現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「排気音を変える」だけが目的じゃない! 最近のスポーツモデルがマフラー出口部に「蓋」を付けるワケ

ここから本文です

「排気音を変える」だけが目的じゃない! 最近のスポーツモデルがマフラー出口部に「蓋」を付けるワケ

掲載 20
「排気音を変える」だけが目的じゃない! 最近のスポーツモデルがマフラー出口部に「蓋」を付けるワケ

 この記事をまとめると

■最近新車で販売されているスポーツモデルのマフラーにはバルブが備わっていることが多い

クルマ好きには「サイコー!」だけど普通の人は「うるさっ!」 スーパーカーの排気音はめちゃめちゃ大きく感じるけどなぜ車検に通る?

■モードを切り替えて開け閉めすることで排気音のボリュームを調整することができる

■パフォーマンスを追求する上では常に全開がいいと思われがちだが、必ずしもそうではない

 スポーツカーの純正マフラーにつくバルブの役割

 世界の自動車は電動化に進んでいるといっても、「やっぱりエンジンが好き」という人は多い。その理由として、エンジンの鼓動を感じることも挙げられるが、やはりエンジンサウンドが魅力の中心。そして、その主役といえばエキゾーストノート(排気音)だろう。アバルトやBMWなどは、電気自動車にもかかわらず疑似エンジンサウンドをスピーカーから流していたりするほどだ。

 一方で、エンジン車については騒音規制が厳しくなるトレンドが続いていることから、いつでも存分にエキゾーストノートを楽しむわけにはいかない状況になっていたりもする。そこで、昨今のスポーツカーでは、「排気系に可変バルブを設ける」という対応策が取られていることが増えている。

 たとえば、2016年に発売開始となったホンダのスーパーカー「NSX」には、「アクティブ・エキゾーストバルブシステム」が採用されていた。その制御は以下のようなイメージだった。

●QUIETモード

 実質的なEV走行モード。アクティブ・エキゾーストバルブを閉じることで排気をサイレンサーに誘導、音量を抑えた排気音を実現

●SPORTモード

 アクティブ・エキゾーストバルブを閉じた状態で発進し加速に応じて開きます。サイレンサーを回避する排気流量を徐々に増やすことで、リニアな排気音を演出

●SPORT+/TRACKモード

 アクティブ・エキゾーストバルブを開き、計4本のエキゾーストパイプすべてを用いて最大流量を排気します。エンジン性能を引き出し、スポーティな走行にふさわしいサウンドを奏でる

 同様のシステムは、現行のホンダ・ラインアップにおけるスポーツフラッグシップ「シビックタイプR」にも採用されている。こちらは、排気をストレートに抜くメインパイプにバルブが設けられ、全閉・中間・全開と3ステップで切り替えることで、ジェントルな排気音と、サーキット走行などで求められる排気流量を両立するシステムとなっている。

 ホンダといえばバイクも製造しているメーカーだが、同等のシステムはスーパースポーツと呼ばれる高性能モーターサイクルにも採用される。

 バイクのスポーツフラッグシップである「CBR1000RR-R FIREBLADE」では、通常はバルブを全閉することで膨張式構造のサイレンサー側に排気を導きつつ、速度やエンジン回転などの条件を満たした際にバルブを開くことでストレート構造のサイレンサーをメインで使うようになる。

※右の太いパイプがパフォーマンスを出す側の排気系

 ご存じのようにストレート構造のほうが排気の流れがスムースで、なおかつパイプを太くして流量を稼いでいるので、エンジン性能を引き出すのに向いているというわけだ。

 マフラーのバルブが担う仕事は音量調整だけじゃない

 マフラーに可変バルブを仕込み、排気の通り道を変えるということは、「メインで使うサイレンサーを変える」ことと「排気流量を変える(増やす)」というふたつの効果を狙うことができる。

 前者は排気音のコントロールに利用でき、後者はパフォーマンスの変化につながる。ここで注意してほしいのは、排気流量を上げるほうにバルブを切り替えると、全域でパフォーマンスアップするわけではない……ということだ。

 一般に、排気系を絞って流量を減らすと低回転域でのトルクが稼ぎやすくなる。具体的には、マニュアルトランスミッションの場合は発進時のクラッチ操作が容易になる。「排気バルブを全開状態で固定したほうが高性能になる」と思って、そうした加工をすると発進しづらくなったり、街乗りでギクシャクしたりすることもある。

 いずれにしても、現在の規制においてスーパースポーツと呼ばれるクルマが騒音とハイパフォーマンスを両立するには、排気バルブの切り替え機能は必須といえる。

 排気バルブを閉じるという制御は、騒音を低減するだけでなく、低速トルクを増す効果もある。エキゾーストノートを楽しみたいばかりに全開状態で固定したいオーナー心理もわかるが、全域で性能を楽しみたいのであれば、純正の制御を活かしておくのが賢明だ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
ベストカーWeb
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
WEB CARTOP
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
AUTOSPORT web
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
レスポンス
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
乗りものニュース
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
ベストカーWeb
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
motorsport.com 日本版
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
くるまのニュース
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
AUTOSPORT web
ダイハツが新型「軽SUV」発表! 打倒「ジムニー!?」な“5ドア”モデル登場! タフすぎる「ゴツ顔×カクカクボディ」採用した“新型タフト”138万円から発売!
ダイハツが新型「軽SUV」発表! 打倒「ジムニー!?」な“5ドア”モデル登場! タフすぎる「ゴツ顔×カクカクボディ」採用した“新型タフト”138万円から発売!
くるまのニュース
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
バイクのニュース
ゼンリン、パナソニックのカーナビ「Strada」向け最新地図データ発売へ…12月2日
ゼンリン、パナソニックのカーナビ「Strada」向け最新地図データ発売へ…12月2日
レスポンス
下取り額爆上がり? アルヴェルのドアの速さまで変えられるトヨタの[KINTO FACTORY(キントファクトリー)]がすごい!
下取り額爆上がり? アルヴェルのドアの速さまで変えられるトヨタの[KINTO FACTORY(キントファクトリー)]がすごい!
ベストカーWeb
チャンピオン争いで明暗を分けた要因と変化がもたらす2025シーズンへの期待/MotoGPの御意見番に聞くソリダリティGP
チャンピオン争いで明暗を分けた要因と変化がもたらす2025シーズンへの期待/MotoGPの御意見番に聞くソリダリティGP
AUTOSPORT web
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
motorsport.com 日本版
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
レスポンス
6速MTあり! 日産が「“新”フェアレディZ」を発表! GT-Rの「湾岸ブルー」と「“伝説”のパープル」設定! “改良型”登場も「また抽選」? 受注再開で販売店にも反響
6速MTあり! 日産が「“新”フェアレディZ」を発表! GT-Rの「湾岸ブルー」と「“伝説”のパープル」設定! “改良型”登場も「また抽選」? 受注再開で販売店にも反響
くるまのニュース
ダイハツ SUVタイプのタフトの一部仕様変更して発売
ダイハツ SUVタイプのタフトの一部仕様変更して発売
Auto Prove

みんなのコメント

20件
  • ran********
    低回転時には抜けすぎるのもよくないからね。
  • odd********
    どんどんカッコ悪くなってくなぁ
    換えたって静かな音色だし
    つまらねえ時代だ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索
NSXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村