6月22日(金)から25日(日)にかけて、アフリカ大陸のケニアでWRC世界ラリー選手権第7戦『サファリ・ラリー・ケニア』が行われ、4台のトヨタGRヤリス・ラリー1でこのグラベル(未舗装路)ラリーに臨んだTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、優勝したセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組を筆頭にカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が上位を独占し2年連続となる1-2-3-4フィニッシュを達成した。トヨタの完勝に終わった今大会の後、TGR-WRTの豊田章男会長よりチームを称賛しメンバーに感謝を伝えるメッセージが贈られた。
昨年、TGR-WRTは1993年にセリカGT-FOUR(ST185)で達成して以来、29年ぶりとなるサファリ・ラリーでの1-2-3-4フィニッシュを成し遂げた。それから1年後、チームはこれを再現し2年連続でのトップ4独占を達成。同一のWRCイベントにおいて、同じマニュファクチャラーが1-2-3-4フィニッシュを3度実現させたのは、シリーズ史上初の出来事だ。
トヨタ完勝、サファリで2年連続1-2-3-4達成。オジエが僚友の追撃振り切り今季3勝目/WRCケニア
イベント終了後に発表された豊田会長のコメントでは、伝統のサファリ・ラリーでこの快挙を達成したTGR-WRTメンバー全員に向けた感謝の言葉が述べられるとともに、今回も結果として示された“もっといいクルマづくり”のさらなる努力を促すものとなっている。
26日(月)に公開されたTGR-WRT豊田会長のコメント全文は以下のとおりだ。
* * * * *
豊田章男(TGR-WRT会長)
サファリ・ラリー復活以来3年連続の優勝、そして2年連続での1-2-3-4フィニッシュという素晴らしい結果で、今年もサファリを走り切ることができました。8人のドライバー達と、メカニック、エンジニアをはじめとしたすべてのチームメンバーに感謝いたします。チームのみんな、ありがとう!
クルマにとって厳しい環境も多いアフリカでは他の地域と違い「無事に生きて帰って来れる」ということが、クルマには強く求められています。そんなアフリカで4台のGRヤリス・ラリー1ハイブリッドが無事に走り切り、TOYOTAの信頼性を示してくれたこと、本当に素晴らしいことだと思います。
ただ、実際のラリーを見ると、決してクルマの信頼性だけで実現された結果ではありません。ドライバーたちとメカニックたちの力が合わさって得られたものでした。優勝したセブは、金曜日にスペアタイヤ1本に減らして走るなど、リスクを取って勝ちにいく姿勢で走ってくれました。迎えるカッレも、そしてエルフィンも貴元も、セブに負けじとプッシュし、チーム全体で競い合うことで、みんなが全力を出しきってくれていたと思います。その結果、クルマが大きく傷んでサービスに戻ってくることもありました。
しかし、メカニックたちが、いつもどおりの確実な仕事で元通りに直し、クルマとドライバーをふたたびラリーに戻してくれていました。今回のサファリで示せた“クルマの信頼性”は、こうしたチーム全員の仕事の結果です。そして、我々は、この信頼性を勝利のためだけでなく、次は、市販車にも活かしていかないといけません。
TGR-WRTのみんなにはシーズン後半戦のさらなる勝利に向けた努力とともに、ベース車『GRヤリス』や開発中の『GRヤリス・ラリー2』などお客様にお届けする“もっといいクルマづくり”の仕事もお願いしたいと思います。シーズン後半も、みんなで“もっといいクルマづくり”をがんばっていきましょう!
追伸1 ユハ・カンクネンサンへ
ハイラックスMHEVコンセプトのデモランをしていただき、どうもありがとうございました。昨年は欧州ベルギーで水素エンジンを、今回のアフリカではHEVを運転していただきました。カーボンニュートラルの実現に向けては、その土地その土地の環境に合わせて、“いま出来ること”を“すぐにでも”やっていくことが大切だと考えています。アフリカの地で“いま出来ること”はHEVを増やすこと…そのことを少しでも多くの人に知ってもらいたいと思い、誰もが知るレジェンドドライバーのユハさんに乗っていただきました。サファリ・ラリーはユハさんが初めてWRCで優勝したラリーだったと思います。その時のトヨタ車(セリカ ツインカム ターボ)に比べたら、今回お乗りいただいたトヨタ車は遥かにパワーが足りなかったと思いますが、運転を楽しんでいただけましたでしょうか?
追伸2 豊田通商のみなさん
今年も現地での熱い応援、そしてチームへのサポートをありがとうございました。特に、ハイラックスMHEVコンセプトのデモランに向けては、クルマの輸入手配などアフリカに精通している皆さんの努力無しには実現できませんでした。これからもアフリカで、トヨタが“まちいちばんのクルマ屋”になれるように、一緒に取り組んでいければと思っております。よろしくお願いします。
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みんなのコメント
一般販売もしない
そんなモノに価値はないよね