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【MotoE第4戦オランダ大会】ドゥカティ「V21L」への改善を見出したい大久保光選手 サマーブレイクで浮上のきっかけをつかむか?

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【MotoE第4戦オランダ大会】ドゥカティ「V21L」への改善を見出したい大久保光選手 サマーブレイクで浮上のきっかけをつかむか?

 電動バイクレース『FIM Enel MotoE World Championship』(以下、MotoE)は、電動バイクによって争われる選手権です。2023年シーズンはドゥカティがマシンサプライヤーとなり、MotoEのために開発された電動レーサー「V21L」が供給されています。各大会はMotoGPのヨーロッパ開催グランプリに併催で、1大会2レースが行なわれ、今季は全8戦16レースが予定されています。

 日本人で唯一MotoEに参戦し続け、3年目となる大久保光選手は、新開発の電動レーサーに苦戦していました。オランダ大会では予選で13番手、レース1は14位、レース2は12位という結果に終わります。2022年シーズンは3位がベストリザルト、トップ5付近でのレースを繰り広げてきたことを考えれば、今季は厳しい戦いを強いられています。

ドゥカティの電動レーサー「V21L」の正体とは!? 従来モデルから22kgの軽量化を実現

「ベストは尽くしたんですけど、全然だめでしたね……」と、レースを終えた大久保選手は力なく苦笑いします。

 大久保選手のライディングが「V21L」に合わず、加えて、車格が2022年までのMotoEマシン、エネルジカ「エゴ・コルサ」よりも一回りほど大きくなったことが影響していました。

 苦戦にはさらに理由がありました。現在のMotoEマシンは、変更できる範囲が非常に狭いのです。「V21L」として1年目のシーズンのため、トラブルの回避や、ライダーやチームがドゥカティの電動レーサーに慣れることがその目的だと推察されますが、ライダーとしてはほとんど自分に合わせたバイクにセッティングをせずに戦わなくてはならないということです。

「バイクはいろいろ変えられるようにはなっているんですが、今のレギュレーションでは変えちゃいけないので人間がどうにかしなきゃいけないんです。それにバイクがエネルジカよりも大きくなっているので、体の小さなライダーが昨年よりもすごく苦労しています。僕はMotoEライダーの中で2番目に小柄なので」

「(アッセンのコースレイアウトは)切り返しは少ないですけど、長いコーナーが多いんですよ。そこで安定させられる、させられない、という差が出るんです。(体が小さいと)どれだけバイクを動かしても、動かしきれないんです。人間の重心がいちばん動くでしょう。それでバイクを制御しきれないんです」

 変更できるところと言えば、サスペンションのセッティングとなります。ただ、ここには別の問題があるのです。

 MotoEの走行時間はバッテリー容量の関係で、例えばMotoGPクラスやMoto2、Moto3クラスに比べて極端に短く、金曜日に行なわれる2回のプラクティスは各15分、予選は各10分、たったこれだけの走行時間で、土曜日のレースに挑まなくてはならないのです。当然、挑戦的なセッティングの変更はしづらくなります。

 確かに厳しい状況ではありますが、「あきらめずにシルバーストンに向けて頑張りたいです」と、レース後に語っていた大久保選手。サマーブレイクに向けて日本でのトレーニング用バイクを準備しており、「サマーブレイクでそのバイクで走りこんで、シルバーストンに向けて良いきっかけになればと思います」と、コメントしていました。

 MotoE第5戦イギリス大会は、MotoGP第9戦イギリスGPに併催で8月4日と5日にシルバーストン・サーキットで行なわれます。MotoEとしては、初めて海を越えて開催される大会となります。

■FIM Enel MotoE World Championshipとは…… 2019年にスタートした電動バイクによるチャンピオンシップ。2019年から2022年まではWorld Cup(ワールドカップ)として開催されていたが、2023年よりWorld Championship(世界選手権)となった。MotoGPのヨーロッパ開催グランプリのうち数戦に併催され、2023年シーズンは土曜日に各2レース開催で全8戦16レースが予定されている。バイクはドゥカティ「V21L」のワンメイクで、タイヤはミシュラン。9チーム18名のライダーが参戦し、日本人ライダーとしては大久保光選手がエントリーしている。

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