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LMDh車両にトラブル多発のデイトナIMSAテスト。信頼性が全チームの頭痛のタネに?

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LMDh車両にトラブル多発のデイトナIMSAテスト。信頼性が全チームの頭痛のタネに?

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦に向けて、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイのロードコースで行なわれた2日間のテストは、GTPクラスを走るLMDh車両が勢ぞろいする初めての機会となった。

 アキュラ『ARX-06』、BMW『MハイブリッドV8』、キャデラック『V-LMDh』、ポルシェ『963』の4メーカーの新しいハイブリッド車両が初めて、同じコースでテストをしたのだ。

■ポルシェ、LMDhマシン『963』のカスタマー供給は4月以降に。サプライチェーンの問題で準備に遅れ

 ただ、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングが走らせるBMW MハイブリッドV8と、チップ・ガナッシ・レーシングのキャデラック1台はテスト開始の時点でまだマシンのビルドアップをしており、走行はテスト2日目になってからだった。

 アキュラのドライバーであるリッキー・テイラーは、「皆が一堂に会するのは素晴らしいことだ」と語った。

「それぞれのクルマが、異なる開発段階にあると思う。クルマがいかに複雑で、その性能をフルに発揮させることがいかに大変なことか、初めて知ることができたと思う」

「クルマの性能は素晴らしいが、信頼性と開発力、スピードとの戦いの連続だ。シーズンの幕開けとなる24時間レースが近づくにつれ、クルマの様々なシステムと戦っているんだ」

 キャデラックのリチャード・ウェストブルックは「正直なところ、最初のレースは信頼性がすべてとなるだろう」と付け加えた。

「まだ誰も、パフォーマンスに集中してはいないと思う。なぜならそれ(信頼性)はすぐに解決できることではないからだ。 新しいクルマは、作業がとても複雑なんだ」

 今回のテストにはLMDh車両9台が参加し、2023年シーズンに向けてのホモロゲーションプロセスの一環となった。しかし、ほぼすべての車両が様々な問題に見舞われガレージで時間を過ごすことになった。そのほとんどが新しい標準ハイブリッドシステムの複雑さに関連するモノだったようだ。

 メイヤー・シャンクのアキュラに乗るエリオ・カストロネベスは、「ハイブリッドカーはとても変わったクルマで、運転していてとても面白い」とmotorsport.comに語った。

「ステアリングホイール上にあるたくさんのテクノロジーと情報を見て、多くのガジェットを学ぶ必要がある」

「ハイブリッドはコンピュータが操作するんだけど、いろいろなことができるようになっていて、その変更にとても敏感に反応することに驚いた。LMDhのステアリングホイールは、今やF1マシンのそれと非常によく似ている」

 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは今年を通して、ボッシュ製MGUが抱えた問題を含むハイブリッドシステムのトラブルシューティングを目的としたテストプログラムを実施してきた。

 今回のテストで発生した技術的な問題はそれとは別物だったものの、システムの変更や世界的なサプライチェーンの問題によるスペアパーツ不足が、全チームにとってプレッシャーとなっているという。

 ポルシェのLMDhプロジェクトチーフ、ウルス・クラトレは次のように説明する。

「ボッシュを責めているわけではないが、それらのパーツは我々や他のOEMに夏のテスト段階で一時的に多くの頭痛の種を与えていた。これらの問題は解決されたが、誰もがサプライチェーンの問題に悩まされており、これは世界共通の問題である」

 ペンスキーのジョナサン・デグッドは、ハイブリッドシステムの問題点について「コンポーネントが統合された結果、ハイブリッドシステムのどこかが故障したり機能しなくなったりすると、クルマがシャットダウンしてしまう」と説明した。

「冗長性がなく、スタートや回生などすべてがハイブリッドに依存しているからだ。故障が発生した場合、単純にスイッチを入れ直してプッシュスタートするわけにはいかない。テストプログラムの開始/停止につながる重要なコンポーネントなんだ」

 新シーズンに向けては、積極的にテストをしてきたポルシェと、テストに3台のマシンを持ち込んだキャデラックがマイレージの面でリードしていると思われるが、デイトナではアキュラが最速だという見方が一般的だった。

 ただし公式計時は行なわれていなかったため、本当の勢力図が分かるのはデイトナ24時間レースの本番まで待たなければならないだろう。そしてその速さを結果につなげられるかどうかは、マシンの信頼性次第となってくる。

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