ピレリはイタリアのムジェロ・サーキットで、フェラーリと共に2日間のタイヤテストを実施した。2日目はレギュラードライバーのカルロス・サインツJr.、またリザーブドライバーのオリバー・ベアマンが今季マシンSF-24を駆り、2025年用タイヤの開発のため走行を行なった。
ムジェロは長いストレートと高速コーナーのシケインが組み合わされた特殊なコースレイアウトを持つことから、ピレリはタイヤのオーバーヒートを抑えるために開発した硬めのコンパウンドと構造のテストを実施した。
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サインツJr.はピレリのエンジニアが計画したプログラムを実施し、135周(707km)を走行。プロトタイプタイヤ開発に協力した。
「まず、今回テストに協力してくれたスクーデリア・フェラーリHPに改めて感謝したい」
ピレリのモータースポーツディレクターを務めるマリオ・イゾラはそうコメントした。
「今シーズンは非常に緊迫した局面にあり、ふたりのドライバー同席のもとで、再び我々をサポートしてくれたのは大きなコミットメントだ。ムジェロのような美しいサーキットでの2日間は、我々にとって非常に実り多いモノだった。高速で長いコーナーが多いコース構成はタイヤにとっての試練の場であり、ハードコンパウンドのソリューションを試すには理想的なシナリオだった」
「この1337kmで収集されたデータは非常に興味深く、最も効果的なソリューションを絞り込むことができ、今後数ヵ月で最終的な選択をすることができるだろう」
「そして我々のテストプログラムはこれから、グランプリの翌日からグランプリで使用されたサーキットを走る機会を活用する方式に戻る。実際、イギリスGPの直後にはシルバーストンで、ベルギーGPの直後にはスパでテストを行なう予定だ」
ムジェロでの2日間はピレリにとって非常に有益なモノだったが、カナダGPでダブルリタイアと無残な結果に終わったフェラーリにとっても良いモノだった。実際、ムジェロは次戦スペインGPの舞台となるカタルニア・サーキットと良く似た特性を持っている。
シャルル・ルクレールが担当した6月13日(木)のテスト初日には土砂降りの雨に見舞われ、おかげでピレリはウエットタイヤ、インターミディエイトタイヤの追加テストを行なうことができた。
翌日のテスト2日目は午前中こそ曇り空だったものの、その後は温かい日差しが降り注いだ。
サインツJr.に加えて、この日にはベアマンが現行規則初年度となる2022年マシンF1-75でドライブ。シミュレータでのSF-24開発に貢献するためのトレーニングに加え、スペインGPで予定されているハースでのFP1出走に向けた準備を行なった。
今年FIA F2に参戦するベアマンは、サウジアラビアGPでサインツJr.の代役としてフェラーリからF1デビューを果たし、トラブルフリーの週末を過ごして7位入賞した。
ベアマンは今季、ハースからシーズン中に6回のフリー走行に出走する予定となっており、既にエミリア・ロマーニャGPで出走。来季はハースからF1デビューを果たすシナリオが濃厚と考えられており、今後はスペインGP、イギリスGP、ハンガリーGP、メキシコシティGP、アブダビGPでもFP1出走の機会を得られるようだ。
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