5ナンバーセダンを求めるユーザー向けに用意されたモデルも!
セダンの人気が低迷しているとはいえ、一部に熱心なセダンファンがいることで完全に消滅することはないジャンル。しかし、そこまで予算をかけることができないという事情もあり、コンパクトカーをベースとしたセダンというものが存在していた。
古くはトヨタ・ターセル/コルサや、日産パルサー、三菱ミラージュなど、ハッチバックとセダン両方のボディタイプを持つ車種も多く存在していたが、なかには無理やりセダン化したかのようなルックスのセダンも存在していたのだ。
今回はそんな無理やり感の強いコンパクトセダンを振り返ってみよう。
1)ホンダ・フィットアリア
初代フィットをベースとしたコンパクトセダンであるフィットアリアは、2002年に登場したモデル。当時、シビックが大型化したこともあって5ナンバーセダンを求めるユーザーに向けてリリースしたモデルだった。
フィットという名前がついてはいるが、もともとは東南アジア地域向けにリリースされていた現地名シティ(通算4代目)がもととなっており、タイから輸入されていたもの。そのため、フロントマスクもフィットよりも幾分落ち着いた雰囲気となっていた。
2014年には同じく東南アジア向けのシティ(6代目)をベースとしたグレイスが登場したが、こちらも2020年に生産を終了している。
安価なコンパクトセダンも存在していた!
2)トヨタ・プラッツ
それまでのターセル/コルサのセダンの実質的な後継車種として1999年にデビューしたプラッツは、ご存じのとおり初代ヴィッツをベースとしたコンパクトセダンだった。
フロントマスクこそヴィッツとは異なるテイストが与えられていたが、左右ドアはヴィッツと同じものを使用しており、その結果かなりリヤ上がりのデザインとなってしまっている。
ターセル/コルサ時代には存在しなかった1リッター仕様もラインアップされたことで、安価なコンパクトセダンとしてビジネスカーとしての需要はあったものの、ベースとなったヴィッツや、同じく派生車種であるファンカーゴに比べると地味な印象は拭えなかった。
3)スズキSX4セダン
2006年にスズキとフィアットの共同開発で誕生したSX4(フィアット版はセディチ)は、通常の5ドアハッチバックのほか、SUVスタイルを持ったバージョンも用意され、コンパクトクロスオーバーSUVのはしりとも言えるモデルだった。
そんなSX4デビューの1年後となる2007年に追加されたSX4セダンは、アクティブなハッチバックモデルに比べると非常に地味な印象で、年輩ユーザーをターゲットにしていることが一目でわかるもの。搭載エンジンもハッチバックに用意されていた2リッターはなく、1.5リッターのみとなっていた。
結局、SX4セダンは人気車種になることは叶わず、多くが警察車両として納入されることになってしまった。
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そこに来ると、ベルタやグレイスはホイールベースをベースモデルから引き延ばしていたから、結構スタイリング的にはまとまっていたと思う