はじめに
新たな10年を迎えるにあたり、自動車界におけるBMW330dのポジションをじっくり考えるということは、なかなか興味深い仕事だ。
3シリーズの30dというグレードが、はじめて世に送り出されて以来、20年の時間が経つ。ミュンヘンやライプツィヒ、レーゲンスブルクの生産ラインから送り出されたそれは、事態に弾みをつけた。
3シリーズにおいて、これが6気筒ディーゼルの初採用例ではない。しかし、330dの登場は、もっとも多彩なクルマと呼んでいいジャンルの誕生となった。すなわち、ディーゼルの小型高級パフォーマンスセダンである。
当時、この手のクルマの0-100km/h加速タイムが8秒を切るというのは、センセーショナルな出来事だった。しかし、それ以上に重要なのは、このパフォーマンスだけでなく、長距離走行での経済性や上質さ、BMWらしい魅力的な運動性を、330dが併せ持っていたことだ。
その後20年にわたり、後継モデルは造られ続けた。そして、その強みの改善を重ねてきたのである。だが、2020年初頭の自動車界は、違う状況を呈している。
電動化が重要さを増し、メインストリームの車種ではダウンサイジングや気筒数削減が進んでいる。さらには、環境問題に配慮した税制締め付けが厳しくなり続け、ユーザーがディーゼル車に魅力を感じなくなりつつある。また、豪華で高価な、パフォーマンス重視のモデルは風当たりが強くなっている。
これまでは廉価版的な扱いを受けていた小排気量モデルが、性能や魅力を高めているということもそれに加わる。パフォーマンスも洗練性も、そして経済性も高まっている。
BMWでいえば、320dがまさしくこれにあたる。昨年行ったロードテストでは、見事満点を獲得したのだ。
そうしたもろもろを踏まえると、330dは真に円熟味のある、ディーゼルの魅力的なフラッグシップとして今まで以上にはっきりと優位性を示す必要がある。
はたして、それは叶うのだろうか。今回はセダンではなく、さらに実用性を強化したツーリングという切り札を出して、検証してみようと思う。
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
サイズ的なことを言えば、現行3シリーズのセダンとワゴンはそれほど占有面積に違いはない。全長は4709mm、ミラーを除く全幅は1827mmに代わりはなく、1445mmの全高は3mm増したのみだ(欧州仕様値)。
大きく異なるのは、当然というべきか車両重量だ。後輪駆動の320d Mスポーツの場合、ツーリングはセダンより115kg重い1640kgとなる。このディーゼルユニットを4気筒から6気筒へ換装し、後輪バイアスの四輪駆動であるxドライブと8速ATを積んだ330dは、公称重量1760kgだ。
テスト車の実測値は、59Lの燃料タンクを満タンにして1922kgで、前後重量配分は47:53。BMWの誇る50:50の等分とはいかなかったが、遠からずといったところだ。もっとも、重量の絶対値は、大方の期待値よりだいぶ重いのだが。
実用性重視のワゴンボディゆえに、アピアランスはバルキーになってしまうが、テスター陣はほぼ、セダンと比べてもハンサムなほうではないかとの意見で一致した。
というのも、セダンは、とくにリア周りがどことなくレクサスに似たデザインだからだ。対してツーリングは、やや細部にこだわりすぎなBMWの新しいデザイン言語を一貫して採り入れているように思える。
エンジンについては、330dはM340iの下に位置する6気筒3シリーズのエントリーモデルであり、ディーゼルの3シリーズとしてはトップグレードに当たる。
3.0LのB57エンジンは、他のモデルの30dグレードと同じくツインスクロール式シングルターボを搭載。最高出力は4000rpmで266ps、最大トルクは1750~2750rpmで59.2kg-mを発揮する。
8速のZF製ATがこの出力を制御し、Mスポーツ・プラスエディションには標準装備される電子制御リアLSDのMスポーツディファレンシャルが、シャープなハンドリングとトラクションをもたらす。
セダンモデル同様、3シリーズ・ツーリングのサスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク。スタビライザーは強化し、フロントのスプリングはソフトにすることで、後部の重量増加分に対応したほかに変更点はない。
パッシブダンパーとスティールコイルを組み合わせたサスペンションは、ツーリングではスポーツ仕様が標準装備。Mスポーツでは車高を下げ、ダンパーはハードな仕様となる。
テストしたMスポーツ・プラスエディションでは、アダプティブMスポーツサスペンションが標準装備。さらに、アップグレード版のMスポーツブレーキと、可変レシオのMスポーツステアリングシステムも備える。
内装 ★★★★★★★★★★
ラゲッジルームより前のキャビンに、セダンとの違いは見出だせない。つまり、その構造はBMWらしさを容易に認識できる。ダッシュボードは階段状デザインを進化させたもので、マテリアルのフィッティングもフィニッシュも、すばらしく水準が高い。
華やかさや派手さで群を抜いているわけではない。しかし、プレミアム感は文句なしだ。見た目の質感は、アルファ・ロメオ・ジュリアやジャガーXEを寄せ付けない。もっとも、330dの最上位グレードは5万ポンド(約700万円)近くに達するのだから、当たり前といえばそれまでだが。
それでも、BMWの常で、機能性が二の次になることはない。シートポジションもステアリングコラムも、調整機能は実にみごとだ。
ただし、テスト車は1900ポンド(約26.6万円)のプレミアムパッケージ装着車で、それに含まれる電動調整式スポーツシートが果たす役割もここでは大きい。サポートはもちろん、快適性にもこれという不満はなかった。
そして、BMWといえば今や欠くことのできない、インフォテインメントシステムのダイヤル式コントローラーはもちろん装着されている。これは、走行中の操作性を高めてくれるアイテムだ。
後席が売り物になるほど広いというのは大げさだが、それでも競争力は十分にある。前席に背の高いドライバーが座った場合でも、その背後で乗員のひざがフロントのシートバックに近づきすぎることはない。
ヘッドルームも上々だ。ただし、大人が中央席に座るのはちょっと厳しいものがある。
荷室容量は、後席使用時で500Lと、クラストップではないものの強みはある。ボルボV60はこれを29L上回るが、メルセデス・ベンツCクラスのワゴンは460L、アウディS4アバントは420Lと、いずれも3ツーリングに及ばず、しかもその差は小さくない。
後席は、荷室の壁面に設置されたボタンを押すのみで倒せる。最大容量は1510Lで、これはV60さえも凌ぐ。
さらに、3ツーリングにはこれまでも見られた特筆すべきセールスポイントがある。リアウインドウが独立開閉できるのだ。テールゲートを開かずに、荷室にアクセスできる便利な装備である。
走り ★★★★★★★★★☆
この330dで、BMWのB57ユニットはスポーティなパフォーマンスと現実的な実用性のすばらしいバランスを見せる。世間的な逆風に乗って、パワフルなディーゼルから離れたユーザーたちを嘆かせることが容易に想像できるほどだ。
寒く、路面の湿った1マイルストレートでのパフォーマンスは、その効力を知らしめるに足るもの。4WDシステムのxドライブと相まって、発進でのホイールスピンはほぼ抑え込みつつも、5.5秒で97km/hに、14.5秒で161km/hに達する。
テスト時のコンディションは、加速性能の計測において理想的とはいえない。しかも燃料が満タンだったことを踏まえれば、0-100km/hが5.5秒だという公称データは信用できると考えていいだろう。
エンジン回転が4000rpmを超えると、わずかに苦しげなところを見せるものの、ギア固定での運動性能とフレキシビリティにも同じく優れる。低回転から発揮されるトルクは、扱いやすい特性だ。
この330d、アウディS4 TDIほどの爆発的な勢いはないが、よりゆったりした力の高まりは、運転しやすさにつながる。そうはいっても、特に発進時に、スロットルペダルのレスポンスがもう少しいいとうれしいのだが。
エンジンの力強い低音の唸りは、ガソリンの6気筒や8気筒とはまったく異なる。BMWの4ドアモデルはもちろん、このクラスを見回してもそうだ。しかし、負荷をかけた際のサウンドは、独特の魅力を持っている。
音だけでなく、経済性も330dのアピールポイントだ。先述したガソリン多気筒セダンは速さでいささか勝るが、クルージングで14.9km/L、平均値で18.6km/Lという好燃費をマークするものはない。
ボルボのプラグインハイブリッドを積むS60 T8ツインエンジンなら、ポールスター・エンジニアードでもこれに迫る数値をマークする。それでも、ロードテストでのツーリング燃費は14.0km/Lだった。
しかしながら、そうした数多くの美点があるにしても、欠点がまったくないというわけではない。8速のギアボックスはおおむね、十分滑らかに変速する。だが、コンフォートモードでキックダウンしたがらないことがあり、多少のフラストレーションを覚える。
また、走り出す際にはいささか急につながるので、右足の踏み込みが激しいと、快適といえるレベルよりやや急発進気味になってしまう。
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
インフォテインメント
10.25インチのディスプレイを用いるライブコクピット・プロフェッショナルは、BMWの最新インフォテインメントシステムで、Mスポーツ以上のグレードに標準装備。それより下位のスポーツでは、ディスプレイが8.8インチとなる。
グラフィックの洗練ぶりと動作の滑らかさは、現在手に入るものの中でも最高レベルと言って間違いない。
ナビゲーションシステムとデジタルラジオ、Bluetooth接続機能はスタンダード。コネクティッドパッケージ・プラスにはApple CarPlayも含まれているが、今回のテスト車ではなぜかこれが使えなかった。
1900ポンド(約26.6万円)のオプションとなるテクノロジーパッケージには、エクセレントなヘッドアップディスプレイや、スマートフォンのワイヤレス充電器などが含まれる。金額に納得できる内容だ。
新型のデジタル計器盤は鮮明で読み取りやすい。ただし、六角形のメーターは、われわれの好みには合わない。表示の設定変更が極めてベーシックな範囲に留まることも、残念だったポイントだ。
燈火類
アダプティブLEDヘッドライトは標準装備。今回、レーザーライトテクノロジーやハイビームアシストを試す機会はなかったが、これまでの経験によれば、レーザーライトは非常に明るく遠くまで届くものだった。
ステアリングとペダル
この点では、なにも不満はない。ペダル配置とドライビングポジションはおおむねバッチリといえるもの。ステアリングコラムとシートのアジャスト幅は実に広い。
操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆
この3シリーズ・ツーリングは、昨年テストした320dの高水準な運動性と比較して、やや重い車両重量の影響が感じられる。とはいえ、増加したウェイトが結果に及ぼすものは小さい。
もっとも大きな違いは、後部の重量増加を考慮して、フロントサスペンションをソフトにしたBMWの決断から生じたものだ。コーナーに飛び込むときには、セダンほどの俊足ぶりや機敏さを発揮してはくれない。
それでもテスター陣が、ハンドリングの秀逸さに関してクラストップの座は揺るぎないとの見解で一致を見るのは簡単だった。S4アバントやV60 T8ツインエンジンと並べても、BMWは走りにうるさいドライバーのチョイスとしては抜きん出ている。
とはいうものの、可変レシオのスポーツステアリングは特段フィールに優れるものではない。だが、切るにつれて増していくその手応えとレスポンスの敏感さは、すぐに揺るぎない直感的な自信をもたらしてくれる。それは、速度域の高いB級道路を流れるように走るほどに知る、シャシーのすばらしいバランスが与えてくれるものだ。
ボディコントロールは秀逸。ただ、重量が増していることだけは、すぐに感じられる。
グリップとトラクションのレベルもエクセレント。テスト車は4WDのxドライブ仕様だったが、コーナーでの挙動は駆動力配分が明らかに後輪バイアスだということを教える。
Mスポーツディファレンシャルもあって、リアアクスルがパワーでクルマを曲げようとしていることが感じられる。純粋な後輪駆動車ほどテールを振りたがるわけではないが、前輪も駆動することで得られる安心感は、天候不良時にありがたい。
間違いない。身のこなしやドライバーの熱中度、生まれ持ったハンドリングの安心感が織りなすバランスは、並外れたものがある。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
高いレベルのアジリティを手に入れた3シリーズ・ツーリングだが、その代償はやはりある。アダプティブダンパーをコンフォートにセットすると、パッシブダンパーのMスポーツ仕様よりしなやかで懐の広いフィールがすぐに感じられる。しかしながら、Cクラスなどと比べると、走りの洗練性にはまだ不十分な点が見えてくる。
もちろんこれは、より活発な走りを意図した決定の結果だ。このクルマがスポーティさを優先するのは疑問だが、多くのユーザーがそれを望むのなら仕方ない。
しかし、この330dツーリングの低速での乗り心地は軽く落ち着きがなく、路面不整による頻繁な突き上げによって途切れ途切れなものとなる。
ダンパーは衝撃の鋭いエッジを丸めてはくれる。そのため、市街地では比較的一定した乗り心地で、疲れのもとになるような粗さに悩まされることはない。
もっと開けた道路の速度域に入れば、なかなかの安定ぶりを見せる。プライマリーライドは、うねった路面にあってもなめらかで、それでいて勢いがあり、抑えが効いてもいる。
キャビンの静粛性も高められた。113km/h巡航時の騒音レベルは65dbで、昨年のテストで70dBを記録したS4に比べれば、チャーチのような静けさに感じられる。
ロードノイズや風切り音と無縁というわけにはいかないが、それらを苦痛でないほどに和らげる能力は優秀だ。十分に快適で有能な長距離ツアラーだと呼ぶに足るものだと言っていい。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
330dツーリングは安いクルマではない。もっとも安い後輪駆動のスポーツ仕様でも4万1565ポンド(約582万円)で、320dスポーツより5000ポンド(約70万円)近く高い。
330d xドライブ Mスポーツ・プラスエディションは、本体価格が4万8035ポンド(約672万円)。さらにオプションを付けたテスト車の価格は5万6305ポンド(約788万円)にもなる。少し前なら、M3を買える金額だ。
それでも、ボルボV60のT8ツインエンジンRデザイン・プラスは5万905ポンド(約713万円)、アウディS4 TDIアバントは4万9400ポンド(約692万円)。いずれも330dより高価だ。
ただし、V60 T8はプラグインハイブリッドなので、英国では税制の都合でカンパニーカーとしての需要がこちらに集まることも考えられる。もっとも日本では、330dもクリーンディーゼルに対するエコカー減税の対象車になるだろうが。
スペック
レイアウト
G20世代の3シリーズ・ツーリングのベースは、BMWのクラスター・アーキテクチャー・プラットフォーム。エンジンはガソリンとディーゼル、4気筒と6気筒が設定され、フロントに縦置きされる。
テスト車は3.0L直6ディーゼルと8速ATを組み合わせ、4WDシステムを採用する。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク。車両重量は、実測値で1922kgだった。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:直列6気筒2993cc、ターボ、ディーゼル
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ84.0×90.0mm
圧縮比:16.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:266ps/4000rpm
最大トルク:59.2kg-m/1500-3000rpm
許容回転数:5400rpm
馬力荷重比:151ps/t
トルク荷重比:33.6kg-m/t
エンジン比出力:89ps/L
ボディ/シャシー
全長:4709mm
ホイールベース:2851mm
オーバーハング(前):799mm
オーバーハング(後):1059mm
全幅(ミラー含む):2070mm
全幅(両ドア開き):3630mm
全高:1445mm
全高:(テールゲート開き):2020mm
足元長さ(前):最大1150mm
足元長さ(後):最大770mm
座面~天井(前):最大1010mm
座面~天井(後):最大980mm
積載容量:500~1510L
構造:スティール/アルミ、モノコック
車両重量:1760kg(公称値)/1922kg(実測値)
抗力係数:0.27
ホイール前/後:8.0Jx19/8.5Jx19
タイヤ前/後:225/40R19 93Y/255/35R19 96Y
ブリヂストン・トランザT005
スペアタイヤ:なし
変速機
形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.50/9.2
2速:3.52/14.3
3速:2.20/22.9
4速:1.72/29.3
5速:1.32/38.3
6速:1.00/51.2
7速:0.82/61.3
8速:0.64/78.7
最終減速比:2.471:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:14.9km/L
ツーリング:18.6km/L
動力性能計測時:7.4km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):11.5~11.8km/L
中速(郊外):14.5~14.9km/L
高速(高速道路):17.2~17.6km/L
超高速:15.6~16.1km/L
混合:15.2~15.4km/L
燃料タンク容量:59L
現実的な航続距離:877km
CO2排出量:142g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.25回転
最小回転直径:12.0m
ブレーキ
前:348mm通気冷却式ディスク
後:345mm通気冷却式ディスク
静粛性
アイドリング:49dB
全開時:75dB(4速)
48km/h走行時:58dB
80km/h走行時:62dB
113km/h走行時:65dB
安全装備
ABS/DSC/DTC/CBC/DBC/フェード補正機構
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人97%/子供87%
交通弱者保護性能:87%
安全補助装置性能:76%
発進加速
テスト条件:湿潤路面/気温11.5℃
0-30マイル/時(48km/h):1.9秒
0-40(64):2.9秒
0-50(80):4.0秒
0-60(97):5.5秒
0-70(113):7.1秒
0-80(129):9.1秒
0-90(145):11.4秒
0-100(161):14.5秒
0-110(177):17.8秒
0-120(193):22.0秒
0-402m発進加速:14.1秒(到達速度:126.5km/h)
0-1000m発進加速:-秒(到達速度:-km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アウディS4 TDIセダン(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温23℃
0-30マイル/時(48km/h):1.8秒
0-40(64):2.6秒
0-50(80):3.6秒
0-60(97):4.6秒
0-70(113):5.9秒
0-80(129):7.5秒
0-90(145):9.4秒
0-100(161):11.5秒
0-110(177):14.2秒
0-120(193):17.1秒
0-402m発進加速:13.2秒(到達速度:172.2km/h)
0-1000m発進加速:24.0秒(到達速度:221.3km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.7秒(2速)/2.5秒(3速)
30-50(48-80):2.2秒(3速)/2.7秒(4速)/4.0秒(5速)
40-60(64-97):2.5秒(3速)/2.8秒(4速)/3.7秒(5速)/5.1秒(6速)
50-70(80-113):3.3秒(3速)/3.1秒(4速)/3.7秒(5速)/5.0秒(6速)/6.7秒(7速)/12.7秒(8速)
60-80(97-129):3.6秒(4速)/4.0秒(5速)/5.1秒(6速)/6.5秒(7速)/10.4秒(8速)
70-90(113-145):5.0秒(4速)/4.4秒(5速)/5.3秒(6速)/6.8秒(7速)/10.3秒(8速)
80-100(129-161):5.2秒(5速)/5.7秒(6速)/7.2秒(7速)/10.9秒(8速)
90-110(145-177):6.7秒(5速)/6.5秒(6速)/7.9秒(7速)
100-120(161-193):10.8秒(5速)/7.4秒(6速)
110-130(193-209):9.3秒(6速)
各ギアの最高速
1速:49.9km/h(5400rpm)
2速:77.2km/h(5400rpm)
3速:123.9km/h(5400rpm)
4速:157.7km/h(5400rpm)
5速:206.0km/h(5400rpm)
6速:249.4km/h(4948rpm)
7速:249.4km/h(4072rpm)
8速(公称値):250.0km/h(3167rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1430rpm/1634rpm
制動距離
テスト条件:湿潤路面/気温11.5℃
30-0マイル/時(48km/h):10.3m
50-0マイル/時(64km/h):27.7m
70-0マイル/時(80km/h):54.3m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.31秒
ライバルの制動距離アウディS4 TDIセダン(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温23℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):23.7m
70-0マイル/時(80km/h):46.9m
結論 ★★★★★★★★★☆
この330dツーリングに、満点をつけたい誘惑には抗いがたい。6気筒パワートレインの洗練性とパフォーマンスは、このクルマをディーゼルのみごとなフラッグシップたらしめるものだ。
ハンドリングもまた、3シリーズのセダンモデルに限りなく近いほど楽しめる。それでいて、セグメント屈指の実用性を誇るワゴンだ。
経済性についてもまた、それほど無理をしなくても、15km/L近い平均燃費を叩き出す。しかもマテリアルの質感やエルゴノミクスに優れたキャビンが商品力を高めている。十分に成熟したマシンだ。
しかしながら、その優秀さを手にするには、それなりに出費も大きくなる。メーカーへの、CO2排出量に応じた課税が厳しさを増しているのもその一因だ。2012年当時の旧世代モデルに対し、1台あたりの税金相当額は実に2倍近くに増えているのである。
また、現行320dツーリングの図抜けた性能を考えると、さらなるプレミアムな価格を正当化できるかというのは難しい問題だ。
そのプライスを受け入れられるなら、この330dはやはり単純明快なクルマといえる。結局のところ、これはおそらくもっとも多才な3シリーズだ。つまり、このセグメントの現行モデルで、もっとも多才なクルマだと言い換えてもいい。
しかし、残念な要素もある。それは現状の税制が、これほどのクルマに対し不当に作用しているという点にほかならない。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイヴィスこのクラスのクルマにいつまで6気筒ディーゼルが用意されるかはわからないが、消滅する日が来たら悲しむことになるだろう。それだけすばらしいマシンだ。
リチャード・レーンツーリングの荷室には、X5と同様にゴム張りの滑り止めレールが装備された。荷物を積み降ろしする際にはフロアとツライチだが、ハッチを閉じると3mm持ち上がり、荷物が不用意にスライドするのを防止する。
オプション追加のアドバイス
2200ポンド(約30.8万円)のMスポーツ・プラスパッケージは、アダプティブダンパーのためだけにも選びたい。1900ポンド(約26.6万円)のテクノロジーパックも、金額に見合う価値がある。
改善してほしいポイント
・トランスミッションのコンフォートモードでのレスポンスを、もう少し上げてほしい。現状、キックダウンを嫌う傾向がやや強い。
・他車と同じくらい、Apple CarPlayがシームレスに機能してくれればいいのだが。せっかく標準装備されたのだから。
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