この記事をまとめると
■高齢者の移動ツールとして「電動車いす」という乗り物がある
勘違いしたユーザーが「検挙」されるケースもあり! 電動キックボードはいま「どう乗れば」合法なのか?
■最近は道路を走っている光景が目撃されるなど危険なトラブルも多い
■電動車いすは定義が法律で決まっており歩道しか走れない
シニアカーってどこを走れる?
電動車いす(シニアカー)は、移動手段として、さまざまな人に利用されています。しかし、普及に伴って交通事故が多数発生しているのが実情です。最近でも道路の真ん中を通行しているセニアカーが目撃されるなど、電動車いす利用者のルール違反が多数発生しています。今回は、電動車いすは道路のどこを通行するのが正解なのか、道路交通法ではどのように扱われているのかなどを解説します。
電動車いす(シニアカー)とは?
電動車いす(身体障害者用の車いすで道路交通法施行規則で定める基準に該当する原動機を用いるもの)は、身体障害者だけでなく、歩行が困難な高齢者にも利用されている原動機を用いた車いすです。少子高齢化に伴い、高齢者の利用数が増え、街なかで見かけることも増えてきました。
ただし、歩道を通行できる電動車いすは、法律により車体の大きさや最高速度などが定められています。基準を超える電動車いすについては、警察署長の確認を受けなければ歩道を通行することができません。
では、法律に定められている基準について確認していきましょう。 【電動車いすの基準(道路交通法施行規則:原動機を用いる身体障害者用の車いすの基準)】
■車体の大きさの基準 ・長さ120cmを超えないこと ・幅70cmを超えないこと ・高さ120cm(ヘッドサポートを除いた高さ)を超えないこと
■車体の構造 ・原動機として電動機を用いること ・6km/hを超える速度を出すことができないこと ・歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと ・自動車または原動機付自転車と外観を通じて明確に識別することができること ※歩行者とみなされるためには、車体の構造の基準をすべて満たさなければなりません
法律上の扱いは?
道路交通法では歩行者とみなされる電動車いす
電動車いすは、道路交通法において歩行者としてみなされます。道路交通法第2条11-4には次のように定められています。 【道路交通法第2条11-4:身体障害者用の車】
身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するための車(原動機を用いるものにあっては、内閣府令で定める基準に該当するものに限り、遠隔操作により通行させることができるものを除く)をいう また、道路交通法第2条第3項の1には、次のように定められています。 【道路交通法第2条第3項】
次に掲げる者は歩行者とする。
1.移動用小型車、身体障害者用の車、遠隔操作型小型車、小児用の車又は歩行補助車等を通行させている者(遠隔操作型小型車にあつては、遠隔操作により通行させている者を除く) 法律で上記のように定められていることから、電動車いすの利用者は原則として歩道を通行しなければなりません。そのため、車道の真ん中を通行したり、クルマと同じ方法で運転したりしてはなりません。
周囲のクルマが気をつけるべきこととは?
電動車いすは、歩行者と同じ区分となるため、歩道を利用する通行人と同じように注意することとなります。ただし、道路の広さによっては、横断歩道の信号が青の間に電動車いすが渡りきれない場合があります。このようなときは、電動車いす利用者が横断し終わるのを待ってから進むようにしてください。
利用者も周囲も気をつけなければならない電動車いす
電動車いすは、車両と勘違いしやすい乗り物です。そのため、電動車いす利用者(とくに高齢者)が歩道を通行する人と同じ歩行者であることを忘れてしまうことがあります。
電動車いす利用者との交通事故を発生させないためにも、電動車いす利用者と周囲の道路利用者の双方が正しい知識とルールを理解しておく必要があるのではないでしょうか。
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みんなのコメント
バックミラーやハンドル、ブレーキレバーなどの突起物が他の人に当たってケガをする。人の足を踏みつけるリスクもある。それを考えないで載せる事業者も事業者である。
いくら歩行者扱いといっても無理がある。生身の人間と当たったらば、ケガするのは乗ってないほう。準歩行者として別途扱いをするべき。
歩道が狭かったり、傾斜があったりする場所は道路を通らないと行けなくなるのも、なんとかしないとダメだ。
トラックなどの視界に入りにくい。