現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 荷物を出し入れするリヤゲートはドアか否か! 2ドア・5ドアに6ドア……クルマのドアはどう数えるのが正解?

ここから本文です

荷物を出し入れするリヤゲートはドアか否か! 2ドア・5ドアに6ドア……クルマのドアはどう数えるのが正解?

掲載 21
荷物を出し入れするリヤゲートはドアか否か! 2ドア・5ドアに6ドア……クルマのドアはどう数えるのが正解?

 この記事をまとめると

■自動車の用語として「5ドア」や「2ドア」という言葉が使用されている

ウソだろ! そんな開き方!? 個性にもほどがあるドアをもつクルマ5台

■ハッチバックはリヤゲートを1枚のドアとして計上している場合が多いが例外も存在する

■自動車メディアが勝手に言っているだけなので気にすることはない

 ヤリスは4ドア? それとも5ドア?

 クルマに対しての意識が高い人であれば、「トヨタ・ヤリスは5ドアのコンパクトカーです」という日本語を読んだ際に「あぁ、そうですね」以外の感想はとくに生まれないだろう。

 だが、日頃から自動車関係の記事などを読む習慣がない人は、この文章を読んで「ちょっと待って! ヤリスのドアって確か4枚だったはずだけど、なんで“5ドア”なの?」と疑問に思うかもしれない。

 確かにヤリスのリヤゲートは荷物などを出し入れする際に開閉させる「ゲート」であって、人間が出入りするためのものではない。それなのになぜ「5ドア」なんじゃ! 納得いかないぜ! といわれれば、「ですよねぇ……」と答えるほかない。

 とはいえ結論として、クルマ界では一般的に「車内から外に出ることができる扉」のことを「ドア」として扱う。そして、そうではない扉、たとえば4ドアセダンや2ドアクーペにおける独立式トランクのフタ部分は、なんとなくビジュアル的にドアっぽくもあるのだが「ドア」としては扱わない──というのが原則である。

 それゆえ冒頭で例として挙げたトヨタ・ヤリスは、あのリヤゲートから車外に出る人はまずいないはずだが、構造としては(その気になれば)車外に出ることも可能な扉であるため「ドア」として扱われ、それゆえ「5ドア車」と呼ばれるのだ。人が出入りしないのにドア扱いすることに対して納得いかない人もいるかもしれないが、これはもう原則であるため、どうかご容赦いただきたい。

 以上はあくまで原則であり、実際の世の中は「例外」や「恣意的な運用」であふれかえっている。

 たとえばトヨタの2代目ポルテは、運転席側は普通に前後2枚のスイングドアを備えるが、助手席側には大きめなスライドドアが1枚あるだけで、そのうえで(その気になれば車外へ出ることができる)リヤゲートを備えている。

 ということは、先述した原則を適用すると、2代目ポルテは「4ドアハッチバック」ということになるはずだが、そう呼ばれるケースはかなり少ない。ではなんと呼ばれているかといえば、単に「2BOX車」と呼ばれたり、「変則的なドアレイアウトを採用したコンパクトハッチバック」などと呼ばれることが多かった。

 これは、「4ドアハッチバック」というのは意味としては(原則論としては)正しいのだが、「4ドアハッチバック」といわれてもその造形をいまひとつイメージしにくいため、恣意的な運用の結果として原則論が排除された一例だ。

 ブランドや車種によってドアの数え方がまったく異なる

 変則的なドアレイアウトのクルマといえば、マツダのRX-8とMX-30も該当するだろうか。

 ご承知のとおり、RX-8は通常のフロントドア左右2枚に加えて「フリースタイルドア」という小さなドアをリヤの左右に設置。そのフリースタイルドアが通常とは逆方向に開くことで、左右のドアがいわゆる観音開きになるという形状だった。クロスオーバーSUVであるMX-30も、それとほぼ同様のタイプである。

 で、RX-8の場合はマツダも普通に「4ドア・4シーターのスポーツカー」とプレスリリースのなかで明言していた。これは原則論どおりの扱いだ。しかし、MX-30は、原則からすると「普通のドア2枚+フリースタイルドア2枚+リヤゲート1枚」ということで「5ドアSUV」となるはずだが、メーカー側からとくにドア数についての明言はなく、自動車メディアが「5ドアのクロスオーバーSUV」と書くこともほとんどない。

 というか、4枚ドア+1枚のリヤゲートを持つSUVやステーションワゴンが「5ドアSUV」とか「5ドアステーションワゴン」といちいちいわれることはほとんどなく、ただ単に「SUV」「ステーションワゴン」と呼ばれる場合がほとんどだ。これは「そんなことはいわなくてもわかるでしょ?」という意味でまどろっこしい表記を排除する恣意的運用の一例である。

 恣意的な運用といえば、ジープ・ラングラー・アンリミテッドというSUVは、もしもあえて表記するなら「5ドア」がふさわしいはずなのだが、ジープブランドは頑なに「4ドア」と表記し続けている。理由は不明だが(ラングラーの後部上屋部分はフレキシブルな構造だからだろうか?)、ブランドとしてのこだわりなのだろう。

 そして一番よくわからないというか、どう呼ぶべきか迷ってしまうのが、「わくわくゲート」が付いている先代のホンダ ステップワゴンだ。

 ご承知のとおり先代ステップワゴンのわくわくゲートは「その気になれば車外に出られるドア」ではなく、「そもそも積極的に人の出入りにも使われるべきドア」だった。であるならば、わくわくゲート付きの先代ステップワゴンは、「フロントの左右2枚+リヤのスライドドア2枚+リヤゲート1枚+わくわくゲート=6ドア車」なのか、それともわくわくゲートはリヤゲートに含まれるものと解釈して「5ドア車」と呼ぶべきなのか?

 そのあたりを考えていると夜も眠れなくなるわけだが、結論としてはそのどちらでもない。計5枚のドアを備えているステーションワゴンがいちいち「5ドアステーションワゴン」と呼ばれることがほとんどないのと同じで、ミニバンは、わくわくゲートがあろうがなかろうが「ミニバン」としか呼ばれないのが一般的なのだ。

 また、「わくわくゲートはドア数に含まれるのか否か?」などといちいち考えるのは貴重な人生時間の損失でもあるため、作り手も乗り手も、そしてメディアも、そこはスルーするという理由もある。

 スルーといえば、ルノー・カングーのリヤゲートもそうだろう。多くのカングーのリヤゲートは観音開きのダブルバックドアであるため、原則論を適用するなら「6ドア車」ということになる。だがそんなことをいちいち気にしていては話が前に進まないため、多くの自動車メディアは「カングー=5ドア車」とざっくりまとめている。そしてメーカー(インポーター)は、カングーのドアの「枚数」についてはとくに言及していない。めんどくさいし、そんなことをしても無意味だからである。

 以上のとおり、ドアの数え方にいちおうの原則はあるが、実際の世の中は恣意的に動いている。そもそも「3ドアなんとか」とか「5ドアかんとか」というのも多くの場合、メーカーのカタログに載っている言葉ではなくメディアが勝手にいっているだけの場合のほうが多い。いちおうの原則だけを頭に入れておけば、あとはあまり気にせずとも普通に生きていけるだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

1000万円でフェラーリ泥沼生活!「365GT4 2+2」は覚悟がなければ手を出すべからず…とはいえV12跳ね馬オーナーへ最安値で実現できるクルマです
1000万円でフェラーリ泥沼生活!「365GT4 2+2」は覚悟がなければ手を出すべからず…とはいえV12跳ね馬オーナーへ最安値で実現できるクルマです
Auto Messe Web
【このキュートなシティ ターボIIなんぼ?】ホンダ好きにはたまらない永遠のアイドル しかもモトコンポ付き!「ホンダ シティ ターボII」販売中!
【このキュートなシティ ターボIIなんぼ?】ホンダ好きにはたまらない永遠のアイドル しかもモトコンポ付き!「ホンダ シティ ターボII」販売中!
AutoBild Japan
【殿堂入りレベルの完成度】オートカラーアウォード2024でマツダCX-80がグランプリを受賞
【殿堂入りレベルの完成度】オートカラーアウォード2024でマツダCX-80がグランプリを受賞
AUTOCAR JAPAN
2024年の一台は「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」に決定! 第7回日本バイクオブザイヤー授賞式が開催
2024年の一台は「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」に決定! 第7回日本バイクオブザイヤー授賞式が開催
バイクブロス
ヒョンデが『i20 Nラリー2』に新型“ステップ2”を投入。7つのジョーカーを活用/ERC
ヒョンデが『i20 Nラリー2』に新型“ステップ2”を投入。7つのジョーカーを活用/ERC
AUTOSPORT web
「ハイパーカーは乗り物以上の芸術」超高級車のブガッティが「究極のガレージ」発表
「ハイパーカーは乗り物以上の芸術」超高級車のブガッティが「究極のガレージ」発表
レスポンス
ホンダ新型プレリュード、2025年にアメリカで販売開始へ。将来的なレースベース車両になるかも?
ホンダ新型プレリュード、2025年にアメリカで販売開始へ。将来的なレースベース車両になるかも?
motorsport.com 日本版
レクサス新型「LX」がスゴイ! ”頑丈“すぎる新ハイブリッド搭載の「本格モデル」! “超タフ”な新仕様「オーバートレイル」もある「最上級“SUV”」が販売店でも話題に
レクサス新型「LX」がスゴイ! ”頑丈“すぎる新ハイブリッド搭載の「本格モデル」! “超タフ”な新仕様「オーバートレイル」もある「最上級“SUV”」が販売店でも話題に
くるまのニュース
国内外で活躍するBIRTH RACING PROJECTがドライバーデベロップメントプログラムを始動へ
国内外で活躍するBIRTH RACING PROJECTがドライバーデベロップメントプログラムを始動へ
AUTOSPORT web
【アメリカ】ホンダの大型SUV「プロローグ」に反響多し! 「100万円以上も安くなるのスゴイ」「あえてシンプルなデザインが素敵」の声! 日系車で「1番人気」を獲得!
【アメリカ】ホンダの大型SUV「プロローグ」に反響多し! 「100万円以上も安くなるのスゴイ」「あえてシンプルなデザインが素敵」の声! 日系車で「1番人気」を獲得!
くるまのニュース
デザインコンセプトは「ナチュラルユニーク」! スズキが軽乗用車「ワゴンR スマイル」の新型モデルを発売
デザインコンセプトは「ナチュラルユニーク」! スズキが軽乗用車「ワゴンR スマイル」の新型モデルを発売
バイクのニュース
クルマのエアコンフィルター交換、サボってない? 自分で点検・交換する方法を紹介!【カーマニア本田浩隆の愛車日常メンテナンス】
クルマのエアコンフィルター交換、サボってない? 自分で点検・交換する方法を紹介!【カーマニア本田浩隆の愛車日常メンテナンス】
くるくら
ゲイルスピードのアルミ鍛造ホイールに X350/X500/GSX-R1100用が登場!
ゲイルスピードのアルミ鍛造ホイールに X350/X500/GSX-R1100用が登場!
バイクブロス
2025年[フルモデルチェンジ]予定の日産・キックス! [コンパクトSUV]として爆ウレするために必須の条件とは?
2025年[フルモデルチェンジ]予定の日産・キックス! [コンパクトSUV]として爆ウレするために必須の条件とは?
ベストカーWeb
6年ぶりに復活した日産S14「シルビア」…きっかけは「チャージスピード」のフルエアロ! ただいま「痛車にしようか思案中」
6年ぶりに復活した日産S14「シルビア」…きっかけは「チャージスピード」のフルエアロ! ただいま「痛車にしようか思案中」
Auto Messe Web
F110カップに『GSTR GRAND PRIX F110 CUP 2025シリーズ』と題したスカラシップを設定
F110カップに『GSTR GRAND PRIX F110 CUP 2025シリーズ』と題したスカラシップを設定
AUTOSPORT web
「冬の方が夏に比べて“燃費が悪くなる”と聞きましたがなぜですか?」 納得の理由に「雪降るエリアだと仕方ない」「冬に燃費稼ぐのは諦めます」の声! すぐできる“燃費を良くする方法”とは?
「冬の方が夏に比べて“燃費が悪くなる”と聞きましたがなぜですか?」 納得の理由に「雪降るエリアだと仕方ない」「冬に燃費稼ぐのは諦めます」の声! すぐできる“燃費を良くする方法”とは?
くるまのニュース
トヨタ車体が提案! 斬新ドア採用の「クロスバンギア」は市販化する? ノアヴォク派生ぽい「“SUVミニバン”コンセプト」はどうなるの?
トヨタ車体が提案! 斬新ドア採用の「クロスバンギア」は市販化する? ノアヴォク派生ぽい「“SUVミニバン”コンセプト」はどうなるの?
くるまのニュース

みんなのコメント

21件
  • hid********
    どうでもいいことの記事なんだが。
  • rvu********
    同じゴルフでもヨーロッパでは5ドアハッチバック、アメリカでは4ドアハッチバックとリアゲートをドアに数えるかは地域によって違うし、どこでも通用する「正解」はないよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村