロン」も登場
ブガッティの顧客はモントレー滞在中、ペブルビーチのロッジにあるドメーヌ・ブガッティを訪れ、トゥールビヨンを間近に鑑賞し、トゥールビヨン以外のモデルやライフスタイル製品の数々を見て楽しんだ。その中で、トゥールビヨンのブルーの色合いにインスパイアされたシャンパーニュ・カーボンのボトルが初公開された。ヘドリー・スタジオはスケールモデル「ベイビー ブガッティII」を発表し、ジェイコブ&カンパニーはブガッティのハンドメイド時計シリーズの展示を行った。
会場の屋外では、「ボライド」と「タイプ35」が集結し、ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで行われたトラックイベントに登場した。また、シロンの最後に製造されたモデル「L’Ultime(ルルティム)」の展示も行われた。
ペブルビーチ・コンクール・デレガンスで続々受賞
ペブルビーチのゴルフコースの18番ホールで開催されたペブルビーチ・コンクール・デレガンスでは、スイスのザ・パール・コレクションが所有する1934年製の「タイプ59スポーツ」が垂涎のベスト・オブ・ショーを受賞。このタイプ59スポーツの美しさ、コンディションの良さは歴史の証として、スタンフォード大学自動車研究センター(CARS)賞も受賞した。
また、ブガッティのクラシックカーは、ほかの賞でも受賞している。ヨーロピアン・クラシックスポーツ部門は、1933年に製作された伝説的な「タイプ55ロードスター」、戦前保存賞では「タイプ59スポーツ」が選ばれ、3冠を達成した。
また、2台の2位入賞も特筆すべき成果であった。ヨーロピアン・クラシック・ツーリング・レイト部門では1938年製の「タイプ57C アラヴィス」、1990年代 BPR & FIA GTレースカークラスでは1995年製の「EB110スポーツ コンペティツィオーネ」が2位入賞を果たし、その素晴らしいレース経歴を証明した。
会場で展示されたトゥールビヨンは、モントレー・カー・ウィーク後もアメリカでのツアーを続ける。その後、フランスで2024年9月12日から15日まで開催されるシャンティイ・アート&エレガンス・リシャール・ミルで展示される予定だ。
AMWノミカタ
2024年のモントレー・カー・ウィークで、ブガッティは新型モデルであるトゥールビヨンの発表、タイプ35の100周年を記念したラグナ・セカでのイベント、そしてペブルビーチ・コンクール・デレガンスと、過去と未来をつなぐたくさんのイベントを盛り込んだ印象だ。というよりも、この一連のイベントの趣向自体がブガッティのショーケースとして最もフィットしている場なのであろう。
とくにペブルビーチ・コンクール・デレガンスは伝説的なモデルを多く持つブガッティにとっては歴史を伝える絶好の機会となる。それぞれの部門での展示車を見比べ、さらに最新モデルを同時に見ることで、ブガッティが守ってきた哲学の一貫性を来場者は感じることができる。
「美しすぎるものはない」や「比較できるならば、それはもはやブガッティではない」というエットーレ・ブガッティの理念を来場者は感じられたのではないだろうか。
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