無法者ユーザーがカーシェアをディストピアに変える!?
レンタカーに代わるビジネスモデルとして急拡大中のカーシェアリングには課題も出て来ています。最近も、本来返却するべき駐車場にシェアリングカーが戻されていなかったために、次に予約していたユーザーが使えなかった…といったエピソードや、バンパーが半分落ちかけるほどの自損事故を起こしたのに、黙って返却場所に戻してそのままという無責任なユーザーのエピソードが話題になっていますね。
いずれも管理者が常駐しないというカーシェアリングの闇が開いた事例といえ、ある意味で“無責任に使えるレンタカー”だからこそ、こうした態度のユーザーが生まれてしまうとも言えるかもしれません。
海外で広まる信用スコアと、日本固有のお客様問題
本来、カーシェアリングを含めたシェアリング・エコノミーにおいては“無法者ユーザー”が排除される仕組みが必要なはずです。シェアリングというのは共有するという意味ですから、1人でも無法者ユーザーがいると成立しません。
では無法者ユーザーのいないシェアリング・エコノミーを実現するにはどうするかといえば、ユーザーひとり一人の“信用スコア”が必要になるでしょう。例えばUberも、低評価が続いたユーザーは結果的に排除される仕組みがあります。
その一方で、日本で拡大しているカーシェアリングは短時間単位の気軽なレンタカー的な位置づけであり、車両を他のユーザーと共有しているという意識が薄く、前述したような事例が発生しやすいともいえます。
また、自分のことを“お客様”だと捉えがちなのも日本的な問題で、ユーザーを差別することに強い反発が生まれる傾向があります。信用スコアが異なるユーザーであっても平等でなければいけないというわけです。
正直者が馬鹿を見るような仕組みは早晩限界を迎えるはず!
シェアリング・エコノミーにおいては信用スコアによってユーザーの利便性が変わり、スコアが高い人ほど有利な条件でサービスが利用できるようになるのは当然のこと。日本で本当の意味でフェアなシェアリング・エコノミーを広めていくには、やはり信用スコアをベースとした本質的な平等意識を持つことの重要性を、社会が認める必要があるでしょう。
いずれにせよ、現在の“正直者が馬鹿を見る”ような仕組みのシェアリングシステムは、早晩限界を迎え、「今のうちはフリーライド的に利用できるだろう」などと考えているユーザーは、いざ信用スコアのカウントが始まって自身のスコアを下げてしまったら、それを回復することは非常に困難になるのではないでしょうか。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
乗れる神経が羨ましい。
日本は全然マシなんだろうが、人間社会である以上率は低くとも無法者は確実に存在するので信用スコア制度はシステムに組み込むべきでしょう(任意採点じゃなく利用上評価は必須にすればいい)。