1月11日、W2RC世界ラリーレイド選手権の開幕ラウンドとして行われている『第46回ダカールラリー2024』は競技6日目に突入。今大会の山場であるマラソンステージでドラマが起きた。
大会半ばに設定されたステージ6は、この2024年大会で初めて実施されることとなった“48時間クロノ”と呼ばれるもので、その名のとおり11日から12日まで二日間かけて争われるステージだ。四輪部門は直前の3日間総合首位が不変だったが、ここにきて動きがあった。
王者アル-アティヤ、今大会初優勝で反撃の狼煙。5日目もアル・ラジが総合首位を堅持【ダカールラリー】
ステージ3の終了時から首位を守ってきた、オーバードライブ・レーシングのヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)が、エンプティ・クォーターに設定された全長549kmのステージの最序盤である51km地点でストップ。砂丘でバレルロールをともなうクラッシュを喫したサウジアラビア人ドライバーは、クルマの損傷が激しいことからステージを去ることとなってしまった。ロールケージに損傷がなければステージ7以降の復帰は可能だが、彼の悲願である初優勝への希望はここで霧散した。
アル・ラジに代わって総合首位に立ったのは、398km地点で暫定ながら全体トップタイムを記録しているチーム・アウディスポーツのカルロス・サインツSr.(アウディRS Q e-tron E2)だ。4分半の差で食らいつくマティアス・エクストローム(アウディRS Q e-tron E2)とともに好走を続ける61歳の“エル・マタドール”は、総合タイムではチームメイトに16分近くの差をつけている。
一方、先頭スタートのため世界最大級の砂漠のなかで道を切り開いていく必要がある“現王者”のナッサー・アル-アティヤ(プロドライブ・ハンター)は、サインツやステージ暫定3番手タイムを記録しているセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)らよりも先に進み、6つめのビバークに到達した。このポイントに到着したのはアル-アティヤとエクストローム、そしてゲラン・シシェリ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)の3組のみだ。なお、アル-アティヤのステージタイムは暫定ながらサインツから約24分遅れている。
このステージ6では、ダカールラリー通算14勝を誇るステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron E2)も大きく遅れを取っている。彼はタイヤのパンクに起因する油圧システムのトラブルに見舞われ、パワーステアリングも失っている状態であり「どのように切り抜ければいいか分からない」と語った。
11日(木)16時に走行が切り上げられた後、チームメカニックではなくクルー自らの手で整備されたマシンは12日(金)の朝8時から走行を再開し、各々のビバークからフィニッシュポイントを目指していく。
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