開発中止された電動スーパーカー
ドイツの自動車メーカーであるBMWは、ハイブリッド・スーパーカー「i16」のデザインスケッチを初めて公開した。2020年に生産終了したi8の後継として構想されていたが、残念ながら量産化には至らなかった幻のモデルだ。
【画像】幻の「i8」後継スーパーカー、デザインが明らかに【BMW「i16」のスケッチと「i8」を写真で比較】 全34枚
BMWのデザイン責任者であるドマゴイ・ドゥケック氏はSNSにi16の画像を投稿し、1978年のM1以来のM専用モデルとなる可能性があったことを明らかにした。しかし、2020年に発生したパンデミックにより、「残念ながらプロジェクトは中止せざるを得なかった」という。
結果的に、M部門にとって2番目の専用モデルは、i16と大きく異なるスーパーSUVのXMとなった。
i16は、2019年に公開されたコンセプトモデル「ヴィジョンMネクスト」を発展させたものだ。曲線と直線を織り交ぜたシルエット、インテークを備えたリアフェンダー、ルーバー付きのエンジンリッドなどにジョルジェット・ジウジアーロ設計のM1の影響があるという。
i8のコンポジット構造を引き継ぐことで開発コスト削減を図っているが、ハイブリッド・パワートレインも共通化したかどうかは定かではない。
i8はBMW初のPHEVで、1.5L 3気筒ガソリンターボと電気モーターを組み合わせ、合計出力360ps、0-100km/h加速4.3秒のパフォーマンスを実現した。トランスミッショントンネル内にバッテリーを搭載し、電気のみの航続距離は約50kmであった。
i8は2014年から2020年まで生産された後、iX3、i4、iXといった新世代のEVラインナップに道を譲った。
2019年のビジョンMネクスト・コンセプトは、i8の後継車として期待されていたが、研究開発コストの高さと販売ポテンシャルの低さから、量産化計画は棚上げされた。
しかし、M部門を率いるフランク・ファン・ミール社長は2022年、本誌の取材に対し、新型ハイブリッド・スーパーカーについて次のように語っている。
「いつでも検討の余地はあります。クルマに携わる者として、常にそのようなクルマを作ることを夢見ています」
i16は開発中止となったが、同様のモデルについては「アイデアを模索し続けている」という。
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