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やっと受注再開! なぜRAV4 PHVはこれほど受注が殺到しているのか?

掲載 更新 23
やっと受注再開! なぜRAV4 PHVはこれほど受注が殺到しているのか?

 昨年6月にデビューしたものの、発売後1カ月で月販300台の計画を大幅に上回る3000台以上の受注があったために受注を停止していたRAV4 PHV。あれから8カ月、RAV4 PHVの受注が今年2月に再開した。

 それにしても、RAV4 PHVはなぜこれほどまでに受注が殺到しているのか? クルマそのものの魅力もあるだろう。とはいえ、ほかにも要因があるのでは? RAV4 PHVがここまで多く受注を抱えた理由を渡辺陽一郎氏が考察する。

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文/渡辺陽一郎  写真/ベストカー編集部

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■RAV4の販売台数を考えるとPHVの割合は少なかった

ノーマルのRAV4は2Lの直4エンジン、2.5Lの直4エンジン+モーターハイブリッドの2種類のパワートレーンを搭載する

 RAV4はトヨタのSUVの主力車種で、国内、海外ともに人気が高い。現行型は国内では2019年にノーマルエンジン車とハイブリッドが発売され、2020年6月8日には、RAV4 PHV(充電も行えるプラグイン方式のハイブリッド)が追加された。

 RAV4 PHVは好調に売れると期待されたが、発売の翌月となる2020年7月上旬に受注を停止した。販売店に問い合わせると「2020年度の生産枠をすべて使い切ったので受注を停止した。現時点(2020年7月上旬時点)では、生産の再開時期などはわからない」という返答だった。

 ちなみに2020年6月にRAV4 PHVを発売した時の月販目標は300台であった。RAV4のノーマルエンジンとハイブリッドは、両タイプを合計すると、2020年1~6月の1カ月平均が4536台に達している。RAV4の人気を考えると、PHVの月販目標台数が10%以下の300台では少なかった。

 また受注を停止した理由はほかにもあった。2020年度の生産枠をすべて使い切ったとすれば、1カ月当たり300台×10カ月(2020年6月から2021年3月)=3000台を受注したことになるが、販売店などの情報によるとそこまで達していなかった可能性もある。

 コロナ禍が深刻化していた時期でもあり、リチウムイオン電池などの供給体制も含めて生産に滞りも生じたようだ。

■3月中旬の契約でも納車は12月になる

2020年6月8日に発売されたRAV4 PHV。長らくオーダーストップとなっていたものの、2021年2月に受注を再開した

 プラグインハイブリッドや電気自動車に交付される補助金も関係している。納車を待つ間に年度が切り替わると、交付される補助金額も変動するからだ。補助金額が確定しないと、ユーザーの負担も正確に割り出せないから、受注しにくい事情もあった。

 そして2021年に入ると、RAV4 PHVの生産がようやく再開された。トヨタによると「ご注文いただいたお客様に、できる限り早くお届けすることを第一に考えている。2021年2月の登録台数は200台になる」とのことだ。

 販売店に問い合わせると、以下のような返答だった。

 「RAV4の販売会社に向けた割り当て台数は少ない。そのために弊社では、3月中旬に契約をいただいても、納車は11月になってしまう。この受注枠も残りわずかだから、少し時間が経過すると、納車は12月以降になる。PHVを除いたRAV4の納期は平常どおりで、ノーマルエンジンとハイブリッドは、3月に受注しても6月には納車できる」。

 このようにRAV4では、PHVの納期だけが長引いている。その理由は何か。

■優れた航続距離を実現しながら価格も抑えている

システム最高出力306ps、満充電時のEV走行距離は95km

 まずRAV4 PHVの優れた性能が挙げられる。リチウムイオン電池の総電力量は18.1kWhと余裕があり、プリウスPHVの8.8kWh、従来型アウトランダーPHEVやエクリプスクロスPHEVの13.8kWhを大幅に上まわる。

 そのために1回の充電で走行できる距離も、WLTCモードで95kmに達する。プリウスPHVの60km、アウトランダーPHEVの57.6kmやエクリプスクロスPHEVの57.3kmに比べると、エンジンを始動させずにモーター駆動のみで走行できる距離が長い。

 しかも前輪を駆動するモーターは、海外で販売されるLサイズSUVのハイランダーハイブリッドと共通化され、充電機能を備えないRAV4ハイブリッドに比べて強力だ。エンジンと前後に搭載されたモーターの駆動力を合計したシステム最高出力は306馬力に達する。

 RAV4ハイブリッド4WDの222馬力を大幅に上まわった。従ってRAV4 PHVは動力性能も力強い。

 RAV4はもともと人気の高いSUVで、PHVになると、1回の充電でほかのプラグインハイブリッド車よりも30km以上長い95kmを走行できる。しかも動力性能も優れ、価格は「G」グレードが469万円、「G・Z」は499万円だから従来型アウトランダーPHEVと同等だ。この高機能と割安感により、RAV4・PHVは人気車になった。

■ライバル車が少ないことの影響も大きい!

2020年12月4日に発売されたエクリプスクロスPHEV。ランエボX開発のノウハウを生かしたツインモーター4WDシステム「S-AWC」を搭載

 日本車にRAV4 PHVに対抗できるプラグインハイブリッドが少ないことも影響している。プリウスPHVの登場は2017年だが、ベースになったハイブリッドのプリウスは2015年だから新鮮味は乏しい。

 アウトランダーPHEVは、現時点でフルモデルチェンジ直前の状態にある。エクリプスクロスは、PHEVの投入は2020年12月だが、車種自体は2018年の発売だから新鮮味でやや落ちる。

 つまりRAV4 PHVの商品力に対して、ライバル車のインパクトが弱いため、人気が集中したわけだ。

 ただしRAV4 PHVの納期が長引くのは困る。今は新車需要の80%が乗り替えに基づくから、大半のユーザーは今まで使ってきたクルマを下取りに出して新車を買う。

 そうなると新車購入の商談は、愛車の車検期間が満了する2~3カ月前に開始する。この時点で納期が半年以上も先では、納車を待つために車検を取ったり、愛車だけ先に売却してクルマを持たない期間を過ごさねばならない。

 顧客を待たせないことも、商品力の大切な柱だから、生産計画を入念に整えて欲しい。

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