現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 34】三菱 ギャランGTO MR(昭和45年:1970年)

ここから本文です

【昭和の名車 34】三菱 ギャランGTO MR(昭和45年:1970年)

掲載 更新
【昭和の名車 34】三菱 ギャランGTO MR(昭和45年:1970年)

昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。ここでは1970年発売の三菱 ギャランGTO MRを解説。

ダックテールのクーペがギャランのイメージを変えた
三菱 ギャランGTO MR:昭和45年(1970年)12月発売
ウエッジシェイプを基調としたシャープなスタイリングで1969年(昭和44年)12月から登場したコルト・ギャランシリーズは、「従来のドロくさい三菱車のイメージを一変させた軽快なセダン」として好評を博したが、そのギャラン人気に拍車をかけたのがほぼ1年後の1970年10月に発表され、11月から発売されたスペシャリティカー、ギャランGTOシリーズであった。

運転免許証番号、12桁の意味。最後の一桁であれがわかっちゃう!

ファストバックにダックテールのこのヒップアップクーペは、69年10月の東京モーターショーに出品された「ギャランGTX-1」の市販化モデルで、車名もギャランGTOと改めての颯爽としたデビューとなった。

GTOシリーズはセダンの1300(AI)/1500(AII)に対して、4G32型の1600ccエンジンを搭載。シングルキャブのMIにSUツインキャブのMII、そしてDOHCを載せ、1ヵ月遅れで登場したトップグレードが、このMRである。

MRはテールをわずかにはね上げたダックテールのリアスタイルや、ボンネット上のダミーの2個のエアスクープ、サイドのストライプテープなどが目立つ精悍なクーペボディに、4気筒DOHC、1597cc、125psの4G32型サターンエンジンを搭載する。

三菱の乗用車では最初となったこのDOHCは、コルト・フォーミュラIIに載せていた4気筒、16バルブDOHC、1598cc、フュエルインジェクション装備で240psのR39型エンジンを一般市販車用にデチューンしたものと言われたが、その中味はまったく別物だった。

MRのサスペンションはフロントがストラット、リアはリーフリジッドで、マスターバックとPCV装着のブレーキ(フロントはディスク)を採用した。

タイヤは165SR13のラジアル。ギアボックスは5速MTのみで、最高速度は200km/h、0→400m加速の16.3秒というスペックは「フォーミュラカーの伝説が生んだマニア向きのホットマシン」のコピーに恥じない強烈さであった。

8連メーターにオーバーヘッドコンソールを装備するドライバーズシートまわりは、航空機の操縦席に似ているところから「フライトコクピット」と呼ばれて、黒で統一された車室内ともども、スポーツムードは満点である。定員は一応5人乗りだが、リアシートはゆったりしているとはいえず、実質的には2プラス2 となっている。

GTOのMIはシングルキャブで100ps、MIIはSUツインキャブで110psの4G32型SOHCエンジンを搭載したが、こちらもかなりの実力派で最高速もMIで170km/h、MIIでは180km/hをマークし、ポテンシャルの高さを示した。

そしてこのMI、MIIは1972年2月、排気量を100ccアップした1686ccの4G35型に換装して17Xシリーズに進化。呼称もMIはXIと改められてシングルキャブで105ps、MIIもXIIとなり、こちらはツインキャブで115psとなった。ただしMRは1600DOHC、125psの4G32型のままであった。

排出ガス規制対策のための1600から1700へのスケールアップではあったが、トップグレードのDOHCのMRだけが1600で残されるというアンバランスな構成は、GTOだけでなく、ギャランシリーズの“イメージリーダー”的な存在であった人気モデル、MRのイメージをいささか損なう感じがしたことは否めない。

1973年1月、GTOシリーズは再び排気量アップがはかられ、4G52型の2Lエンジンに換装されて、1600 DOHCのMRはついにラインアップから消える。GTO MRの市販期間はわずか2年2カ月で、累計販売台数は約850台である。スペシャリティカーゆえの高価格設定が、販売台数が伸び悩んだ一因であったようだ。

昭和の名車のバックナンバー

ギャランGTO MR 主要諸元
●全長×全幅×全高:4125×1580×1310mm
●ホイールベース:2420mm
●重量:980kg
●エンジン型式・種類:4G32型・直4 DOHC
●排気量:1597cc
●最高出力:125ps/6800rpm
●最大トルク:14.5kgm/5000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:165SR13
●価格:112万5000円

[ アルバム : ギャランGTO はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

[300馬力超]爆速の軽自動車が誕生!! マツダの軽「シャンテ」にロータリー搭載が最高だった
[300馬力超]爆速の軽自動車が誕生!! マツダの軽「シャンテ」にロータリー搭載が最高だった
ベストカーWeb
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】
イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
佐藤凛太郎インタビュー:「父と同じ道を進みたい」琢磨の息子がPONOS RACINGからFIA-F4デビュー
佐藤凛太郎インタビュー:「父と同じ道を進みたい」琢磨の息子がPONOS RACINGからFIA-F4デビュー
AUTOSPORT web
小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的
小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的
AUTOCAR JAPAN
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
Auto Messe Web
アロンソのペナルティに関する再審査請求をスチュワードが却下。アストンマーティンF1の新証拠には重要性が認められず
アロンソのペナルティに関する再審査請求をスチュワードが却下。アストンマーティンF1の新証拠には重要性が認められず
AUTOSPORT web
6.5リッターV12搭載のフェラーリ新型モデル『12チリンドリ』登場。スパイダーも同時デビュー
6.5リッターV12搭載のフェラーリ新型モデル『12チリンドリ』登場。スパイダーも同時デビュー
AUTOSPORT web
BMWガルミッシュ(1) 巨匠ガンディーニによる先取り3シリーズ 同意を得ず「密かに」製作!
BMWガルミッシュ(1) 巨匠ガンディーニによる先取り3シリーズ 同意を得ず「密かに」製作!
AUTOCAR JAPAN
ベースは極上2002 クーペ BMWガルミッシュ(2) 現代のカロッツエリアが見事に再現
ベースは極上2002 クーペ BMWガルミッシュ(2) 現代のカロッツエリアが見事に再現
AUTOCAR JAPAN
充電環境もプレミアムブランドにふさわしく
充電環境もプレミアムブランドにふさわしく
グーネット
ルクレール予選2番手「マシンは良い状態で、大きな修正は必要なかった。明日は優勝を狙う」フェラーリ/F1第6戦
ルクレール予選2番手「マシンは良い状態で、大きな修正は必要なかった。明日は優勝を狙う」フェラーリ/F1第6戦
AUTOSPORT web
GW明けだけど渋滞あり! 中央道の東京区間で交通規制 NEXCO中日本が迂回呼び掛け
GW明けだけど渋滞あり! 中央道の東京区間で交通規制 NEXCO中日本が迂回呼び掛け
乗りものニュース
「信号待ち」はフットブレーキを踏む? それともギアを「Pレンジ」に入れる? どっちがクルマに優しく安全なのか
「信号待ち」はフットブレーキを踏む? それともギアを「Pレンジ」に入れる? どっちがクルマに優しく安全なのか
くるまのニュース
プラモ作りにデコチャリからデコトラ運転手という王道コース! 一時落ち着くもSNSを通じてデコトラ熱が再燃したアラフィフの日常
プラモ作りにデコチャリからデコトラ運転手という王道コース! 一時落ち着くもSNSを通じてデコトラ熱が再燃したアラフィフの日常
WEB CARTOP
“63”だからこそ得られる快感──新型メルセデスAMG GLE63 S 4MATIC+クーペ試乗記
“63”だからこそ得られる快感──新型メルセデスAMG GLE63 S 4MATIC+クーペ試乗記
GQ JAPAN
MotoGPの新レギュレーションが発表。2027年からエンジンが850cc化、エアロダイナミクスも規制強化
MotoGPの新レギュレーションが発表。2027年からエンジンが850cc化、エアロダイナミクスも規制強化
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

299.8432.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

77.0418.0万円

中古車を検索
GTOの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

299.8432.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

77.0418.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村