ゴーストは、ひと目でロールスロイスだとわかる存在感があるが、ブラッグバッジになるとその存在感にダークな美しさが加わっている。(Motor Magazine2023年2月号より)
たとえばドライバーとして・・・エクスクルーシブな世界を存分に味わう
ロールスロイス ブラックバッジ ゴーストの試乗機会を得た。先に結論から書けば、このクルマは、最高のドライバーズカーと最高のショーファーカーという異なるキャラクターを見事に演じてくれた。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
まずはハンドルを握り、東京都内をナイトドライブ。ブラックバッジゴーストには最適のシチュエーションである。走り出すと4WSの効果で、5mを超えるボディサイズを感じない。まるでひとまわり小さいクルマを運転しているようだ。
乗り心地は実に快適。これにはプラナーサスペンションシステム、いわゆるダンパーの中にダンパーを備えた機能が大きく貢献し、魔法の絨毯という表現が相応しい異次元の快適性を味わえる。
エンジンは、ロールスロイスがその数字にこだわった6.75Lの排気量を持つV型12気筒ツインターボエンジン。最高出力はゴーストより29ps高い600ps、最大トルクも50Nm向上した900Nmを発生する。
パフォーマンスは、意図的に右足を深く踏み込めば、V12エンジンが2.5トン以上あるボディを軽々と前へ進めるが、そうした気持ちが少しも起こらない。これもロールスロイスが持つ独特の世界だ。
やっぱり後席におさまり・・・静謐で洗練された至福のひとときを味わう
次に後席でショーファーカーとしての実力も味わった。リクライニングやマッサージ機能に加え、ボタンひとつで左右と後のカーテンの開閉ができ、まるで個室のようになりプライベートを確保できるのである。居心地は良く、あくまで静粛で至福のひとときを与えてくれた。これなら熟睡もできそうだ。否、寝るのがもったいない空間だ。
運転しているときには気づかなかったが、天井に850個の星が散りばめられイルミネーテッドフェイシェアがキラキラと輝いていた。ビスポークによるカスタマイズが可能で、たとえば自分が生まれた日の星空にすることもできるという。
またリアシートには冷蔵庫も用意される。ここは庫内の温度を6度または11度に維持することができるのである。ここで冷えたシャンパンを飲む・・・成功者だけが許された特権である。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:ロールス・ロイス・モーター・カーズ)
ロールスロイス ブラックバッジ ゴースト主要諸元
●全長×全幅×全高:5545×2000×1570mm
●ホイールベース:3295mm
●車両重量:2750kg*5人乗りサンルーフ付
●エンジン:V12DOHCツインターボ
●総排気量:6748cc
●最高出力:441kW(600ps)/5250rpm
●最大トルク:900Nm/1700-4000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
● プレミアム・83L
●タイヤサイズ:前255/45R20、後285/40R20
●車両価格(税込):4480万円
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