■欧州を意識し開発されたプレミアムスポーツタイヤ
ブリヂストンから、同社のスポーツタイヤブランドであるポテンザの名前をかざしたプレミアムスポーツタイヤ「ポテンザS007A」が登場しました。
世界では依然としてプレミアムカーの高性能競争が盛んで、いまや500馬力、600馬力クラスのハイパフォーマンスカーがゴロゴロいます。ポテンザS007Aはそんなプレミアムカーをターゲントの中心に置いて開発したプレミアムスポーツタイヤです。
タイヤの顔であるトレッドデザインは、4本の太い縦溝を基調にしたもので、タイヤ中央に3本のブロック列(リブといいます)が配置されているのが特長です。雨降り時の排水を考えると横方向にも溝を作ったほうが有利なのですが、横溝からタイヤノイズが漏れて騒がしくなってしまいます。
欧州では通過騒音の規制が厳しく、一定の基準を満たしていないと販売できないので、欧州向けを意識したタイヤはノイズを抑えるため縦溝主体のデザインが多く、これが現在のトレッドデザインの流行りにもなっています。
一見すると平凡な(?)顔つきですが、アルティメット・アイという、走行状態を可視化できるブリヂストン独自のタイヤ開発技術を駆使して細かなチューニングが施されています。例えばリブのエッジが丸められ(リブの)接地面圧が均一になるように設計されていたり、リブを太く(最適化)して手応えを良くしたりといったものです。
タイヤ構造も、タイヤ断面形状を丸みを帯びた形状(=タイヤプロファイル)に設計することで手応えを良くしたり、タイヤの足首ともいえるホールとの嵌合(カンゴウ)部分(=ビード部)にアラミド製の布を補強材として巻くことで、応答性を高めたり、タイヤの…樽で言うタガに相当するベルト部(トレッド面の底部)にアラミドとナイロンを縒って作ったベルトを巻くことで、ケース(骨格)剛性を高めるなど、ハイパフォーマンスカーの性能を受け止めるために様々な技術やノウハウが込められているんです。
PSタイヤ開発第一部課長の永井秀さんは、S007A開発のポイントについて、「ポテンザへの期待は高いドライ性能にありますから、接地性を高めるためにケース剛性を上げています」と言っています。
■しっとりした粘着感で手応えの良さと乗り心地や安心感が向上
試乗してまず感じたのは、手応えの良さと乗り心地の良さでした。あれ、ケース剛性は? と思われるかもしれませんが、キュッとした引締まったケースがベースにあっての手応えの良さと乗り心地の良さなんです。
手応えの良さというのはハンドルの手応えの事で、まっすぐ走っているときも、ちゃんとタイヤが路面をとらえている適度な重さが手元にあるんです。そしてハンドルを切りだすと、遅れなくスーッと曲がり出してくれます。
タイヤのラウンドプロファイルによってセンターリブ(タイヤ真ん中のブロック列)にしっかり面圧がかかっているからなのだと思います。それから、ハンドルを切り出した時、遅れなく応答(≒反応)が出るのは、センターリブのブロック剛性が高いことと、ビード部のねじり剛性を上げたことも効いているのでしょう。これは100km/h以上の速いスピードで走っても同様です。
タイヤのアソビが少なめで、ハンドルを切った通りにクルマがスーッと曲がってくれる感覚が得られました。
また、タイヤが転がっていく時、しっとりと路面をとらえる感じの乗り味を出してくれるのもラウンドプロファイルの陰の効果の一つです。滑らかなタイヤの転がり感があり、引締まってはいますが、上質な乗り心地です。
グリップ性能はどうかというと、先代モデルとなるS001と比べると1ランクグリップしてくれる感じです。しかもS001はちょっと乾いた感じのグリップ感だったのですが、S007Aはしっとりした粘着感のあるもので、このグリップの感触も安心感があって好ましいものだと思います。
ウエット路面も試してみました。ウエット路面を走って感心したのは、タイヤが路面にしっかり押し付けられ路面とコンタクトしている感触がちゃんとあることです。これもラウンドブロックと接地面圧の高いセンターリブがいい仕事をしているのでしょう。
ウエット路面を走ると、ちゃんと曲がっているときでも、横に軽く滑っているような滑り要素が少し含まれているのですが、それがかなり少ないのです。ですからハンドルを切ると乾いた舗装路と同じ…とは言いませんが、それに近い感じでハンドルが効きます。これがウエット路面を走る時の大きな安心感につながっています。
今回試乗したクルマは、アウディA4、メルセデスベンツE200、ジャガーXE、トヨタ86、レクサスIS300hが用意されていましたが、いずれも足回りが比較的しっかりしたクルマばかりです。
S007Aは上質感のあるプレミアムタイヤですが、ブリヂストンがプレミアムスポーツと言っているとおり、そのクルマの運動性能を引き出し、あるいはハイパワーを受け止めることを目的に作られているので、ある程度足回りがしっかりしたクルマとの相性がいいようです。またそうしたクルマに乗っている方には、次に履くタイヤの候補の一つとして考えてみてはどうでしょう。
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