現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トラックなら乗用車より水素燃料電池車へのシフトが現実的! ただし最大のネックは「水素を作り出す」コスト

ここから本文です

トラックなら乗用車より水素燃料電池車へのシフトが現実的! ただし最大のネックは「水素を作り出す」コスト

掲載 10
トラックなら乗用車より水素燃料電池車へのシフトが現実的! ただし最大のネックは「水素を作り出す」コスト

 この記事をまとめると

■水素のモビリティへの利用が進んでいる

水素かBEVかハイブリッドか? 乗用車同様にトラックも「次世代パワートレイン」の議論が活発!

■東京ではFCバスが走っている

■トラックも水素利用に向いている

 FCトラック普及のハードルは低い

 水素をモビリティに利用するのは、いろいろなハードルがある。水素は自然界に独立して存在しているものではないから、水や油などさまざまなものから取り出す必要があり、その際にはエネルギーを消費する。

 だが、すでにモビリティへの利用は進んでおり、路線バスではすでにFCバスが都内を走りまわっている。今後も水素ステーションを増設して、FCバスの割合を増やす計画もある。すでに東京都内ではFCバスの「トヨタSORA」が路線バスとしてたくさん走っている。利用者のなかにはただのEVバスだと思っている人もいるだろうが、水素を燃料としたFCバスがすでに使われているのだ。

 そんなFCバス以上に水素利用の普及を進めていけるモビリティがトラックだ。定期便のトラックは走行ルートが決まっているため、そのルート上に水素ステーションを設置すれば、運行中に立ち寄って水素を充填しても、時間的なロスが少ない。

 そうでなくても高速道路で結ばれた東名阪(東京・名古屋・大阪)や広島、福岡といった都市部をまわるルートであれば、水素ステーションをインターチェンジ近くに開設すれば水素を補充して運行しやすい。その水素ステーションもトラック用に大流量のディスペンサー(充填用のノズル)を備えた充填機が開発されている。さまざまな使われ方をする乗用車よりも、トラックのほうが普及のハードルはずっと低いのだ。

 いきなり水素を大量に供給できるようになることは難しいから、現在から段階的に水素の生産を増やしていくことになる。けれども再生可能エネルギーによって、水素ステーションごとに水を電気分解して水素を生成し、クルマなどのモビリティに充填させる、なんてのは相当先の夢のような話だ。写真のギガはホンダといすゞが共同開発したFCトラック。これから実証実験が行われていく。

 乗用車やバスで燃料電池が使われているのは、まだそれほど消費量が大きくないから、採算が取れなくても先行投資やイメージ戦略で実施している部分も大きい。しかし、トラックで本格導入すれば、採算が取れなければとても続けていくことはできないから、補助金だけでなく水素の生産や運搬コストも下げていかなければ持続可能性は低いままだ。

 現時点でも、モビリティでの水素利用は、日本国内で消費されている水素の1%程度に過ぎない。赤字で採算が取れない事業なので、水素を普及させるには生産量を増やすのではなく、効率よく水素を作り出す手段、車両に充填する手段を確立することが必要だ。写真のトレーラーは、圧縮水素より安全で効率も高い液化水素を運搬できるよう開発されている。

 日本はそうした水素利用の技術に関しても世界をリードする存在であるから、このまま技術開発を続けて、国内で水素を安定利用することを目指している。それだけでなく、安く生産できるようになり、水素利用の設備などを輸出する産業も発展させていくことが求められるのだ。

こんな記事も読まれています

「こんなにあるんだ?カー用品」amazonブラックフライデー完全攻略!お得にセールを利用するためのコツを解説!ストア対応カー用品メーカー一覧
「こんなにあるんだ?カー用品」amazonブラックフライデー完全攻略!お得にセールを利用するためのコツを解説!ストア対応カー用品メーカー一覧
月刊自家用車WEB
トヨタ「“スライドドア”付きバン」がスゴイ! 全長4.7m級の「ちょうどイイサイズ」! 豪華“木目”内装ד快適”シートの狙い目仕様「ハイエース“ダークプライム”」どんな人が買ってる?
トヨタ「“スライドドア”付きバン」がスゴイ! 全長4.7m級の「ちょうどイイサイズ」! 豪華“木目”内装ד快適”シートの狙い目仕様「ハイエース“ダークプライム”」どんな人が買ってる?
くるまのニュース
運転続行?それとも返納? 技術の進化に“隠れた”「危険運転」! 「高齢運転者」が“直面”している「5つの特徴」とは
運転続行?それとも返納? 技術の進化に“隠れた”「危険運転」! 「高齢運転者」が“直面”している「5つの特徴」とは
くるまのニュース
ハスクバーナ・モーターサイクルズ「ノーデン901」「ノーデン901 エクスペディション」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ハスクバーナ・モーターサイクルズ「ノーデン901」「ノーデン901 エクスペディション」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
天然木材のテーブルが雰囲気抜群! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
天然木材のテーブルが雰囲気抜群! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
EVが内燃車に追いつく日! 2026年、所有コストが同等に――バッテリー急落&中古拡大が生む大転換点とは?
EVが内燃車に追いつく日! 2026年、所有コストが同等に――バッテリー急落&中古拡大が生む大転換点とは?
Merkmal
ついに出た!!!!!!!! 待ってたぞ!! 2L×幌[ロードスター]が登場間近!?
ついに出た!!!!!!!! 待ってたぞ!! 2L×幌[ロードスター]が登場間近!?
ベストカーWeb
ラリージャパン2024の来場者数が発表。4日間合計54万3800人で前年を上回る
ラリージャパン2024の来場者数が発表。4日間合計54万3800人で前年を上回る
AUTOSPORT web
おじさん気軽に投票!! 今年の10台からどれを選ぶ!?  [クルマ総選挙 新車編]最終選考開始
おじさん気軽に投票!! 今年の10台からどれを選ぶ!? [クルマ総選挙 新車編]最終選考開始
ベストカーWeb
燃費はプリウス超え???? [次期型カローラ]は内燃機関の未来を背負って2026年に登場か!!!!
燃費はプリウス超え???? [次期型カローラ]は内燃機関の未来を背負って2026年に登場か!!!!
ベストカーWeb
2025年MotoGP暫定エントリーリストが発表。ヤマハは3年ぶりの4台体制、國井がMoto2へ参戦
2025年MotoGP暫定エントリーリストが発表。ヤマハは3年ぶりの4台体制、國井がMoto2へ参戦
AUTOSPORT web
新型[NSX]は1000馬力オーバーか!? ホンダが全固体電池搭載のハイパーBEVを投入する可能性大 
新型[NSX]は1000馬力オーバーか!? ホンダが全固体電池搭載のハイパーBEVを投入する可能性大 
ベストカーWeb
大ヒット予想!! マツダ[新型CX-5]が超絶進化! ハイブリッドモデル登場でしかも安いなら期待大!!
大ヒット予想!! マツダ[新型CX-5]が超絶進化! ハイブリッドモデル登場でしかも安いなら期待大!!
ベストカーWeb
3万7000台も売れたロールス・ロイス! 10年の予定が30年以上も貢献した「シルバーシャドウ」とは一体どんなクルマだった?
3万7000台も売れたロールス・ロイス! 10年の予定が30年以上も貢献した「シルバーシャドウ」とは一体どんなクルマだった?
Auto Messe Web
トヨタのラリー育成は4名全員がプログラム継続。3期生の松下、後藤はラリー3にステップアップ
トヨタのラリー育成は4名全員がプログラム継続。3期生の松下、後藤はラリー3にステップアップ
AUTOSPORT web
新生EVツーリングカーの2年目に向け、2025年STCCカレンダー発表。ヨーテボリ市街地を含む全5戦に
新生EVツーリングカーの2年目に向け、2025年STCCカレンダー発表。ヨーテボリ市街地を含む全5戦に
AUTOSPORT web
なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
くるまのニュース
エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持
エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

10件
  • cob********
    >トラックなら乗用車より水素…
    このタイトル変
  • kou********
    今はお金がかかってもターコイズ水素製造にまでつながれば、エネルギーのリサイクル循環が生まれ大きな夢と希望がある。紙やプラのリサイクルもお金と手間がかかるが、後世につなぐ大事な取り組みだと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村