1984年に初代が登場して大ヒットしてから約40年。日本国内には未導入だが、欧州ではMPVの先駆けとなるエスパス。 6代目となるモデルは、フルハイブリッドのSUVとなって登場した。(Motor Magazine2023年8月号より)
プラットフォームはルノー・ニッサン・ミツビシ共通のCMFを使用
1984年に登場したルノーエスパスは斬新なスタイル、広く明るいキャビン、フレキシブルなシートレイアウトなどで世界中に大きな影響を与えたワンボックス7シーターミニバンである。
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不思議なことにこの種のモデルがポピュラーな日本でも一度も正規輸入されていないが、その優れたコンセプトゆえに業界では「エスパス」の名は広く知られ、並行輸入として少なくない台数が日本国内を走っている。
さて、このエスパスが6世代目を迎えたが、ルノー・ニッサン・ミツビシの共通CMF(コモンモジュール ファミリー)プラットフォームに構築されたボディには非常に大きな変化が見られる。
5世代目の現行モデルでもその傾向が見られたが、ボンネットはさらに長く伸び、フロントガラスの境に大きなギャップが設けられているのだ。すなわち2ボックス、いや背が高いゆえに、もっと端的に言えばすっかりSUVになってしまったのだ。
グリルには骨太の縦格子が入りオフローダーとしても十分に通用する顔つきが与えられ、ホイールハウスにはプラスチック製のプロテクトオープニングフレーム、そしてボディサイドもかつての滑らかな空力的サーフェスではなく骨太のキャラクターラインが走る。
スライド量拡大など、2列目の快適性は向上
開発担当によれば世界中に吹き荒れるSUVブームはワンボックス、とくにエスパスが属するミドルクラスミニバンを大きく浸食している。他メーカーにおける良い例がフォルクスワーゲン シャランで、現在ではティグアンが完全に取って代わっており、かつてのミニバンはマルチバンあるいはID.BUZZとなっている。
ボディ全長は4.72mと旧モデルよりも14cm短く、その結果3列目の2人用シートに座ると天井が頭上に迫り、1.65m以下のパッセンジャーあるいは子供用と割り切られている。だが、2列目は22cmもスライド量があり快適性は向上している。またトランクルームも旧モデルよりも280Lも少なく最大で1818L(5人乗り仕様)の容量に減少している。
一方コクピットではダッシュボードが高くなっているにもかかわらず、ドライビングポジションがSUVのように高めで見晴らしがよい。また目前に並ぶデジタル表示のインフォテインメントスクリーンと12インチのタッチスクリーンは同社のクロスオーバーSUV「オーストラル」と同一で視認性、そして操作性に優れている。
1000kmのロングドライブも行けそうな快適な乗り心地
試乗車に搭載されるパワートレーンはE-テック エレクトリックと呼ばれるフルハイブリッド。基本的にはオーストラルに搭載されているものと同じシステムで、ICEは1.2L、3気筒ガソリンターボエンジン(131ps)と68psの電気モーター、そしてスタータージェネレーターを組み合わせ、システム199ps、最大トルク230Nmを発生し、前輪を駆動する。カタログに掲載されている性能は0→100km/hの加速が8.8秒、最高速度は174km/hである。
4種のドライブモード(エコ、コンフォート、スポーツ、インデュビジュアル)が選択可能で、エコモードでは電気モーターが主役でICEが最適燃費状態でアシストする。電池容量はわずか1.7kWhなので純EV走行はわずか数メートルとなる。
走りはどのモードでも快適で、スチールバネとは思えないようなフランス車独特の快適な乗り心地を楽しめる。まさにリラックスした状態でノンストップ1000kmのロングドライブも行けそうだ。標準装備の4WS(4輪操舵システム)はハイウエイでのレーンチェンジの安定性と街中での取り回しに貢献していることも最後に付け加えておくべきプラスポイントであった。
ドイツにおけるベースモデルの価格は19%の付加価値税込みで4万3500ユーロ(約680万円)と発表されている。だが、これまでエスパスがそうであったように、日本へ正規輸入される可能性は少なそうである。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)
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