現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 中古で400万円超!?? 国産最強のステージアオーテックバージョン260RSはなぜ一世風靡した?

ここから本文です

中古で400万円超!?? 国産最強のステージアオーテックバージョン260RSはなぜ一世風靡した?

掲載 13
中古で400万円超!?? 国産最強のステージアオーテックバージョン260RSはなぜ一世風靡した?

 1990年代、ダントツ人気だったレガシィツーリングワゴンを筆頭に、ホンダアコードワゴン、トヨタカルディナ、日産アベニール、三菱レグナムなどの名車が続々と登場し、一大ブームを巻き起こした、ステーションワゴン。このワゴンにハイパワーエンジンを積んだスポーツワゴンカテゴリも、当時は盛り上がりをみせており、なかでも、日産が1996年10月に発表したスカイライン譲りの走りを備えたラージワゴン「初代ステージア(WC34型)」は、語りつがれる名車のひとつ。その初代ステージアに、1997年10月に追加されたのが、あのGT-Rのツインターボエンジンを搭載したことで一世風靡した「オーテックバージョン260RS」だ。

文:吉川賢一
写真:NISSAN

中古で400万円超!?? 国産最強のステージアオーテックバージョン260RSはなぜ一世風靡した?

ステーションワゴンながら、中身はほぼ「GT-R」

 オーテックバージョン260RS(以下260RS)のベースとなっているのは、初代ステージアの2.5L直6ターボの25tRS FOUR V(これだって280psで相当に速かった)。名称にある「260」は排気量(2.6L)のことで、BCNR33のスカイラインGT-Rと同じ「RB26DETT」を積んでいることを示している。

 エンジンの最高出力はGT-Rと同じく280ps、最大トルクは37.5kgf・m。クーペボディよりも不利なワゴンボディでも車体剛性が維持できるよう、車体およびシャシーには大幅補強が施され、GT-R譲りの電動SUPER HICASや電子制御トルクスプリット4WD、ブレーキにはブレンボ、BBS製17インチ×7JJの鍛造アルミホイール、タイヤはパフォーマンスなBSポテンザRE010など、搭載されたアイテムをみれば260RSはほぼ「GT-Rのワゴン」。見た目は地味であったが、日産史上、最強・最速のツーリングワゴンといっても過言ではなく、当時のクルマ好きの心をくすぐるモデルだった。

オーテック260RSのベースは、2.5リッター直6ターボの25tRS FOUR V。トランスミッションは5速マニュアルミッションのみを設定していた

BCNR33のスカイラインGT-Rと同じ「RB26DETT」を搭載、名称を260RSとした

[usedcar-search brand_cd="1015" body_cd="8" car_cd="10152022" keyword="ステージア" limit=30]

外装は地味だったが、内装にはこだわりが

 見た目は地味だった260RSだが、インテリアはかなりこだわってつくられていた。専用開発したスポーツシートは、ホールド性、サポート性を向上させながら、シフト操作時に肘とシートが干渉しないよう、サイドサポート形状を工夫。また本革巻ステアリングホイールやシフトノブ、パーキングブレーキには、手のひらに無用な刺激を与えないよう、グリップ部材に溝を彫り込み、糸が表面で交差しないように縫製したという。

 また、インストルメントパネルとパワーウインドウスイッチのフィニッシャーは、高級感かつスポーティな雰囲気のメタル風ダークトーンでカラーリング。コンビメーターは、スポーツマインドを掻き立てる10,000rpmスケールの専用タコメーターかつオレンジ照明とし、センターコンソールには、フロントトルク計、油圧計、ターボブースト計をしこんだ小径3連メーターをレイアウト。90年代の日産車はこのようなインテリアのクルマが多かったが、いま見ても古臭さを感じず、いい味が出ているように感じる。

 その後ステージアは、2001年にV35スカイラインがベースの2代目(M35型)へと切り替わり、ワゴンブームがすっかり下火となった2007年まで販売された。

コンビメーターは10,000rpmスケールの専用タコメーターかつオレンジ照明を採用。センターコンソールには、フロントトルク計、油圧計、ターボブースト計の3連メーターをインストールした

専用開発したスポーツシートには、ホールド性、サポート性を向上させながら、シフト操作時の肘とシートの干渉がないよう、サイドサポート形状を工夫しているそう

1998年式が北米の「25 年ルール」をクリア 根こそぎ輸出されてしまう可能性も

 2023年9月上旬現在の中古車市場において、260RSオーテックバージョンは、(某中古車サイトでは)掲載台数3台と少なく、走行距離も10万km超だが、相場は470万円~625万円。ここまで高価になっている理由のひとつは、1998年式までがアメリカの「25 年ルール(「アメリカ合衆国の安全基準を満たさないクルマは輸出できない」というルールの例外として、製造から25 年を超えたクルマは規制の対象外となるもの。2023 年は、1998 年式が製造年 25 年を超える)」をクリアしたことだ。

 既にバイヤーの間では、「あのGT-Rのワゴン版がある」ということは知られている上に、日本の旧車を愛するJDM(Japan Domestic Market、直訳すると日本国内市場だが、アメリカ人が古い日本車を所有・カスタムをする文化のことをさす)文化は、アメリカの若者の中でいまだに熱いようで、根こそぎ持っていかれる可能性もある。超希少なステージア260RSオーテックバージョン、欲しいと思うならば、いますぐ動いたほうがいいだろう。

こんな記事も読まれています

[新型フリード]最速3カ月納車!? フリードのために書き下ろしたミセスの新曲が激アツ
[新型フリード]最速3カ月納車!? フリードのために書き下ろしたミセスの新曲が激アツ
ベストカーWeb
日産『ムラーノ』が11年ぶりフルモデルチェンジへ! 日本市場復活はどうなる?
日産『ムラーノ』が11年ぶりフルモデルチェンジへ! 日本市場復活はどうなる?
レスポンス
ラリー・ポーランドが開幕。スーパーSSでヒョンデが1-2発進、勝田貴元は4番手/WRCデイ1
ラリー・ポーランドが開幕。スーパーSSでヒョンデが1-2発進、勝田貴元は4番手/WRCデイ1
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLEにブランド唯一のカブリオレモデルを追加発売
メルセデス・ベンツCLEにブランド唯一のカブリオレモデルを追加発売
Auto Prove
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「日本型ライドシェア開始から3ヶ月~都市・地方の展望と課題~」
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「日本型ライドシェア開始から3ヶ月~都市・地方の展望と課題~」
レスポンス
スズキが“新”「ハスラー」公開! 精悍すぎる「黒顔」に上質内装採用! めちゃタフ仕様追加の「超人気モデル」に未だ反響多数
スズキが“新”「ハスラー」公開! 精悍すぎる「黒顔」に上質内装採用! めちゃタフ仕様追加の「超人気モデル」に未だ反響多数
くるまのニュース
ハスクバーナ2025年モデルのエンデューロマシン国内導入発表 2スト含め計6機種
ハスクバーナ2025年モデルのエンデューロマシン国内導入発表 2スト含め計6機種
バイクのニュース
日産エクストレイルについて解説! VCターボエンジンと進化したプロパイロット搭載で話題のSUVとは
日産エクストレイルについて解説! VCターボエンジンと進化したプロパイロット搭載で話題のSUVとは
WEB CARTOP
メルセデス・ベンツの新世代2ドアクーペのCLEクーペに高性能バージョンの「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+クーペ」を設定
メルセデス・ベンツの新世代2ドアクーペのCLEクーペに高性能バージョンの「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+クーペ」を設定
カー・アンド・ドライバー
エネチェンジの不正会計処理、「隠蔽認められず」も城口CEOに不適切な言動 調査委員会が報告書
エネチェンジの不正会計処理、「隠蔽認められず」も城口CEOに不適切な言動 調査委員会が報告書
日刊自動車新聞
ミッドシップの新スポーツカー、ホンダ NS-Xとは[driver 1989年3-20号より]
ミッドシップの新スポーツカー、ホンダ NS-Xとは[driver 1989年3-20号より]
driver@web
【未来予想図】VW製クーペルックSUV 次世代T-Rocはこうなる 新型VW T-Rocの未来予想図とその初期情報をお届け!
【未来予想図】VW製クーペルックSUV 次世代T-Rocはこうなる 新型VW T-Rocの未来予想図とその初期情報をお届け!
AutoBild Japan
【ホンダ フリード 新型】e:HEVを初搭載、2タイプ設定で価格は250万8000円から
【ホンダ フリード 新型】e:HEVを初搭載、2タイプ設定で価格は250万8000円から
レスポンス
圏央道「成田空港東IC」実現なるか!? 空港”大規模拡張”に合わせ「新ターミナル直結」千葉県が国へ協力要望
圏央道「成田空港東IC」実現なるか!? 空港”大規模拡張”に合わせ「新ターミナル直結」千葉県が国へ協力要望
くるまのニュース
“鉄の女たち”が無念の撤退。クラッシュ後に搬送されたサラ・ボビーの回復を優先/スパ24時間
“鉄の女たち”が無念の撤退。クラッシュ後に搬送されたサラ・ボビーの回復を優先/スパ24時間
AUTOSPORT web
ホンダ 3台目のフリード登場 コンパクトミニバンは見た目と使い勝手を熟成
ホンダ 3台目のフリード登場 コンパクトミニバンは見た目と使い勝手を熟成
Auto Prove
ALCANTARA®の革新的ラグジュアリー、第18回北京モーターショーに出展
ALCANTARA®の革新的ラグジュアリー、第18回北京モーターショーに出展
カー・アンド・ドライバー
タクシー運転士が「怖いおじさん」だったのは昔の話! それでも「マイナスイメージ」を抱かれ気味な理由とは
タクシー運転士が「怖いおじさん」だったのは昔の話! それでも「マイナスイメージ」を抱かれ気味な理由とは
WEB CARTOP

みんなのコメント

13件
  • 普通のステージア乗ってますが、部品の製廃がスカイラインに比べ多い気がします。
  • 一世を風靡ってほどでもない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

281.4360.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.8850.0万円

中古車を検索
ステージアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

281.4360.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.8850.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村