2024年の日本国内のミドルフォーミュラ界では、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権とFIA-F4で、同じシリーズチャンピオンが誕生した。スーパーフォーミュラ・ライツではマスタークラスで、FIA-F4ではインディペンデントクラスでチャンピオンを獲得したDRAGONだ。今季はダブルタイトルに加え、組田龍司総代表として率いるB-MAX RACING TEAMが2カテゴリーで6タイトルを獲得する、この上ない一年となった。
両シリーズで実況を務めるサネカタイッセイさんをして『ミドルフォーミュラのキング』の異名をとるDRAGON。そのチャレンジスピリットは57歳となった2024年も尽きることはなく、7月19~21日に行われたスーパーフォーミュラ・ライツ第4大会では全日本F3選手権/スーパーフォーミュラ・ライツ参戦200戦という偉業を成し遂げた。
DRAGONが全日本F3/SFライツ参戦200戦を達成。ライツへの思いとこれからの“夢”
そんな一年は、DRAGONにとって、そしてB-MAX RACING TEAMにとって最良の一年となった。スーパーフォーミュラ・ライツでは小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)がチャンピオンを獲得。さらに自らがマスタークラスのチャンピオンをつかんだ。
そして12月7~8日に行われたFIA-F4第7戦/第8戦では、第7戦こそ130Rでストップを喫してしまったものの、第8戦では3位でフィニッシュ。202ポイントに得点を伸ばし、199.5点を獲得していた今田信宏を振り切りインディペンデントクラスのチャンピオンを決めた。名実ともに『ミドルフォーミュラのキング』となった一年だった。
またFIA-F4では、野村勇斗がドライバーズチャンピオンを、HFDP WITH B-MAX RACING RACINGがチームチャンピオンを獲得。DRAGONと今田を擁したB-MAX RACING TEAMがインディペンデントクラスのチームチャンピオンも獲得し、4冠を達成。スーパーフォーミュラ・ライツの2冠とともに6タイトルを制した。
残念ながらスーパーフォーミュラ・ライツのチームタイトルはTOM’Sが獲得したが、B-MAX RACING TEAMとしては若手は2台のみ。「そこはやはり数の論理がありますからね。速いドライバーが4名(TOM’S)と2名(B-MAX RACING TEAM)では、誰かが上に来てしまいますから。でも、もともとドライバーチャンピオンがメインの目的ですからね」とDRAGONはそんなシーズンを振り返った。
「でもスーパーGTでも圧倒的な成績でチャンピオンを獲り、スーパーフォーミュラでもチャンピオンを獲ったTOM’Sさんを相手にして、こうしてスーパーフォーミュラ・ライツとFIA-F4でチャンピオンを獲れたので、良い一年だったと思います」
また、自身のFIA-F4チャンピオンについては「ライツは長くやっているので、道理が分かってはいたのですが、FIA-F4については、実はフル参戦は今年が初めてだったんですよ。みんなから長くやっているように見られがちだったんですが(笑)、そういう意味では今年絶対にタイトル獲ってやると思っていたんです」という。
「土曜にああいうこと(130Rでのストップ)をやらかしたりして、正直ちょっとメンタルが厳しかったんですが(苦笑)、僕がコケたとしてもチームメイトの今田さんにしか逆転チャンピオンの権利がなかったので、チームとしては良い状況での大会だったんです」
スーパー耐久でも証明されているとおり、今田はジェントルマンドライバーとしてはトップクラスの実力をもつ。そんな今田を相手に、スーパーフォーミュラ・ライツでもFIA-F4でもタイトルを獲り、DRAGONは記念すべき一年に華を添えた。
「お互い負けたくない気持ちがありましたしね。それに今年から、インディペンデントクラスがJAFの公認クラスになったので、名前も残るようになりましたから。その初代チャンピオンになれたことは嬉しいですね」
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