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ロールス・ロイス・ゴースト・ブラックバッジへ試乗 ロー・モードで29ps増し

掲載 更新 6
ロールス・ロイス・ゴースト・ブラックバッジへ試乗 ロー・モードで29ps増し

若い富裕に選ばれるブラックバッジ

執筆:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)

【画像】英国の最上級 ロールス・ロイス マイバッハ、ベントレーと比較 全131枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


英国高級車の代名詞といえる、ロールス・ロイス。現在の購入者の平均年齢は、若干43歳なのだという。BMWグループに属するブランド全体で計算した平均年齢より若い。

若い富裕層に選ばれるロールス・ロイスという現象は、5年ほど前に始まっている。ブラックバッジと呼ばれる、特別なグレードの投入がきっかけだったようだ。新興国の大都市圏で増えるリッチな人の心を、黒いコーディネートが掴んだのだろう。

ブラックバッジと呼ばれる仕様が登場したのは、2016年のロールス・ロイス・レイスから。そして今回、2代目へ進化したゴーストにも追加された。

このブラックバッジは、ボディを漆黒の塗装で仕上げたり、光沢を抑えたスポーティな装飾でドレスアップされるだけではない。ノーマルのゴーストにプラスのパワーが与えられ、いわゆるスポーツ・モードが追加される。

ボディの要所要所にあしらわれる、トリム類はクロム仕上げ。しかしコーティング素材の成分を調整し、明るさを抑えている。大きなパルテノングリルや、その頂上を飾るスピリット・オブ・エクスタシーなどを観察すると、違いがわかりやすい。

ボディは、ロールス・ロイスが用意する4万4000種類の選択肢からお望みの塗装が選べる。だが、ブラックが最も人気の色なのだそうだ。

ロー・モードで29psと5.1kg-m増し

今回の試乗は、珍しく夜間に行われた。ゴースト・ブラックバッジが世界発表される前だったから、人目を避ける狙いもあったのだろう。

追加された新しいドライブモードによって、V12エンジンや8速ATのレスポンスがシャープに変化する。だが、ロールス・ロイスはスポーツとは呼ばない。ロー・モードという名前で、シフトコラムに配されたボタンで切り替えできる。

指定されたスタート地点は、ノーサンプトンシャーにある飛行場の滑走路。モードを変えた時の、発進加速の違いを確かめることから始まった。

ロー・モードを選ぶと、ノーマル・モードより8速ATの変速スピードは50%鋭くなる。6.8LのV型12気筒ツインターボエンジンは、29psと5.1kg-mを多く発揮する。その瞬発力は凄まじく、慣性で筆者の背中は豪華な背もたれに強く押し込まれてしまった。

そこから一般道へ出たが、走れた距離は比較的短かった。オックスフォードの環状線と、そこから広がる一般道を運転させてもらったが、恐らくゴースト・ブラックバッジのオーナーが日常的に走るエリアではないと思う。

普通に運転している限り、通常のゴーストとブラックバッジとの、動的能力の違いは感じられない。といっても、それは極めて極上の体験だ。

ひたすら静かで快適で、洗練されている。全長が500mmほど長い、ファントムより明らかに運転しやすい。特に後輪操舵システムが備わり、全長が5399mmあることを感じさせない扱いやすさがある。ひどく感心させられた。

ファントムと比べても遜色ないインテリア

唯一、ゴースト・ブラックバッジで少し不満に感じたのが、路面の凹凸などを通過した時の衝撃吸収性。外界との隔離感では、最上級とまではいえないかもしれない。だが、秘めた走行性能の水準から考えれば、望外なほど寛容ではある。

インテリアの設えは、ラグジュアリー・サルーンとして非の打ち所がないほど豪奢。ファントムと比べても、遜色はないと思う。ただし夜の運転だったから、視覚的な印象より、肌触りや座り心地などがその中心だったけれど。

最上級の高性能サルーンを考えつつ、より積極的に運転したいオーナーのためのモデルといえる、ロールス・ロイス・ゴーストのブラックバッジ。メルセデスAMG S 65とは違う仕立てにあるが、ロールス・ロイスはそもそも近づけようとは考えていないはず。

ロールス・ロイスの佇まいは、他ブランドのモデルとは一線を画す。進化を続けるブランドへの富裕層からの注目度は高い。新しいブラックバッジも、納車には1年ほど待つとしても、支持を集めるのだろう。

ロールス・ロイス・ゴースト・ブラックバッジ(欧州仕様)のスペック

英国価格:32万5000ポンド(5037万円)
全長:5399mm
全幅:1948mm
全高:1550mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:6.3km/L
CO2排出量:359g/km
車両重量:2490kg
パワートレイン:V型12気筒6749ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:600ps/5000rpm
最大トルク:91.6kg-m/1700-4250rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

6件
  • 知人の5年落ちのゴーストに乗せてもらったが、オレの新型Sクラスがかすんで見えた
    スイッチ、革、座り心地、乗り心地、全てが適わないと思ったよ
    新車は届かないけど中古もありだと思う車だったよ
  • 値段って大事ですね
    ここまでやれば5000万かかりますよ、って言われてる感じがする
    2000万のベンツ、やっぱり2000万ですね、って教えられる車です
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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