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新型プジョー508試乗 ドイツと異なるフランス流アプローチ 残価にも強み

掲載 更新
新型プジョー508試乗 ドイツと異なるフランス流アプローチ 残価にも強み

もくじ

どんなクルマ?
ー 優れたフレンチサルーン
どんな感じ?
ー 装備は充実 印象的なキャビン
ー 納得のパフォーマンス
「買い」か?
ー 最後はお好み次第 下取り価格に強み
スペック
ー プジョー508 1.6 ピュアテック 180 GTラインのスペック

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どんなクルマ?

優れたフレンチサルーン

このクルマはコンパクトクロスオーバーでもSUVでもなければ(驚愕の事実だ)、愛らしいスーパーミニですらない。この小粋な新型プジョー508は、なんと大型サルーンモデル(存在を覚えておいでだろうか?)であり、われわれがこのモデルを英国で試すのは今回が初めての機会となる。

もちろん、これまでにも新型508を運転したことはある。あれはフランスで行われた国際試乗会でのことだったが、同僚のマット・プライヤーはこのクルマをお勧めできない明らかな問題は見つからなかったとしてサムアップしてみせた。だが、一方でライバルたちのなかからこのプジョーを特にお勧めすべき特徴を見つけられなかったのも事実だ。つまり、優れたモデルだが、傑出しているとまでは言えなかった。


フランスで試したのは176psを発揮する2.0ℓディーゼルエンジンを積んだトップモデルのGTだった。今回はプジョーが英国で1番の売れ筋になるだろうと考えている180psの1.6ℓピュアテックガソリンエンジンを積んだGTラインを英国試乗に連れ出すことにした。

この仕様におけるオプション装着前の価格は3万1200ポンド(467万円)だが、今回のテスト車両が掲げるプライスタグは3万7000ポンド(554万円)に達していた。ちなみに、190psを発揮する2.0ℓガソリンエンジンを積むアウディA4 Sラインのスタートプライスは3万4615ポンド(518万円)、同じく185psを発揮するBMW 320i Mスポーツは3万2300ポンド(484万円)からとなっている。

A4、3シリーズともいまやモデルライフ末期を迎えてはいるとはいえ、プジョーが意図したとおり、新型508はその存在感でアウディやBMWにも引けをとることはない。

どんな感じ?

装備は充実 印象的なキャビン

ワイヤレス式携帯充電パッドやアンビエントインテリア照明、充実したインフォテインメントシステムなど、必要機能は標準装備でも充実している。

さらに、新型508の小粋なルックスも多くが気に入るだろう。シャープなフロントエンドに、全高を1.4mに留めたルーフラインは、そのなだらかな傾斜によってまるでクーペのようなシルエットを作り出している。そして、4.75mの全長もこのクラスでは十分コンパクトな部類に入るだろう。

プジョーがiコックピットと呼ぶキャビンも508にフィットしている。小径ステアリングのポジションは低すぎると感じるかも知れないが、ダッシュボードにふんだんに使われているタッチの柔らかなマテリアルや、ピアノキーコントローラー式インフォテインメントシステムのレイアウト、12.3インチのデジタルインストゥルメントディスプレー、グロスブラックと光沢のある金属素材のコンビネーションが美しいパネルなど、すべてが非常に魅力的な雰囲気を創り出している。


A4や3シリーズといったモデルとは異なる優雅さであり、メルセデスCクラスともまったく違うものではあるが、印象的なキャビンだ。

納得のパフォーマンス

フロントにマクファーソンストラット、リアにマルチリンクを採用し、それぞれにアダプティブダンパーを組み合わせたプジョーのアクティブサスペンションは、508のオンロードでのマナーは納得できるものにしている。基本的に乗り心地はしなやかで落ち着いたもので、特にコンフォートモードを選択している限りは、路面不整に出会っても、ごくわずかなボディの上下動とともに、突然の突き上げも乗員にほとんど気付かせることなく吸収してみせる。

テスト車両が履いていたオプションの19インチホイールでは、時折バタバタとした様子を見せたが、それもライバルたちに比べ著しく劣るというほどではない。18インチを履いたモデルも試してみたが、乗り心地は明らかにこちらの方が上だった。

ロック・トゥ・ロックが2.5回転のステアリングは、レシオに関してはマイルドな設定であり、速度を上げるにつれて素晴らしい重みが加わるが(低速での手応えは非常に軽い)、路面伝達能力に関してはまったく不足していると言わざるを得ない。それでも、ワインディングロードでのドライビングを楽しむことができない訳ではない。


実際、スポーツモードであれば、ステアリングにはさらなる重みが加わるとともに、ボディの動きが抑制され、スロットルレスポンスも向上することで、508は十分に運転を楽しませてくれる。但し、楽しむことはできるが、決してエキサイティングとまでは言えないことも事実だ。

一方、パワートレインがそのパフォーマンスでドライバーを満足させることは難しいだろうが、プジョーが7.9秒としている0-100km/h加速は十分納得できるものであり、スロットルを床まで踏み込んでも、エンジンが悲鳴を上げるようなことはない。さらに、低速で若干グズる様子をみせることを除けば、全般的に8速オートマティックギアボックスの変速も非常に滑らかだ。この点ではフォルクスワーゲングループのDSGよりもはるかに完成度が高いといえるだろう。

「買い」か?

最後はお好み次第 下取り価格に強み

プジョーが創り出した新型508はバランスに優れ、素晴らしいルックスと、充実した装備を備えたモデルに見えることだろう。そうしたモデルをお探しなら、このクルマを選ぶ理由は十分にある。だが、同じことは3シリーズにも、A4にもいえる。そして、フォード・モンデオであれば、508がもたらしてくれるものをはるかに安価なコストで実現してみせるのだ。


つまり、よくあることだが、最終的にどのモデルを選ぶかというのはそれぞれの好みということになる。この魅力的なフレンチサルーンに惹きつけられるひとびとがいる一方で、ドイツ車のテイストを好むひとびともいるのだ。個人的には508の方が好ましく思えた。

さらに英国の場合、このクルマにはアウディやBMWのライバルモデルよりもその価値を保つことができるという利点もある。フレンチサルーンはその下取り価格が長年にわたり弱点とされてきたが、新型508は3年後、走行距離5万8000kmの車両でも41%の価値を残すと予想されている。対照的に現行320i MスポーツとA4 Sラインでは、その残存価値はわずか38%とされており、こうした点も見逃すわけにはいかないだろう。

プジョー508 1.6 ピュアテック 180 GTラインのスペック

■価格 3万1200ポンド(467万円)
■全長×全幅×全高 –
■最高速度 230km/h
0-100km/h加速 7.9秒
■燃費 18.2km/ℓ
■CO2排出量 125g/km
■乾燥重量 1420kg
■パワートレイン 直列4気筒1598ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 180ps/5500rpm
■最大トルク 25.4kg-m/1650rpm
■ギアボックス 8速オートマティック

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