1990年代からのステーションワゴンブームがひと段落すると、室内が広く荷物も多く詰めるミニバンの人気が高まりました。
かつてはミニバンでもパワー競争があった!? かつては、1BOX(ワンボックス)と呼ばれていたエンジンがキャビンの下にある商用バンをベースに、乗用車化したものが主流でしたが、前面衝突時の安全確保の観点などから現在ではフロントにエンジンがレイアウトされたものがほとんどです。
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ボディサイズは取り回しのしやすいコンパクトなものや、装備が充実して大きさも価格も高級車並みのモデルまでさまざまですが、ミニバンは家族連れでドライブや買い物を楽しむユーザーに広く受け入れられています。
最近では、余裕ある走りのためにターボエンジンやハイブリッドも増えましたが、なかにはミニバンにこれほどパワーが必要なのか、と思ってしまうようなクルマもあります。
そこで、大パワーなエンジンを搭載した高性能ミニバンを、新旧合わせて5車種紹介します。
●日産「エルグランド 350ハイウェイスター」280馬力
高級ミニバンの日産「エルグランド」は「Z33型 フェアレディZ」と共通のエンジンを搭載 1997年に発売された日産「エルグランド」は、広い室内空間とモダンなインテリアで人気となったワンボックス型の最高級ミニバンです。
トップグレードには本革シート、オートスライドドアなどを装備し、電子制御サスペンションやツインモニターTVなどもオプションで用意するなど、快適な移動空間として好調な販売実績を残しました。
初代は商用バンの派生車種ということで、商用車の名残も感じられましたが、2代目では両側スライドドアの採用や、オーテックジャパンの手による別仕様車「ライダー)」や「VIP仕様車」などを投入し、高級ミニバンらしさを演出。
2010年に駆動方式がFRからFFになった3代目エルグランドが登場。FFベースとなったことで室内の低床化が可能になり、2代目よりも全長と全幅を拡大したことと合わせて、室内空間はさらに広く快適になっています。
そしてエンジンも3.5リッターV型6気筒DOHCで、最高出力280馬力/最大トルク35.1kgmと大パワーのユニットを搭載。エクストロニックCVT-M6(6速マニュアルモード付無段変速機)を介して、車両重量2000kgのボディをグイグイと加速させ、高速道路での追越し加速などもストレスを感じることがないほどです。
●ホンダ「エリシオン プレステージ」300馬力
ホンダの高級ミニバン「エリシオン」は「レジェンド」のエンジンを搭載 2004年に発売されたホンダ「エリシオン」も日産「エルグランド」と同様に、広い室内空間を持った高級ミニバンでした。
新開発された低床プラットフォームは「オデッセイ」よりも大きな全長/全幅であっても安定した操縦安定性を持っていました。
デビュー時にラインナップされていた最高出力250馬力の3リッターV型6気筒SOHCエンジンは余裕の走りを見せてくれましたが、160馬力の2.4リッター直列4気筒DOHCエンジン搭載のベーシックグレードでも何不自由なく走らせることが可能でした。
さらに2007年追加の「PRESTIGE(プレステージ)」では、同時期の「レジェンド」と同じ3.5リッターV型6気筒SOHCエンジンを搭載し、そのスペックは最高出力300馬力/最大トルク36.0kgmで、1940kgの車重(PRESTIGE SG・FF)を感じさせない程に軽やかに走らせ、一見すると大人しそうな外観に反して国内ミニバン最速といわれました。
残念ながらエリシオンは2013年に国内販売を終了してしまいましたが、2代目エリシオンは控えめな2.4リッターエンジンを搭載して、5代目オデッセイの兄弟車として、いまも中国で販売されています。
●トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」301馬力
見た目だけでなく走りも強面なトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」 2008年に発売された大型高級ミニバンのトヨタ「アルファード」と「ヴェルファイア」は、シャシや室内装備などを共通化した兄弟車です。
アルファードが上品さを売りにしているのに対して、ヴェルファイアは力強さを感じさせる外観で、若い世代にも人気があります。
アルファードの2018年内の販売数は前年比139.1%と好調で、2018年10月の改良では、パーキングサポートブレーキである「インテリジェントクリアランスソナー」も全車標準装備になっています。
システム最高出力197馬力の2.5リッターエンジン+モーターのハイブリッド「E-Four」(電気式4WD)も魅力的ですが、3.5リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載するグレードは、最高出力301馬力/最大トルク36.8kgmと強力で、「ダイレクトシフト8AT」(8速AT)を介して車両重量2150kgのボディを物ともしない走りを実現しています。
スポーツカーの心臓を持った2台のミニバン●日産「プレーリーリバティ ハイウェイスターGT4」230馬力
大人し目なミニバン日産「プレーリーリバティ」には「シルビア」と同じエンジンを搭載 まだミニバンという呼び方がなかった1982年に日産「プレーリー」は登場しました。両側センターピラーレス構造のスライドドアや、トーションバー・スプリングを横置きにして超低床レイアウトを実現するなど、画期的でチャレンジングなクルマでした。
しかし、低い動力性能などからセールス的には成功せず、2代目以降は「ブルーバード」をベースにした普通のミニバンに生まれ変わりました。
2代目プレーリーのマイナーチェンジで、当時の日産の高性能エンジンである2リッター直列4気筒DOHCのSR20DE型にスイッチ。
1998年に登場した3代目では「アベニール」と共通のサスペンションやパワートレインにあらためられ、車名も「プレーリーリバティ」となり、純正エアロパーツ装着の「ハイウェイスター」も設定されました。
そして1999年、「ハイウェイスター4WD」に、当時「シルビアK’s」や「ブルーバードSSSターボ」に搭載されていた、日産の2リッタークラス最強のパワーユニットSR20DET型エンジンを搭載する「プレーリーリバティ ハイウェイスターGT4」が登場しました。
最高出力230馬力/最大トルク28.0kgmのスペックを持つ2リッター4気筒DOHCターボエンジンは、シルビアのチューニングパーツが流用できたため、ターボのブーストアップなどにより簡単に260馬力程度まで出力を高められたといいます。
日産車好きからは熱い視線が向けられましたが、発表時に販売目標台数が月間200台と記されていたため、決して多くの台数が販売されたわけでなく、いまとなっては非常にレアなクルマになっています。
●三菱「シャリオ リゾートランナーGT」230馬力
三菱「シャリオ」には「ランサーエボリューション」と共通エンジンを搭載 1983年に発売された三菱「シャリオ」は、日産「プレーリー」と同様に2ボックスボディに3列シートを備えたミニバンの先駆けともいえるクルマでした。
デビュー時の駆動方式はFFのみでしたが、後にパートタイム4WDが追加され、その後にはビスカスカップリング式フルタイム4WDへと進化。国内仕様の「ランサーターボ」と同じ1.8リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載したモデルも存在しました。
1991年には「RVR」と主要コンポーネンツを共有する兄弟車となった2代目シャリオが登場。多彩なシートアレンジなど使い勝手の良さや、ミニバンという呼び名が定着しはじめたこともあり、日常でシャリオを目にすることが増えました。
1995年には、ハイルーフに前席チルトアップガラスルーフを備えた「リゾートランナーシリーズ」に、当時の三菱車で最もスポーティなパワーユニットだった「ランサーエボリューション」と同じ2リッター直列4気筒DOHCインタークーラーターボの4G63型エンジンを搭載した「リゾートランナーGT」が追加ラインナップされました。
最高出力230馬力/最大トルク29.5kgm(5MT車)のスペックは、ランサーエボリューションよりはマイルドでしたが、ミニバンとは思えない鋭い加速を見せてくれました。
このクルマも販売数は多くなかったため非常に稀少な存在で、いまでは滅多に見かけることはありません。
※ ※ ※
今回、紹介したプレーリーリバティやシャリオのようなクルマは、ミニバンが成長過程にあった時代のものです。
本来、ミニバンに必要以上の動力性能はいらないのですが、こんなマニアックなミニバンが、かつては存在していまいた。
それだけ、メーカーも余裕があったということではないでしょうか。
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