現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ100万円以下の軽自動車激減? 小型車とのポジションが逆転した理由とは

ここから本文です

なぜ100万円以下の軽自動車激減? 小型車とのポジションが逆転した理由とは

掲載 更新
なぜ100万円以下の軽自動車激減? 小型車とのポジションが逆転した理由とは

■軽自動車と普通車に起きている逆転現象とは

 一昔前まで、軽自動車といえば安く購入できる代わりに、普通車に比べて安全・快適装備が少なく近場での利用がメインなクルマでした。

えっ、これが軽自動車の値段!? 200万円超もある高額軽自動車5選

 しかし、最近の軽自動車は普通車に引けを取らないほど装備・機能が充実し、軽自動車の価格も年々上昇傾向です。いまや200万円近いモデルも存在するため、普通車との差別化が難しくなっていますが、なぜ軽自動車は上級志向の市場に路線変更したのでしょうか。

 2018年1月から12月の国内新車販売台数(軽を含む)では、ホンダの軽自動車「N-BOX」が24万1870台を販売して2年連続のトップとなり、販売台数の上位10車種のうち軽自動車が7車種を占めるなど、日本の新車市場では「軽自動車」の人気が高まっています。

 また、自動車検査登録情報協会の調査によると、軽自動車の保有台数は2000年に2000万台、2018年には3000万台以上と、軽自動車は自動車の総保有台数において約4割を占め、「通勤・通学」や「買物・送迎」といった日常にはなくてはならない存在となりました。

 これほどまでに人気が高まった理由には、軽自動車の上級化があります。一昔前まで、軽自動車は万が一の事故時の安全性にマイナスなイメージがありました。

 しかし、売れ筋のN-BOXには安全運転支援システム「ホンダセンシング」、スズキ「スペーシア」は予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」など、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などの安全機能が標準装備化することで、マイナスなイメージが無くなりつつあります。

 また、2019年3月に日産と三菱が共同開発した「デイズ」「eKシリーズ」には、高速道路同一車線運転支援技術「プロパイロット(三菱はマイパイロット)」を搭載するなど、運転時の快適性も格段に向上しています。

 最近の軽自動車について、日産の販売店スタッフは次のように話します。

「ここ数年で軽自動車は、走行性能・安全機能・快適装備などあらゆる面で普通車と変わらなくなっています。また、弊社に限っていえば『マーチ』や『キューブ』といった小型車がありますが、どちらも古いモデルといえ、新型『デイズ』と価格帯やパッケージで比べると見劣りします。

 また、軽自動車最大の魅力といえる維持費の安さもあって、他社も含めて100万円台から設定される普通車のポジションが奪われつつあるように思います」

※ ※ ※

 実際に、価格帯(消費税込み)では、マーチ(115万1280円から)に対して、デイズ(127万3320円)と軽自動車と普通車の価格で逆転現象が起きているのです。

 この理由について、前出の販売店スタッフは「軽自動車の安全面で車体自体の構造が大きく進化したこと、安全装備の標準装備化などが最大の要因です」と話しています。

■100万円以下の軽自動車はわずか数車種

 軽自動車の上級化にともない、200万円超えのモデルも存在しています。一昔前では、当たり前だった100万円以下の軽自動車はどのくらいあるのでしょうか。

 2019年6月現在、軽自動車市場には約40車種以上のモデルがラインナップされています。そのなかで、ベースグレードが100万円以下(消費税込み)の乗用車モデルは、スズキ「アルト(84万7800円)」、マツダ「キャロル(84万7800円)」、ダイハツ「ミラ イース(84万2200円)」、トヨタ「ピクシス エポック(84万2400円)」、スバル「プレオ プラス(89万6400円)」の5車種のみです。

 商用車であれば、軽トラックや商用バンなどありますが、乗用車モデルは限られた車種のみとなり、トヨタ「ピクシス エポック」とスバル「プレオ プラス」は、ダイハツ「ミラ イース」のOEM車。また、マツダ「キャロル」は、スズキ「アルト」のOEM車となります。

 スズキの初代「アルト」は、1979年に47万円という低価格で発売され、話題となった軽の名車です。当時の水準でも安い価格は、徹底したコスト削減により実現していました。

 しかし、アルトは安かろう悪かろうではなく2018年12月には、一部改良を実施して「安全性の高さ」に対するユーザーニーズの高まりに対応するため、「スズキ セーフティ サポート」の機能充実に力を入れています。

 スズキの販売店スタッフは、アルトについて次のように話します。

「アルトは、運転のしやすさや使い勝手、安全性、経済性などを備えたモデルとして、1979年の登場以来、8世代に渡って進化してきました。累計販売台数は、スズキ車国内最多の514万台に達するなど、スズキを代表する軽自動車として愛されています。

 2019年で40周年を迎え、同年6月13には『40周年記念特別仕様車 Lリミテッド』を発売するなど、さまざまな進化をしつつも、歴史を大切にしているクルマです」

※ ※ ※

 時代背景による安全意識の向上や先進技術の進化など、クルマを取り巻く環境は日々進化しています。そのなかで、軽自動車という手頃な存在感を残しつつも、時代に沿った上級化が必要といえます。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
日刊自動車新聞
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
くるまのニュース
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
motorsport.com 日本版
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

106.5125.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

3.0308.0万円

中古車を検索
アルトの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

106.5125.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

3.0308.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村