昔の王道VIPをカタチにしたプレジデント
ここに2台のカスタム車両がある。1台は平成5年式の日産・プレジデントで、もう1台は平成12年式のホンダ S-MXと、どちらもドレスアップ界で一世を風靡した車両だ。そんな懐かしのクルマを大阪オートメッセ2019の「クレッシェンド×ケーズスタイル」ブースで発見した。
嗚呼、悲しくも消えてしまった懐かしのクルマのカスタム文化「総集編・後編」
まずはプレジデント。当時に大ブレイクした「セッション」のエアロパーツにくわえ、フロント80mm/リア100mmのオーバーフェンダー加工を施し、「ワーク」のジスタンスW5S(19×10J・−8、19×12J・−20)をセットし、「ボルドワールド」のエアサスでローダウン。ボディカラーは、レクサスのディープブルーマイカで、美しいフォルムを生み出した。
そして、室内に目を向けるとラベンダーカラーを基調に、シート、フロアマット、ステアリングなどは「エルティード」で張り替え。それ以外は「ディメンションファクトリー」にてフルカスタムと、こちらも完成度の高い空間をみせてくれた。
コンセプトを聞けば「昔の王道VIPです」と語るオーナー。威風堂々のカスタマイズには不釣り合いなほど、可憐な女性の愛車なのだ。過去10年分のセダン雑誌「VIPスタイル」を参考に、当時のスタイルを再現したというシロモノ。昭和世代が懐かしいツインフォグなど、VIP全盛当時のスタイルを色濃く残したプレジデント。当時仕様のままではなく、当時のVIPをリボーン(再生)したのである。
自分らしさをカタチにしたS−MX
もう一台のS-MXは、趣向をガラリと変えた内外装ともゴリゴリのカスタム車。30歳のオーナーは、18歳からS-MX一筋でこの車両が2台目とか。イベントに参加するための専用車ということで、日々の使い勝手は度外視。内容も思い切りの良さがハンパないのである。
まずは外装から。顔面はトヨタ・ハリアーのヘッドライトへイカリングをインストールし、さらに50プリウスの純正バンパーを下半分ドッキング。サイドとリヤは「クールレーシング」の30プリウス用を加工装着した。足元は「レオンハルト」の19インチホイール(フロント10J/リア12J)をセット。それぞれ、−18/−58というとんでもない極深インセットで履きこなす。もちろんオーバーフェンダーもワンオフ製作だ。
インテリアも強烈。メーターはすべて取っ払い、燃料タンクのガソリン残量もわからないという潔さ(イベントのたびに満タンすればいいんだとか)。フロントシートまでも取り外し、そのスペースには12インチの「グランドZERO」ウーファーがデ~ンと鎮座している。積車から降ろしたあとの移動は、ウーファーボックスの端っこに腰をかけて運転しているとか。
また、メーターがあった場所には10インチのiPadをディスプレイして音楽視聴をコントロール。ブラウンのレザーとチャコールのスゥエードをコンビしたことで、オシャレな空間を生み出した。さらにラゲッジでは尖ったアクリルにて電飾を使用しカラフルさをアピール…と、まさに独創メイクのオンパレードだった。
「自分のやりたいと思うことをカタチにしてみよう。車検を通す予定もないので、思い切って挑戦してみました」とオーナーは話す。人が真似できないクルマを作りたい、という思いの強さが為せるワザのオンパレードだ。
「いまのカスタマイズは、シンプルで控えめになっていますよね。ドレスアップ自体も減ってきているし、業界を盛り上げたいという思いもあってこの2台を作りました」とは製作に関わったケーズスタイル・豊島CEOの言葉。その魅力を最大限生かしきっても「まだまだやりたりない」と語るオーナーふたり。これだけアツい人間模様が交錯するのも大阪オートメッセならではなのだ。
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