ついに動いた! バイクの高速道路料金が、期間限定で普通車の半額となることが正式発表された。長年、「割高」と言われ続けてきた二輪料金問題の解決に向けて、大きな一歩となりそう。
まだ方針の段階で詳細はこれから詰めていく段階だが、疑問も残る。例えば、「なぜ期間限定なのか」「なぜ100km限定なのか」「なぜ1年後なのか」etc……。担当する国土交通省道路局高速道路課に話を聞いてみた。
実はデメリットのほうが多い? なぜ高速道路のETC専用化を進めるのか
文/沼尾宏明、写真/市本行平
【画像ギャラリー】ネクスコ3社と国交省の発表した二輪車定率割引プランの概要はこちら
100km超&土日祝限定で2022年4月からスタート
現在、バイクの高速料金は、軽自動車と同じ区分で普通車の8割となっている。占有スペースや道路への負担が少ないにもかかわらず、四輪の軽と同じ額なのだから、長年ライダーから値下げを求める声は大きかった。
しかし、ようやく動きが。6月23日、国土交通省とNEXCO3社(東日本高速道路、中日本高速道路、西日本高速道路)が、ETC搭載のバイクを対象に、定率の料金割引を実施する方針を発表したのだ。内容は以下のとおりとなる。
【割引実施方針】
◎対象車両:ETC及びETC2.0を搭載した二輪車
◎対象期間:2022年4月~11月の土曜日、日曜日、祝日
◎対象道路:NEXCO社が管理する高速道路
◎申込方法:事前にインターネットで利用日を指定して申し込む
◎割引率:(一回の乗降で)100kmを超える走行を対象に37.5%
※割引内容については、今後の検討により変更される場合がある。
2021年1月6日にベストカーWebに掲載した「バイクの高速料金が普通車の半額に!? 2021年4月から新料金プラン実現に向け調整中」から半年、1年ズレでの実施が発表された
既存のシステムを使用するため、事前申請が必要
――その前に、なぜネットで事前申し込みが必要なのか。これは「ツーリングプラン」の仕組みを利用しているためだ。ツーリングプランとは、2017年7月から実施されてきた、バイク限定の周遊割引。事前登録したETC搭載バイクを対象に、一定のエリアが定額で乗り降りし放題となり、料金は最大で半額程度になるというもの。この仕組みを新たな割引制度に活用することで、コストを抑えている。
なお、ツーリングプランでは当日申し込みでもOK。新プランでも同様になると思われるが、やはり申し込みナシで割引された方が利用しやすいのは言うまでもない。
NEXCO3社が実施してきた「ツーリングプラン」。最大2日間または3日間、対象エリアの高速道路が定額で乗り降り自由となるプランだった。2021年のプランは6月25日現在、未発表だ
条件がたくさん付くのは効果的に観光を振興するため
国交省の回答を掲載していこう。まず、なぜ期間限定なのか。
「調査した結果、バイクの利用者が多い観光シーズンなのが理由。今回の割引制度は、二輪の利用促進のほか、観光振興も目的の一つになります。冬は利用者が減り、雪などで走行できないケースもあるため、対象期間外としました」とのこと。しかし、反響によっては今後「通年」とする可能性もあるそうだ。
「土日祝日限定」なのも同様に、「利用者が多いから」が理由。また、平日朝夕の通勤割引(平日6~9時、17~20時)とのバッティングを避ける意味合いもあると言う。
「走行100km超に適用」という条件に関しても、「観光振興が目的」のため。前述の通勤割引は「100km以内」が条件なので、またもこちらとの兼ね合いから距離が設定された。
とはいえ、100km圏内の近場にも観光地はたくさんある。例えば、都内から箱根に行った場合(東名高速・東京IC~御殿場IC)などメジャーなスポットでも100kmに満たないケースも。もう少し融通をきかせて欲しいものだ。
料金イメージ。「二輪車定率割引」は、平日の通勤割引(平日朝夕割引)と重複しないよう設定されている
「システムの改修に1年かかる」とNEXCO側が回答
現状から「37.5%」という割引率に関しては、「ツーリングプランや四輪など観光向けの周遊パスで、利用者が多い割引率から算出した」とのこと。
政務調査会に設立された「自民党二輪車問題対策プロジェクトチーム」(逢沢一郎座長)や、AJ(全国オートバイ協同組合連合会)ら業界団体は、長年「普通車の半額」を訴えており、もちろん、これを踏まえた数字でもあると言う。
現在、軽自動車は平均的に普通車の80%という割引率で、バイクも軽自動車と同じ料金設定となっている。この料金から37.5%を割引すれば、普通車のちょうど「半額」になる計算だ。
「開始時期が約1年後」になる理由については、「二輪車の定額割引は初めてなので、システムの準備や、ユーザーへの周知期間を考慮した結果」と話す。
それにしても「1年」は長すぎないだろうか? これに関しては、「国交省が判断したのではなく、NEXCO3社にシステム調整のための期間などを検討してもらった結果」という。既存のツーリングプランの仕組みを利用するのだから、せめて今年の夏休みには間に合わせて欲しかったところだが……。
二輪車の定率割引を実現するためには料金システムへの投資も必要で、そのためにも時間が必要となっているはずだ
ライダー長年の要望が「一応」叶ったが、ゴールはまだこれから
「日本全国いつでもどこでも普通車の半額」というゴールに向けて、ツーリングプランは最初の一歩だった。今回の新制度は、さらに大きく目標に向かって前進した格好。ライダーの筆者としては、様々な条件が正直気になるが、逢沢議員の語るように「一里塚」と考えれば納得できる。
ひとまずは詳細の発表を楽しみに待ちたい。
自民党二輪車問題対策PTの逢沢一郎座長。2020年末に取材した際、新プランについて「最終的に定率0.5を目指す一里塚にしたい」と語った。取材時は2021年4月からの実施を目指していた
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みんなのコメント
全く夢の話だったんだなぁ。
制限速度以外で走っているのに馬鹿だね