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ご先祖の面影まるでナシ! コンセプトがガラッと変わった車5選

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ご先祖の面影まるでナシ! コンセプトがガラッと変わった車5選

■途中で大きく方向転換したクルマを振り返る

 毎年、数多くの新型車が各メーカーから発売されますが、新型車の開発をおこなう際に、一番大事な作業といえは明確なコンセプトを決めることです。そのクルマのコンセプトが決まってないと、設計やデザインはできません。

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 長い歴史があるクルマではコンセプトが継承され、歴代モデルで踏襲しているのが一般的ですが、なかにはモデルチェンジでコンセプトが大きく変わるクルマも存在。

 そこで、当初のコンセプトから変わってしまったモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「レパード」

 1980年に登場した日産初代「レパード」は、「スカイライン」や「ローレル」とは大きく異なる斬新なスタイリングの、4ドア/2ドアハードトップボディをラインナップする新型スペシャリティカーとしてデビュー。

 1986年に発売された2代目では、当時大人気だったトヨタ「ソアラ」を意識したかのような2ドアクーペボディに一新されます。

 トップグレードには最高出力255馬力を誇る3リッターV型6気筒ターボエンジンを搭載し、TVドラマシリーズ「あぶない刑事」の劇中車として使用されたこともあって、若者を中心に人気が高まりました。

 そして、1992年に登場した3代目にあたる「レパードJ.フェリー」は、2代目の2ドアクーペとは異なり、「クラウン」や「セルシオ」をライバルとした高級4ドアセダンに変貌。

 エンジンはトップグレードに最高出力270馬力を発揮する4.1リッターV型8気筒を搭載し、ほかに200馬力の3リッターV型6気筒が設定され、質の高いドライブフィーリングを実現。

 北米市場ではインフィニティブランド初のEセグメントセダンとして投入されましたが、日本では高額な車両価格と「尻下がり」が特徴的なトランクまわりのデザインが不評で、一気に不人気車となってしまいました。

 1996年に発売された4代目は「セドリック/グロリア」のコンポーネンツを流用して開発され、比較的オーソドックスなデザインのセダンに改められ、車名もレパードに戻されます。

 しかし、販売台数は好転せず1999年に生産を終了し、レパードの歴史に幕を閉じました。

●ホンダ「インサイト」

 1999年にホンダは、世界最高水準の低燃費を実現したハイブリッド専用車の初代「インサイト」を発売しました。

 パワーユニットは1リッター直列3気筒VTECエンジンに、アシスト用モーターを組み合わせた「ホンダIMA(インテグレーテッド モーター アシスト)システム」というパラレル式ハイブリッドシステムを搭載し、発売時点ではトヨタ初代「プリウス」を抜いて、量産ガソリン車として世界最高の低燃費35km/L(10・15モード)を達成しました。

 この低燃費を実現するために2名乗車とし、アルミ製モノコックシャシやアルミと樹脂を組み合わせたボディパネルを採用して、車両重量は800kg台前半に抑え、外装も空力性能を重視したデザインを採用。

 当時のホンダが持つ技術を、余すことなく投入したクルマでしたが、2名乗車では一部のユーザーからしか受け入れられず、2006年に販売終了となります。

 その後ブランクを挟んで2009年に登場した2代目インサイトは、プリウスに対抗するために5人乗りの5ドアハッチバックに変貌しました。

「フィット」のコンポーネンツを流用しながらも徹底的に軽量化し、1.3リッター直列4気筒i-VTEC+アシスト用モーターを搭載。

 低価格化も進めた結果、3代目プリウス発売直前の2009年4月度の販売台数で、ハイブリッド車で初めて月間販売台数第1位となりました。

 しかし、さらに燃費性能を高めた3代目プリウスにかなわず、2014年に販売を終了。

 そして再度のブランクののち、2018年に発売された3代目インサイトは「シビック ハイブリッド」の後継車としてデビューし、大柄な4ドアセダンとなりました。

 ボディサイズは全長4675mm×全幅1820mm×全高1410mm、車重は1370kgから1400kgと同クラスのハイブリッド車では比較的軽量といえます。

 しかし、インサイトの燃費は28.4km/L(WLTCモード、LXグレード)で、現行モデルのプリウスの32.1km/L(WLTCモード、Eグレード)に水をあけられている状況です。

 ストイックなまでに燃費を追求していた初代の面影はありません。

●スバル「インプレッサ」

 1989年に発売されたスバル初代「レガシィ」は、「レオーネ」の後継車という位置付けでしたが、車格的にはレオーネより上のクルマでした。

 そこで1992年に、より小型のモデルとして「インプレッサ」がデビュー。

 ボディタイプはセダンとステーションワゴンで、「レガシィRS」に代わってWRC(世界ラリー選手権)に参戦するための高性能グレード「WRX」も用意され話題となります。

 インプレッサは全グレードに、初代レガシィと同じ水平対向4気筒「EJ型」エンジンを搭載し、1.5リッターから2リッターをラインナップ。

 トップグレードのWRXには、240馬力を発揮する2リッター水平対向4気筒ターボエンジンにフルタイム4WDを組み合わせ、高性能な小型セダン/ステーションワゴンというイメージを確立しました。

 その後、2代目、3代目ともにWRCで活躍したインプレッサでしたが、リーマンショックの影響もあり、スバルは2009年にワークス体制によるWRC参戦を終了。

 4代目からはインプレッサの象徴でもある高性能モデルはスバル「WRX」として独立させ、ラインナップは4ドアセダンの「インプレッサ G4」、5ドアハッチバックの「インプレッサ スポーツ」とベーシックなモデルとなり、同じく5代目も高性能なグレードは設定されていません。

■なにもかも変わってしまったモデルたち

●スズキ「セルボ」

 スズキは1971年、軽乗用車の「フロンテ」をベースに、日本初の本格的な軽スポーツカー「フロンテクーペ」を発売。

 360ccで37馬力を発揮する高性能な2サイクル直列3気筒エンジンをリアに搭載していたフロンテクーペですが、軽自動車規格の変更と排出ガス規制の強化もあって、1976年に生産を終了します。

 そして1977年にフロンテクーペのコンセプトを受け継ぎ、新規格に対応したRRのスポーツモデルとして初代「セルボ」が発売されました。

 しかし、550ccの2サイクルエンジンを搭載していたことで、さらなる排出ガス規制の強化によって次世代モデルに移行します。

 そして1982年に、初代「アルト」をベースに開発されFFとなった2代目セルボが登場。フロント部分はアルトに酷似していましたが、ボディはファストバックスタイルの2ドアクーペとされました。

 2代目セルボは初代「アルト」をベースに開発されたため、フロント部分はアルトに酷似していましたが、ボディはファストバックスタイルの2ドアクーペとされました。

 スタイリッシュなフォルムの軽スペシャリティカーとして、2代目セルボは個性的な存在でしたが、1988年に3代目へとモデルチェンジされると、クーペから全高の低いワゴンタイプのボディへと一新。さらに4代目ではオーソドックスなフォルムの2BOXスタイルを採用。

 2006年に登場した5代目は、背の高いトールワゴンに近いスタイルの5ドアハッチバックとなり、2011年に生産を終了しました。

 初代と最終モデルで、これほどまでにコンセプトが変わった国産車は、ほかではシビックくらいでしょうか。

●メルセデス・ベンツ「Aクラス」

 1997年に発売された初代「Aクラス」は、メルセデス・ベンツのエントリーモデルとなるBセグメントサイズの5ドアハッチバックです。

 メルセデス・ベンツ初のFF乗用車であり、同社のモデルのなかではもっとも小さいボディサイズで、ボディ形状はボンネット部分が極端に短く背の高いトールワゴンタイプを採用。

 日本では1998年に発売されると、道路環境にマッチしたサイズに、トールワゴンとして使い勝手も優れ、車両価格が比較的安価ということもあり、一躍人気車となりました。

 2005年に初代からキープコンセプトとした2代目にフルモデルチェンジし、初代と同じくBセグメントのトールワゴンとしてデビュー。

 ところが、2012年に3代目へとフルモデルチェンジされたAクラスは、スポーティなフォルムを持つCセグメントの5ドアハッチバックに、すべてが一新されました。

 2代目までのAクラスはエントリーモデルという位置付けでしたが、3代目では、アウディ「A3」やBMW「1シリーズ」のような、プレミアムなコンパクトカーにコンセプトが変化。超高性能なAMGモデルも追加されました。

 2018年に登場した現行モデルの4代目では、シリーズ初の4ドアセダンが追加されるなど、もはやエントリーモデルといえども初代とは別モノのクルマです。

※ ※ ※

 メーカーがコンセプトを変えることは、決して悪いことではありません。本文中に出てくるシビックやAクラスは、コンセプトを変えたことで大きな成功を収めています。

 代を重ねると経済的な背景やトレンド、ニーズが変化しますので、それに合わせて柔軟に対応することも必要です。

 一方で、日産「フェアレディZ」やポルシェ「911」のように、いま更コンセプトを変えられないクルマもありますが、それはそれで成功しているといえるのではないでしょうか。

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みんなのコメント

5件
  • セルボは「フロンテ(アルト)より、高級な(?)クルマ」な位置付けなので、コンセプトはブレてなかったですね。
  • ホンダではよくある事
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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