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ダイハツ ミライースはいかにして走りを向上させたのか

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ダイハツ ミライースはいかにして走りを向上させたのか

5月9日にフルモデルチェンジしたダイハツ ミライース。新型の燃費は35.2km/Lで、数値上は先代モデルと同様。ではこれが達成可能な燃費の上限値なのかというと、そういうことではないようだ。

実際に新型のボディ骨格は従来比で80kgにもおよぶ軽量化を実現しており、これを燃費に振ろうとすれば、数値をよくすることはできたはず。でもそれはしなかった。ミライースはすでに全車エコカー減税の免税レベルを達成しており、言ってみれば燃費はすでに十分なレベル。そこで今回の改良においては燃費に特化するのではなく、走りの質の向上に力を入れたという。その具体的な取り組みを見ていこう。

じつは新型ミライース、基本構造から大きく変わっている。骨格部は、強度剛性と軽量化を実現できるハイテン材(高張力鋼板)を側面全体に用いることで衝突性能と剛性を両立させている。さらにボディの結合部分を強化し車体全体の一体感を高めることで、耐振動やノイズ、乗り心地の向上を図っているのだ。

一方ボディパネルは、フロントフェンダーとバックドアを樹脂化。しかもそのバックドアは、樹脂バックドア生産工場を新たに建設し内製化することで、品質アップと低コスト化を実現するなど、生産プロセスも革新を起こしているのだ。

さらにボディまわりでは、空気の流れを考慮したデザインや整流アイテムの採用により、空気抵抗を低減。例えば前述のバックドアはルーフスポイラー一体式となっており、軽量化と空力向上を両立させている。

パワートレインでは、アクセル開度に対して駆動力がリニアに立ち上がる特性とするため、変速制御を改善した。これによりアクセルを踏み込んで5秒間で進める距離は、従来の33mから36mとクルマ約1台分の差があるほど。高速道路の合流加速も速くなっているそうだ。

またサスペンションについては、スプリング形状の最適化やショックアブソーバーの大径化、ブッシュの見直しなどにより、街乗りから中高速域における乗り心地の向上を図っている。

このようにボディ骨格からパワートレイン、サスペンションまで全面的に見直されたミライース。「燃費がいい」はすでに当たり前で、その他の部分に新しい価値を与えようという開発チームの意気込みが伝わってくる。はたしてダイハツの意欲作は、どれだけ気持ちよく走れるのか。運転できる日が楽しみだ。

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