WRC世界ラリー選手権第13戦オーストラリアは11月15日、SS1~8が行われ、マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)が総合首位につけた。チャンピオンを争う3名のなかではオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合5番手でトップ。セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が総合7番手、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合10番手で続いている。
■Mスポーツ・フォード
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/デイ1総合7番手
WRCオーストラリア:タイトル争うオジエ、ヌービル、タナクは苦戦。連勝に向けシトロエンが首位発進
「僕たちにとってはすべてのSSがパワーステージのように感じられる1日だった。ここで”掃除役”を務めることは本当に大変で、どのSSでも激しくプッシュし続けなければならなかった。優勝争いができるポジションに入っていないときは、いつだって少し苛立つものだけど、それが現実だ」
「それでもライバルたちと違ってミスを犯すことはなかったから、今週末、一番の目的であるチャンピオン獲得に向けては、いいポジションにいる。午後、(僕たちの)競技2日目の走行順が良くなるように手助けしてくれたチームメイトたちにも感謝しているよ」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/デイ1総合8番手
「今日のSSではクリーンで着実なドライビングをすることに注力していた。本当に接戦だったから、最後のグラベルステージ前までは、僕たちも総合首位から、さほど離れずいい仕事ができていたと思う」
「だけど、WRCは個人戦であると同時にチーム戦でもある。僕たちは週末に向けてセブ(セバスチャン・オジエ)に最良のポジションを与える役割も担わなければならなかった。誰もがライバルで、みんな戦いたがっているけれど、同時にチームのために働くためにここにいる。そのことを尊重しなければならない」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)/デイ1総合9番手
「いい1日だったと思う。ペースが良くて、2度目の走行では大幅に改善することができた。午後の中間ステージ(SS5)ではステージ優勝したドライバーのタイムとたった0.1秒差だったからね」
「次のステージでは、セブ(セバスチャン・オジエ)にポジションを譲らなくてはならなかったけど、それもゲームの一部だ。彼はチャンピオンシップを争っているのだから、僕たちは彼を手助けする役目を果たさなければならない」
■ヒュンダイ・モータースポーツ
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ1総合23番手
「今日起きたことは、僕たちの今シーズンを象徴するようなものだった」
「(SS3にある)丘へアプローチしていたらマーシャルがスピードを落とすようにジェスチャーしていた。アンダース(イエーガー)も止まるように言ってきたからすぐに速度を落としたよ」
「そうしたら(丘を越えた)シケインの先をトラクターが走っているのが見えた。走行は続けたけど頭の中はトラクターのことでいっぱいになってしまい、ペースノートを聞き取る余裕がなくなった。だから、コースオフしてしまったんだ」
「がっかりしているし、怒りを覚えるね。僕にとってもチームにとっても重要な1戦が、トラクターのせいで台無しになったんだ。二度と同じことが起きないようにしてもらいたい」
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ1総合10番手
「起きたことがなんであれ、希望を失ってはいけない。まだ初日だし、タイトル獲得のチャンスが減ったとはいえ、これからの2日間で何が起きるかは分からないからね」
「走行はとても順調だった。午前中は出走順が2番手だったにも関わらず、掃除役は大変だった。僕たちの目標はセバスチャン(オジエ)の前にいることで、そうすることができていた」
「午後の(SS5での)ステージ優勝はよかったが、その後SS6では長い右カーブにいくつかコブがあり、ジャンプして着地したらタイヤがリムから外れてしまった。それで多くのタイムをロスした。走行を続けて、日曜日に僕たちがどのポジションにつけられるかだね」
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ1総合4番手
「今日は順調かつ着実に進み、先頭集団に近いところで戦うことができた。すべてのステージでマシンの感触はとても良かった」
「ただ自然なリズムを取り戻そうとしていた。どのようにプッシュするかを学び、自信を深めていった。僕たちのアプローチは正しかったよ」
「午後の走行の途中では、タイヤがリムから外れるという問題が起きた。シャーウッドでの2度目の走行(SS6)では中古のソフトタイヤを使わなければならなかったんだ。あれ以上のタイムをロスしなかったことに驚いたよ」
「僕たちはもっと速く走れるし、チームのためにもプッシュを続けなければならない。それ以外に道はないんだ」
■シトロエン・レーシング
●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)/デイ1総合2番手
「最初のステージでの走行はペースを出せない時もあったが、それ以外の午前中ステージは良い走りができたよ。1日を通して良いペースが出せた。それは僕たちが最長ステージ(SS6)で優勝したことからも分かるだろう」
「重要なのは、これで明日の出走順位が有利になったことだ。またコースに出るのが待ちきれないよ。2日目はこの週末でも最高の日になりそうだからね!」
●マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)/デイ1総合首位
「ウェールズ(ラリーGB)以来マシンを走らせていなかったから、慣れるのに時間が必要だと思っていたけれど、すぐ走行に自信を持つことができた。(マシンの)挙動を徐々に確認し、ステージごとに自分の走行を調整していった」
「最後には本当に楽しめたよ。すべてのリスクを犯すことなしに、プッシュできたのは確かだよ。僕たちは先頭集団のトップにいるし、そこに留まることに決めているんだ」
■トヨタ
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ1総合3番手
「おおむね良い1日でした。午前中はミスをしてしまい少しタイムをロスしたけど、午後は安定した走行ができたから非常に満足している」
「森林地帯でのグラベルステージをクリーンに走れたことは、きっと重要な意味を持つことになるだろう。スーパーSSではハードタイヤを装着していたため充分な駆動力が得られず、少しタイムを失った」
「しかし、依然トップとの差は小さいから明日も頑張るよ」
●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ1総合5番手
「午前中のステージは良好で、良いリズムで走れた。ただし、午後はいくつかミスをしてしまい満足できない結果となったよ」とタナク。
「午後の最初のステージではゲートに当たり、サスペンションに少しダメージを負った。その次のステージでは大きなウォータースプラッシュでフロントバンパーが壊れ、通常より空力性能が低下したことで運転がかなり難しくなったよ」
「しかし自分のベストを尽くしたし、まだタイトル争いは続いている。不可能はないと思う」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ1総合6番手
「午前中はすべてがうまく行き、とてもスムーズだった。出走順が非常に早かったから、もっとタイムロスすると思っていたけど、そうはならず本当に驚いたよ」
「ただし、残念ながら午後のウォータースプラッシュで我々の1日は台無しになってしまった。午前中の1回目の走行時と同じようにアプローチしたつもりだったけど、多くのタイムを失ってしまった」
「それでも、走り続けられたのは良かったと思っている。1日を通してドライビングが楽しく感じられ、クルマの調子も良いから明日がとても楽しみだ」
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