人生は選択の連続だ。「あの時あの選択をしていたらどうなっていたんだろう?」と思うようなことがあれば、「あの時決めていたら今頃あんなことに……?」と考え込んでしまうようなこともあったりする。
カーライフにおいても、様々な選択肢がある。新車をどこで買うか、車検をどこに出すか、タイヤはどれにしようか、クルマはどこで売ろうか……なるべくだったら「損」はしたくない。
2018年冬~2020年に続々新型投入!! 三菱・ホンダ・ダイハツ新車の噂を追え!
そこで、よくある「選択肢」の場面と、選択肢それぞれの長所、短所を挙げてみた。皆さんのカーライフに役立てていただければ幸いだ。
※本稿は2018年3月のものです
文:鈴木直也、渡辺陽一郎、永田恵一、ベストカー編集部/写真:Adobe Stock、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2018年4月26日号
■新車購入 どこで買う? の三択
・ディーラーで買う
・低金利ショップで買う
・新古車を買う
コンパクトカーや軽自動車の購入を考えているのであれば、いわゆる『新古車』を第一択に挙げて検討をすることをオススメしたい。
未使用車などとも呼ばれる『新古車』は、メーカー系販売店が販売台数必達のために自社登録などをして、文字どおり未使用のまま自社系列の中古車店に卸したり、最近急増している未使用車専門店などの店頭に並ぶものだ。
専門店を見て回ると、軽自動車についてはワゴンR、ムーヴ、N-WGNやスペーシア、タント、N-BOXといった人気のハイト&スーパーハイト系が充実している。エントリーグレードから中間グレードが特に台数的にも充実していて、ボディカラーもバラエティに富んでいる。コンパクトカーならばスイフトやノートなどが多く、軽同様ボディカラーも豊富に選べる。
価格的には新車価格の15万~20万円程度安い価格が表示されている場合が多い。目の前に展示されている「現物買い」で、ボディカラーや装着オプションなども希望通りとはいかないのだが、逆にいえば、希望に近い仕様の「現物」があれば大いにお得な買い物ができるというわけだ。
ただし絶対に忘れてほしくないのが、“即決せずに、一度必ず同型モデルを新車ディーラーで値引き交渉して見積もりを取る”ということ。車種やグレード、また商談の時期によっては値引きが望外に大きく引き出せて、総支払い額が新古車と大差ない結果となることもあるからだ。双方の総支払い額で最終的に決めればいい。
スポーティモデルなどは新古車の流通量が少ないので、低金利ショップで見積もりを取って新車ディーラーとのアイミツで検討するのがいい。
(ベストカー編集部)
■オールシーズンタイヤ どれを選ぶ? の三択
・プレミアムコンフォートタイヤ
・低転がりECOタイヤ
・オールシーズンタイヤ
タイヤ選びほど難しいものはない。クルマ本体と違って、基本的には「試乗」して確認することが困難な商品だからだ。本当は、自分のクルマにベストマッチするタイヤをいろいろな候補から試した上で『一択』できれば、それに越したことはない。
オールシーズンタイヤというのがある。日本ではあまりなじみがないのだが、北米ではきわめて一般的なタイヤで、北米で市販されているクルマの多くはオールシーズンタイヤを標準装着して新車販売されている。文字どおり、サマータイヤの性能と雪道にも対応した性能を併せ持つタイヤである。
現在日本で流通しているオールシーズンタイヤはグッドイヤーの『ベクター4シーズンズ』と住友ゴム『ファルケンユーロウインターHS449』。両者ともに試したことがあるが、シャーベッド状の雪道から圧雪路にかけての性能は充分で、一般的なスタッドレスタイヤと大きな差を感じることはない。
両製品ともにスノータイヤとして認定されているので、高速道路の『冬用タイヤ規制』にも対応する。ただし、アイスバーンになるとやはり本格的なスタッドレスタイヤにはかなわないので、例えば都内などで積雪があった場合、2日後、3日後に融けずに残ったアイスバーンでは注意が必要だ。
オンロード性能は大きめのブロックパターンのため、ややパターンノイズが大きい傾向がある。主に“ザー”という高周波の音が気になると感じる人もいるだろう。コンフォート系サマータイヤには大きく負けているのはもちろんだが、低転がり抵抗のECO系サマータイヤと比べてもザー音は耳に付く。
が、非降雪エリアの都市部で街乗り主体という使い方であればあまり気になるほどでもない。むしろ突然の降雪時の安心感、スタッドレスタイヤとの履き替えの手間などを考えれば、デメリットを承知の上で選択するというのもアリだ。いっぽう、乗り心地や静粛性にこだわるユーザーなら、やはりコンフォート系タイヤの装着をオススメする。
(ベストカー編集部)
■車検どこに出す!? の三択
・ディーラーに出す
・代行業者に出す
・ユーザー車検にトライ
それぞれの車検の特徴を一般論として紹介すると、
●ディーラー車検……すべてお任せで、そのメーカーのクルマに慣れたメカニックが整備してくれる。整備内容には保証が付くなど、一番無難というか安心ではある。しかしそのぶん高い傾向は否めない。
●ユーザー車検……自分で動き、現状で車検を合格できれば費用は法定費用だけなので、安さは一番。しかしそれは「車検にクリアした」というだけで、確認や必要な整備は含まれていないため自主的にプロに見てもらうなど、いろいろな意味での自己責任が必要。
●車検代行業者……価格を含め2つの中間的な存在。最近は保証が付くこともあり、安心感も増している。
車検はクルマの使い方やそのクルマに乗る期間も加味して選ぶのがいいと思うが、そのなかで普通の人向けに三択から選ぶのであれば、日本車なら手間の少ないディーラーがやはり無難だろう。外車なら専門店に聞いてみるのも1つの手だ。
(永田恵一)
■クルマ売るならどこへ!? の三択
・ディーラーに下取り
・買い取り専門店
・個人売買
新車買い換えだとしても、まずは今の愛車を買い取り専門店のインターネット見積もりサイトで買い取り額チェックすることから始める。そして一番高価買い取り額を提示してきたお店をキープ。
そのうえで新車ディーラーで商談をしながら下取り額の交渉を進めていくのが正しい手順。新車の値引きが上限に達しても、下取り額の上乗せでプラスアルファが期待できる。
最終的には差し引きの持ち出し額を算出し、買い取り店に売るのがいいか、新車購入店で下取ってもらうのがいいのかを判断する。
買い取り店は、その時期タイミングによって「欲しいクルマ」が変わるので、愛車が「欲しいクルマ」だったら予想外の高価買い取りが期待できるいっぽう、一般的には人気車であっても中古車流通がダブついていたりすると買い取り額は低くなる。だから必ず買い取り店は複数のお店から見積もりを取る。
個人売買はお金のやりとりが個人間で発生するためトラブルになりやすい。また基本的には買い手側の立場では現金一括払いという点でもハードルが高い。売買後の名義変更などの手続き面でも煩わしいため、時間に余裕がある人向けだ。
(ベストカー編集部)
■車中泊 どのクルマが快適!? の三択
・ステップワゴン
・N-BOX+
・フリード+
最近、睡眠が気になる編集部・馬場。ホンダのハコ型モデル3台を寝る状態にして試してみた。
簡単フルフラットが自慢のステップワゴン、写真のとおりに真っ平らになる。が、コスパも加味すると現状、中古車で買えるN-BOX+は軽とは思えないほど、驚くほど広く快適。
でも価値としてこれを超えるのはフリード+でしょう。専用ボードを置くだけで写真のとおり男2人がゆったり横になれる(写真右は清水草一さん)。室内高は3台中一番低いけど、イチ押しの快適さだ。
(ベストカー編集部)
■今も乗りたいネオクラシックは? の三択
・R34スカイライン
・A80スープラ
・FD3S RX-7
R34スカイライン=2001年、A80スープラ=2002年、FD3SR X-7=2002年。各モデルの生産終了年なのだが、いずれにせよ16~17年も経過しているのだ。
しかし、この時代のクルマの作りはよく、ボディやシャシーなどの防錆対策なども進化していることもあり、実際に乗ってみると驚くほどシャンとしている個体が多いことに驚かされる。ATは走行距離が多いと若干心配だが、ネオクラシックは3ペダルのMTで乗りこなすのがオツってものだ。
オイル交換などの最低限のメンテをしっかりと受けていればMT本体やエンジンの耐久性は10万~15万km程度ではまったく問題ない。試乗して違和感のない個体であれば、買って「しまった!!」という心配はないだろう。
価格的にはスカイラインが150万~160万円、スープラが210万~250万円、RX-7が180万~200万円といったところ。ロータリーエンジンのRX-7はエンジンの圧縮抜けだとO/Hに50万円コースなので、信頼できる専門ショップで安心できる個体を選ぶことがカンジンだ。また、初期モデルは操縦性がピーキーでシビアなドライビングが求められるので、改善された最後期型を選ぶのがいい。
スープラに関しては人気が高く、価格が急高騰しているのが気になるところ。特に後期型のターボモデルRZはタマ数が少なく希少な存在となっている。
R34スカイラインは直6ターボのスムーズな吹け上がりとFRらしいハンドリングを楽しめる25GTターボがオススメ。アフターパーツも豊富なので、チューニングやドレスアップなどの買った後の楽しみ方もできる。
(ベストカー編集部)
【関連記事】 いまが買い時!! 2000年代初頭のネオクラシック国産スポーツ4選
【番外コラム】パワートレーンの未来は今後どうなる? の三択
・EVになる
・PHVになる
・FCVになる
電動化だ、完全EV時代になる……などいわれながらも、今日現在、周囲を見渡せばハイブリッド車は増えたものの、内燃機関を搭載しないクルマというのは超超少数派。
トヨタは2050年には新車販売のほとんどすべてを『電動車』にするという計画を打ち出しているが、その目標実現のためには今から12年後の2030年には、新車販売の50%が『電動車』になっていなければならない、と試算をしている。
ただし、ここで言う『電動車』はピュアEVのことではなく、ハイブリッド車やPHVといった内燃機関+モーターを使ったパワートレーンも含んでいる。12年後の段階でもピュアEVやFCVといった、内燃機関によらないパワートレーンは多くて10%と見積もっている。
では自動車のパワートレーン、将来的にはどの方向に進むべきなのか!?
(ここまでベストカー編集部)
■鈴木直也の三択決断
長期的にみたら、クルマの主流がEVになるのは必然。それに異論を唱える人はあんまりいないと思う。
議論が分かれるのは、それが「いつ頃までに?」という点。
常識的にはかなり長期にわたって内燃機関は生き残り、ハイブリッドやPHVとして電動化を取り込みつつ走り続けるものと思われる。
好ましいのは、FCVも含めて“適材適所”でさまざまなパワートレーンが共存すること。あと20年くらいはPHVがしぶとく頑張るんじゃないでしょうか。
ということで、私の一択は「当面はPHVがパワーユニットの中心」だ。
■渡辺陽一郎の三択決断
クルマの完全な電化は、電力消費量の増加を考えても無理がある。従って内燃機関と共存するが、その上で選ぶと進む方向はEVだ。混雑した市街地を低速で走る短距離移動の手段には、エネルギーの効率を考えても適している。長距離移動には公共の交通機関を使うのが高効率だ。
2つ目はPHVだが、充電した電気だけで走る使い方ではムダも生じる。ハイブリッドの付加価値として発展するだろうね。
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