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ロシア出身グリアシンが高速ラトビアで3勝目。ブリーンもMRFタイヤと初表彰台に/ERC第2戦

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ロシア出身グリアシンが高速ラトビアで3勝目。ブリーンもMRFタイヤと初表彰台に/ERC第2戦

 7月1~3日の週末にラトビアで開催された、2021年のERCヨーロッパ・ラリー選手権第2戦ラリー・リエパヤは、2017年と2018年の同イベント覇者でもあるニコライ・グリアシン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が勝利を挙げ、同一イベント3勝目をマークした。同郷ロシアの先輩で、ディフェンディングチャンピオンのアレクセイ・ルカヤナク(シトロエンC3ラリー2)らを振り切り、高速グラベル(未舗装路)戦で“ハットトリック”を決めている。また、今季もチームMRFタイヤのエースとして開発を担うクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20 R5)が2位に入り、インド製タイヤにとって初のERCポディウム獲得となった。

 6月18~20日の開幕戦ラリー・ポーランドでは、レグ1早々に抜け出して今季最初のラリーリーダーとなったグリアシンだったが、5ステージ連続のSSベスト奪取というその速さが災いしたか、SS7で前輪2本のパンクとサスペンション破損のダメージを負い、無念のリタイアに追い込まれていた。

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 その雪辱を期して臨んだ今回のハイスピード・グラベル戦では、木曜の予選ステージこそ2番手に甘んじたものの、9つの丘とふたつの湖を抱えたタルシ周辺のステージで本格的に競技が始まると、SS1ではアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo/トクスポーツWRT)に対し1.9秒、SS2からはブリーンのヒュンダイに対して1.5秒、SS3で3.3秒、SS4で約1秒と、文字どおり“リベンジ”となる快走を披露。のちにSS3とSS4がキャンセルとなるが、SS5とSS6も連取したグリアシンが文句なしの首位でサービスへと帰還した。

「グリップに問題があったとしても、このポジションを維持できてうれしいよ」と、ロシア出身ながら他の多くの国際派ラリースト同様に、15歳でライセンス取得可能なここラトビアで腕を磨いてきたグリアシン。

「明日はもっと楽になると良いね。後ろにいた“彼ら”が前に来て、本当のスピードを見ることができるよう願っている」

 この発言はグラベル戦でもっとも重要な“出走順”を巡るもので、木曜の予選ステージで「意図的に」ポジションを落として21番手で終えていたブリーンを念頭に置いてのもの。そのコメントに反応した初日2番手のアイルランド出身ドライバーは「(グリアシンの発言に)完全に同意する」と語った。

「もちろん、今日の僕は(遅い出走順の)恩恵を享受したが、この方法は公平でもないし僕自身、好きな方法ではないよ。ただ明日は誰にとっても完全に公平な勝負になるだろうね」

■「終盤はリラックスしてドライブすることもできた」とグリアシン

 そんなふたりの背後には、2019年のERC3ジュニア王者でもあるエフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo/ラリー・チーム・スペイン)が続き、4番手にチャンピオンのルカヤナクと、上位4台に4車種が並ぶ初日となった。

 明けたレグ2も最初のSS7からベストを奪ったグリアシンがスパートを見せ、続くSS8で同郷ルカヤナクにトップタイムを譲ったあとも2連続でステージ優勝を奪ってみせる。この結果、この日は“直接対決”となった2番手ブリーンに対し17.3秒までギャップを拡大して、今回はトラブルとも無縁でラトビア戦3勝目を手にした。

「ポーランドでの残念な問題の後、こうしてようやく表彰台の最上位に戻ってくることができた」と、安堵の表情を見せた24歳のグリアシン。

「僕らは今日も良い仕事をしたし、何のトラブルも発生しなかった。終盤はタイムギャップのおかげで、リラックスして楽にドライブすることもできたよ。チームの全員が良い仕事をしてくれたし、ホームラリーに勝つことはいつだって最高の気分だ」

 そのグリアシンに続き2位表彰台に上がったブリーンが、チームMRFタイヤに初のERCポディウムフィニッシュをプレゼント。3位にはSS9のワイドランで側溝にマシンを落とし、ラジエーターにダメージを抱えながらもヤレーナを逆転した王者ルカヤナクが続く結果となった。

 また、初日SS2でスタートが遅れ1分のタイムペナルティを受けていたミケルセンは、この日最後の2ステージでベストタイムを刻み、8番手からトップ5に浮上してラリーを終えている。

 続くERC第2戦は今季初のターマック(舗装路)ラリーとなり、近年のシリーズでも人気イベントのひとつに成長した『ラリー・デ・ローマ・キャピタル』の開催を予定。闘技場コロッセオを臨むセレモニアルスタートから7月23~25日のスケジュールで争われる。

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