現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新型レヴォーグもインプレッサも電動化せず! エンジン主流にスバリストは喜ぶがスバルの未来は大丈夫か?

ここから本文です

新型レヴォーグもインプレッサも電動化せず! エンジン主流にスバリストは喜ぶがスバルの未来は大丈夫か?

掲載 更新 53
新型レヴォーグもインプレッサも電動化せず! エンジン主流にスバリストは喜ぶがスバルの未来は大丈夫か?

 スバル全体の売上の7割はアメリカ市場向け

 SUBARUから、電動化の動きは限定的にしか聞こえてこない。国内向けの次期レヴォーグも、ガソリンエンジン車が中心になるようだ。世界的に電動化の動きがあるなかで、ガソリンエンジンにこだわるスバルは、この先をどのように見ているのだろう。

話題沸騰の「e-POWER」のパワーでバカ売れする日産ノート&セレナに潜む弱点

 今年4~6月の決算報告を見ると、新型コロナウイルスの影響があるのはもちろんとして、国内外でのスバル車の販売状況は、米国が主力であることが改めて浮き彫りになる。米国での販売台数は、全体の73%近くを占める。それに対し国内は軽自動車を含めても約14%、欧州は2.2%でしかない。中国も約4.5%といったところだ。

 これに対し、電動化を厳しく規制しているのは、米国ではカリフォルニア州のZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)であり、カリフォルニア州に追従してほかの9州で実施される方向ではあるが、米国50州全土の規制ではない。欧州は来年から二酸化炭素(CO2)排出量規制が強化され、中国ではNEV(ニュー・エナジー・ヴィークル)規制が施行されている。

 欧州のCO2規制は来年から強化されるので、欧州の自動車メーカーは電動化を急ぐが、SUBARUにとっては2.2%しか売れていないのなら、クレジットと呼ばれる反則金を支払うことで済ませたほうが安上がりかもしれない。2000年以降、欧州でディーゼルターボエンジンが人気を呼び、SUBARUも独自に水平対向のディーゼルターボエンジンを開発したが、結局販売台数が限られるので現在はディーゼルエンジンから撤退している。電動化で、その二の舞を踏みたくないということだろう。

 中国では欧州の約2倍の台数を売っているが、それでも米国の4.5%でしかないのなら、そのために電動化への投資をしないほうが無難ということだろう。こちらも、クレジットを支払うほうが安上がりかもしれない。

 日本は、燃費基準の達成に奨励策はあるが、罰金はないので、無理をする必要はない。なおかつ、マンションなど集合住宅の管理組合問題があり、駐車場に普通充電設備を設置できない状況が過去10年間解消されずにいる。そこに無理に電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を導入しても、苦労するだけという判断だろう。

 カリフォルニア州のZEVについても、全米での販売の1割ほどでしかないようなので、トヨタと協力してPHEVを準備できればクレジットの負担を軽減できるし、世界的な収支を見れば、ガソリンエンジンだけで乗り切ったほうが得策という算盤が働いているのだと思う。

 電動化は今後の自動車開発の肝になっていく

 企業経営から見れば、正しいかもしれない。だが、この先、スバルを選ぶ理由がどこにあるかといえば、見通せないところもある。一般的な消費者にとって、水平対向エンジンである意味はほぼないといっていい。アイサイトにしても、他メーカーの運転支援機能が進歩を続けることにより、その差が見えにくかったり、感じにくかったりするだろう。しかも、自動運転を目指してはおらず、安全対策の延長として自動運転も可能という開発姿勢なので、自動運転が実現したら社会がどう変わるかという視点はない。

 消費者の目線からすれば、電動化することで日産にプロパイロット2.0のようなハンズオフ走行が可能になったり、HVでありながらワンペダル運転ができたりするe-POWERドライブが、楽であったり快適であったりしてよいと思うのではないか。運転の喜びは、単に速度を出したり、性能の限界で走らせたりすることだけではない。

 なおかつ電動化は環境対応だけでなく、静粛性を含めた乗り心地の向上や、移動を楽に、安全にこなせる性能向上にも効果を持つ。そうした総合力が高まることが、消費者の願いであり、そのメーカーを選ぶ理由になっていくだろう。

 時代は環境が表看板となっているが、電動化の裏にはクルマの総合性能をエンジン車より高める多様な素質が隠されている。そこに、消費者も気づくだろう。そのとき、スバルを選ぶ理由が残っているかどうかはわからない。

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

最近のミニバンの「顔」、ちょっと威圧的じゃないですか? その理由を考えてみました
最近のミニバンの「顔」、ちょっと威圧的じゃないですか? その理由を考えてみました
Merkmal
カワサキ「Z900」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
カワサキ「Z900」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
フラットスペースは広く取りたい! でも機能面も妥協したくない! そんな人にオススメな日産キャラバンがベースのキャンパー
フラットスペースは広く取りたい! でも機能面も妥協したくない! そんな人にオススメな日産キャラバンがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
高速道路の渋滞 流れが速いのは追い越し車線ではなく、むしろ走行車線
高速道路の渋滞 流れが速いのは追い越し車線ではなく、むしろ走行車線
ベストカーWeb
新車シビックがスーパーGT無双か!? 第2戦富士は17号車アステモが好発進!! GT500シビックのポテンシャルがスゴイ
新車シビックがスーパーGT無双か!? 第2戦富士は17号車アステモが好発進!! GT500シビックのポテンシャルがスゴイ
ベストカーWeb
レース終盤に突然荒れ出したGT500クラス決勝。トラブル、ハプニングまとめ/第2戦富士
レース終盤に突然荒れ出したGT500クラス決勝。トラブル、ハプニングまとめ/第2戦富士
AUTOSPORT web
小暮卓史「ホッとしています」。元嶋佑弥「タイヤがプッシュに応えてくれた」【第2戦GT300決勝会見】
小暮卓史「ホッとしています」。元嶋佑弥「タイヤがプッシュに応えてくれた」【第2戦GT300決勝会見】
AUTOSPORT web
うおおお魂動デザインのピックアップ! トライトンがありならマツダBT-50も入れてくれ!
うおおお魂動デザインのピックアップ! トライトンがありならマツダBT-50も入れてくれ!
ベストカーWeb
高星明誠「これで満足しない」。三宅淳詞「流れを崩さず準備していきたい」【第2戦GT500決勝会見】
高星明誠「これで満足しない」。三宅淳詞「流れを崩さず準備していきたい」【第2戦GT500決勝会見】
AUTOSPORT web
ベントレー・ベンテイガ 詳細データテスト 上質で広い 動力性能も操縦性もハイレベル 文句なく快適
ベントレー・ベンテイガ 詳細データテスト 上質で広い 動力性能も操縦性もハイレベル 文句なく快適
AUTOCAR JAPAN
初開催「RALLY三河湾2024」は大苦戦! それでも完走できたのは「OZホイール」のおかげでした【ゴスラリ参戦記】
初開催「RALLY三河湾2024」は大苦戦! それでも完走できたのは「OZホイール」のおかげでした【ゴスラリ参戦記】
Auto Messe Web
ニスモが1-2で富士を制圧。Niterra MOTUL Zの三宅淳詞がデビュー2戦目で初優勝【第2戦GT500決勝レポート】
ニスモが1-2で富士を制圧。Niterra MOTUL Zの三宅淳詞がデビュー2戦目で初優勝【第2戦GT500決勝レポート】
AUTOSPORT web
逆襲のヨコハマがワン・ツー。JLOCランボルギーニが独走ポール・トゥ・ウイン【第2戦GT300決勝レポート】
逆襲のヨコハマがワン・ツー。JLOCランボルギーニが独走ポール・トゥ・ウイン【第2戦GT300決勝レポート】
AUTOSPORT web
前年比10パーセント増。ゴールデンウイークの富士スピードウェイ、スーパーGT第2戦に8万8000人が来場
前年比10パーセント増。ゴールデンウイークの富士スピードウェイ、スーパーGT第2戦に8万8000人が来場
AUTOSPORT web
オススメできない理由がない! 新型フォルクスワーゲン・ティグアンへ試乗 アウディに見劣りしない車内
オススメできない理由がない! 新型フォルクスワーゲン・ティグアンへ試乗 アウディに見劣りしない車内
AUTOCAR JAPAN
「プロテクションフィルム」を貼ると査定は下がる!? プロショップに聞く最新フィルム事情とは
「プロテクションフィルム」を貼ると査定は下がる!? プロショップに聞く最新フィルム事情とは
Auto Messe Web
【正式結果】2024年スーパーGT第2戦富士 決勝3時間後
【正式結果】2024年スーパーGT第2戦富士 決勝3時間後
AUTOSPORT web
アルピーヌF1、予選Q2ダブル進出。ガスリーが進歩実感の一方でオコンにエンジントラブル発生「決勝は大丈夫なはず」
アルピーヌF1、予選Q2ダブル進出。ガスリーが進歩実感の一方でオコンにエンジントラブル発生「決勝は大丈夫なはず」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

53件
  • ハイブリッドやEVが必要ならトヨタから供給してもらえばいいではないか?今ではトヨタはスバルの筆頭株主なんだろ?
  • これネガキャンだね。

    だってアメリカではクロストレック(XV)のPHVは
    一昨年にとっくにお披露目してあるのに
    そこに触れておらず、スバルはまるで何もやって
    いないように見せ掛けたとても悪質な記事。

    だから言おう、これは日産からプロパイロットを
    持ち上げてもらうように頼まれた記事だろ。
    だって直3エンジンと組み合わせたe-POWERなんか
    スバルユーザーが関心を持つ訳ないだろ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村