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the「燃費」BMW Motorrad現行ラインナップで唯一の単気筒アドベンチャー「G310GS」を実走計測

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the「燃費」BMW Motorrad現行ラインナップで唯一の単気筒アドベンチャー「G310GS」を実走計測

 アドベンチャーバイクが人気です。道さえあれば何所でも行ける走破性、荷物の積載性、快適性に、ロングツーリングに便利な装備。これらがパッケージされた「ツーリングバイク」のことです。排気量1000cc以上や1000cc未満、400ccクラス、そして250ccクラスと、各排気量クラスそれぞれにラインナップされ、メーカーもさまざまです。

 そんな人気カテゴリーから、今回the「燃費」のルートに連れ出したのはアドベンチャーバイク界の老舗、BMWモトラッドが送る「G310GS」です。ネイキッドモデルの「G310R」と車体構成を共有する部分が多く、1250ccと850ccの2段構えだった「GS」シリーズに加わった、普通2輪免許で運転できる「G310GS」は、入門機としてはもちろん、パワーや重量が増える大型モデルと比較して軽く、取り回しがラクなのも魅力です。

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 フロントノーズが特徴的なスタイル、ウインドスクリーン、前後に180mmのストロークを持つサスペンションを装備するなど、オン/オフツアラーとして必須となるGSらしさをしっかり装備したモデルです。

 搭載される排気量312ccの水冷単気筒エンジンは、最高出力25kW/9250rpm、最大トルク28N.m/7250rpmを発揮。最高速143km/hのスペックから想像するWMTCモード値のサブカテゴリーは3-2です。その燃費値は30.3km/lであり、容量11.5リットルの燃料タンクをレギュラーガソリンで満たすと、「G310GS」の行動半径は一体どこまで広がるのでしょうか。

 the「燃費」企画では毎回同じルートを使い、市街地、高速道路、快走路(ツーリング路)という3つのシーンで実走燃費を計測しています。記事中記載の距離、燃費値は、車載のトリップメーターと平均燃費計の値です。なお、「G310GS」の平均燃費計は小数点以下が表示されないため、そのまま掲載しています。

 また、取材時は燃費記録を狙うような走りではなく、交通の流れに合わせ、ツーリング気分で走行しています。

 the「燃費」の市街地計測ルートは、都内外苑周辺をスタートし、国道246号の青山一丁目交差点から赤坂、皇居方向へと走り、桜田門から有楽町方向へ。その途中、丸の内のオフィス街を回り、晴海通りを直進して築地、晴海、そして豊洲を超えて首都高速湾岸線沿いを走る国道357号の東雲付近までの12.1kmを走行します。

「G310GS」のシート高は880mmです。数値的には結構な高さかもしれませんが、筆者(松井勉)の体重(84kg)だと跨がった段階でサスペンションが沈むソフトさを持っています。車体も低重心な印象なのも嬉しいところ。高めのアイポイントが取れるアップライトなポジションも魅力です。

 いつもの市街地ルートはこの日、やや交通量多めでしたが、信号のタイミングがよく停車時間が長くなかったのが幸いしたのか、燃費は33km/lでした。以前テストを行なった、同じエンジンを搭載する「G310R」が27km/lだったことを考えると、良い結果だったと言えます。

 the「燃費」の高速道路計測は次の2ルートで行なっています。区間1は、千葉県のアクアライン連絡道「袖ケ浦IC」から館山道の南端「富浦IC」まで52.8kmの南下ルート。区間2は、快走路(ツーリング路)計測を終えた館山道「富津中央IC」からアクアライン連絡道「木更津金田IC」まで24.9kmの北上ルートです。

 アクアライン連絡道の制限速度は80km/hで、館山道は2車線区間が100km/h、1車線区間では80km/hから70km/hへと変化します。北上ルートでは100km/h制限部分だけを走るので、往路と復路で状況が異なります。また、館山道ではアップダウンが連続するため、燃費的にはキビシイ条件かもしれません。

 市街地燃費計測を終えて木更津へと移動するなか、「G310GS」のウインドスクリーンは小ぶりながらも首都高、アクアラインの移動が快適。走行風を機能的に弱めてくれます。この移動で47km/lと良好な数値をマークしたのは「G310R」と同様で、速度が上がる計測区間ではどうなるのか興味が沸いてきます。

 今回の結果では、南下ルート、北上ルートともに41km/lをマークしました。「G310R」では南下ルートが35km/lで北上ルートが33km/lと、高速道路平均が34km/lだったので、それを大きく上回りました。同じエンジンで車重は「G310GS」の方が11kgも重たいし、ペースも同等……と、好結果だった理由は正直解りませんでした。

 高速道路での南下ルート計測を終えた場所から始まる快走路燃費計測では、合計85.7kmのルートを3区間に分けて計測をしています。

 区間1は「富浦IC」直近のコンビニエンスストアから「安房グリーンライン」などを通り、房総半島南端エリアまでの25.4km。区間2は南端エリアから国道410号、県道34号などを通り、鴨川市にある「大山千枚田」までの34.4km。区間3は「大山千枚田」から県道34号、県道182号「もみじロード」等を走り、館山道「富津中央IC」までの25.3kmです。どの区間にも平坦路、アップダウンとワインディングが半々ほどの割合で混ざり合う、恰好のツーリングルートです。

 排気量312ccのエンジンがもたらす余裕と、単気筒ながら低回転から高回転までスムーズさを失わず、かつパワフルさがあるのが「G310GS」の特長です。これはヨーロッパの高い速度域での移動を前提としているからでしょう。

 だからといって回転を上げないと走らないエンジンではなく、房総半島の一般道をのんびり走る軽トラックを追従していてもギクシャクしません。ワインディング区間では長いサスペンションがしっかりと車体の動きを抑えてくれるので、切り返しや減速、加速を繰り返す場面でも安心感があります。区間3の「もみじロード」では流すようなペースでスイスイと走れて、とても満足感が高いのもでした。

 3区間の燃費結果は、すべて46km/lでした。兄弟モデル「G310R」では燃費平均が41.3km/lだったので、ここでも差が付きました。いずれにしても結果的に良好だったことに間違いありません。

 計測区間175.5kmの平均燃費が42.1km/lとなった「G310GS」ですが、リザーブ容量は1リットルとのことなので、10.5リットルまでガソリンを使えば、400kmを超えるレンジを持つ可能性があることが、今回のテストで解りました。

 燃費はミズモノ、走る場所、環境、走り方でガラリと変わりますが、今回の結果から「G310GS」がアドベンチャーバイクらしい航続距離を持つことは間違いなさそうです。

■BMW Motorrad「G310GS」(2021年型)燃費結果総合評価:☆☆☆☆☆(ホシ5つ)総走行距離:175.5km市街地:33km/l高速道路平均:41km/l快走路平均:46km/l総平均燃費:42.1km/l

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みんなのコメント

1件
  • 俺のs1000xr プレミアムラインより34ミリシート高が高い
    インナーレッグ曲線と間違えてんのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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