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全米のクルマ好きがゾッコン! 500台以上が集結したLAの日本車旧車イベントに驚愕!

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全米のクルマ好きがゾッコン! 500台以上が集結したLAの日本車旧車イベントに驚愕!

 アメリカでは近年、1980~1990年代を中心とした「ちょい古」な日本車が大人気である。映画『ワイルド・スピード』シリーズの初期(1~4作目)の作品にたくさんの日本車が出てきたことや、『頭文字D』などのアニメやクルマゲーム(グランツーリスモ、セガラリー、首都高バトルなど)の影響も大きいだろう。

 2021年10月30日、筆者は日本からカリフォルニア・アナハイムにあるエンジェルスタジアムで開催される第16回JCCS(日本旧車集会)に取材に訪れたのだが、500台を超える展示車両、1万人超のギャラリーが集結しているのに改めて驚かされた。

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 今年はこれまでのロングビーチからロサンゼルス・エンジェルスのホームグラウンドであるエンジェルスタジアムに会場を移して史上最大規模で開催された。とにかく凄い人で、入場には何重もの長い列ができていた。

 なぜこれほどまでに、ちょい古な日本車の旧車が人気なのか? 現地での取材を通して、どの人気の理由に迫ってみたい。

文/加藤久美子(Kumiko Kato)
写真/加藤ヒロト(Hiroto Kato)

[gallink]

■500台を超えるちょい古な日本車が大集結!

ここは日本ではない、アメリカLAのイベント会場である……

日本のイベント会場でも見かける3代目コロナマークII。単眼2灯式ヘッドライトからブタ眼ともいわれる

こ、これは地味な5代目X70系のマークIIセダンか?

 筆者がJCCSを訪れたのは今年が初めてではあったが、(昨年は行く予定にしていたがCOVID-19の感染拡大でオンライン開催となった)アメリカにも「ちょい古」の日本車を長い間、大切にメンテナンスを行い、深く愛してくれている人がこんなにもたくさんいるのか! と思うと、とても誇らしく、嬉しく、ありがたい気持ちでいっぱいになった。

 ちなみにもっとも古い車両は1959年型ダットサン1000とのこと。

 アメリカで「旧車」(KYUSYA)と呼ばれるクルマには大きくわけて2種類ある。新車時にアメリカで販売された左ハンドル車と、「25年ルール」を経て主に日本からアメリカに入ってきた右ハンドルの「JDM」と呼ばれるクルマたちだ。

 25年ルールとは北米(アメリカとカナダ)の古いクルマに対する特別な輸入ルールで、製造から25年が経過したクルマは製造から21年で撤廃されるEPA(排ガス規制)含めて、FMVSS(連邦自動車安全基準※日本でいうところの国交省の保安基準)の規則がすべて撤廃される。

 そのため、どのような国のクルマでも右ハンドルでもシートベルトがなくても、製造年月が25年以上経過していると確認されるクルマであればアメリカでの販売や登録が認められる。ちなみにカナダでは同様のルールが製造から15年で適用される。

 最近では、たとえば2024年1月に25年ルール解禁となるR34スカイラインをカナダや日本、そのほかの国で保管しておいて解禁と同時にアメリカに輸入する例も多くみられる。アメリカでは新車時の販売がなかったR34スカイラインを熱望する日本車ファンはとても多いのだ。

■JCCSを主催するのは日本人夫妻

16回目を迎えたJCCCのイベント。取材者は日本人ご夫妻だった

 さて、全米ではモータートレンドをはじめ有名自動車メディアやLAのメディアも大きく報道するまでになったJCCS。16回目の開催であり、昨今の日本車人気からも西海岸ではしっかり定着したイベントに成長した。

 このイベントを主催しているのはどんな人たちなのだろうか? アメリカ人、それとも日本人? やはり大手のイベント会社が主催しているのか? と思って調べていたら、JCCSを主催しているのは1990年代に留学のために渡米してきた日本人ご夫妻であることがわかった。

 このイベントを主催したコウジさん、テリー山口さん(奥様)にJCCSをスタートした頃の話を聞いてみた。ここまでの規模のイベントに成長するまでに様々な苦労があったという。

 16年前といえばそんなに昔とも思えないが、当時のアメリカは日本車(旧車)に対する風当たりが今とは比べものにならないほど強く冷たかったのだ。

 「16年前、南カリフォルニアの自動車愛好家グループが、日本のヴィンテージ自動車とそれを取り巻く文化を祝う新しいイベントを開催するというアイデアに集まりました。

 当時、これはかなり大胆なアイデアでした。旧車世代の日本車は当時のアメリカではあまり認知されておらず、クラシックカーとして受け入れられていなかったからです。

 今のような日本車ブームでもなかったので、『日本車のクラシックカー?』『日本車のくせに何様だ!』などとクレームが多方面から届きました。著名なジャーナリストがわざわざメールを送ってきたこともありましたよ(苦笑)。

 なにしろアメリカ車よりすべてが若いですし、Kellyのブルーブック(中古車査定ブック)でも価値が低いものもたくさんありましたから。『Japanese Classic Car Show』と名乗った時には全米から叩かれましたよ。

 でも、どこにも「Japanese Classic Car Show」と名乗ってはいけないなどの法律はないのだから、「State of mind」(気持ちの問題)だから勝手でしょう! と言い返した翌年には、JCCS開催のニュースがLA Times の表紙に載って「やった!!!」と思ったものです。

 それからはジェイ・レノ(アメリカで超有名な車愛好家大物司会者)も愛車のマツダコスモスポーツで参加してくれて、テレビ番組にも出演し、知名度も上がり、誰も文句を言わなくなりました」。

 こうして、年々参加者が増え、今年は史上最大規模での開催となったのだ。なお、JCCSの日本語訳は「日本旧車集会」となるが、参加できる車両には厳密なルールがある。

・「旧車」とは1995年以前に製造された日本車。※かつては1985年までの製造車両だったが、3年前ファンのみなさんの多大な希望で延長

・1995年以前に最初に製造されたモデルも含まれる。(製造年月が1996年でも1994年デビューのクルマなら参加資格アリ)

・アメリカで正規に販売されてきた左ハンドル仕様、25年ルールを経て日本等から輸入された右ハンドル仕様いずれもOK

 このほかにも独特のルールが課せられているがそのひとつが事前申し込み時の「写真判定」である。愛車の写真を送って審査にパスしないことにはJCCSの会場に並べることはできない。どのようなところを見るのだろうか?

 「JCCSは全車両、写真判定を行います。アメリカは日本旧車の価格が上がってきているので、買ってフリップして売る、という人もいっぱいいるんです。

 なので、指定の角度で写真を撮ってもらってそれを見て、まずはボディがストレートか? きちんと手が入っているか? レストアする気があるのか? 拾ったばかりのボロ車ではないか? などを判断します。

 また最近はキレイに仕上げているクルマであっても、車両に負荷がかかっていて、もうこれはもとに戻すことはできないだろう、というヘビーなカスタムをする若者が増えています。

 そのようなカスタムは旧車の生命を短くしてしまう可能性があります。昨今、アメリカで人気が出始めている『暴走族』仕様の日本車などもそうですね。お金をきちんとかけて改造できる人ばかりではありませんから。

 そうすると、もう貴重な旧車の生命がそこで終わってしまうので、JCCSでは応募車両ははケースバイケースで、チーム内で検討させて頂いています」。

■トヨタ、日産、ホンダ……スポンサー陣も超豪華

 JCCSの認知度が上がるにつれて、大手のスポンサーも続々と名乗りをあげるようになった。第16回JCCSの主なスポンサーを紹介しておこう。

●自動車メーカー 
トヨタUSA(2005年第一回目よりスポンサー)
日産USA
ホンダUSA
アキュラ
●独占タイヤスポンサー
横浜タイヤ
●独占オイルスポンサー
Motul USA
●限定カーケア製品スポンサー
マザーズ(R)ポリッシュ
●ツインカム/シングルカムスポンサー
CABE Toyota
OS GIKEN
ENKEIホイール
トップランク インターナショナル ヴィークルインポーターズ
JDM Car Parts.com
スターロード
OEM Audio Plus
RSワタナベ
ナンバー7レーシング
Klassic Fabrication Vintage JDM
ウェッズホイール
GReddy 
KAIDO★HOUSE
Love 20 Bee
コーリンプロジェクト
BRIDE
STATUS レーシング
Function and Form
Techno Toy Tuning
日清紡精機広島株式会社
JDMレジェンド
Toy Garage
Mountune
VTO ホイール
Leen Customs

 日産USAは、2022年モデルの新型Zや新型アリアを展示。新型Zのチーフプロダクトスペシャリスト 田村宏志氏も来場しており、開発トップと新型Z談義を楽しんだ参加者もいた。

 ハリウッドの人気俳優の来場で盛り上がったのはGReddyブースである。映画ワイルド・スピードシリーズの人気俳優、サン・カン氏が自らの愛車「Fugu Z」と新作「Doc Z」とともに来場した。スターの登場にGReddyブースは大騒ぎとなり、サン・カンにサインや写真撮影を求める人であふれていた。

 また、同じGReddyブースにはホットウィールのトップデザイナーとして活躍し、現在は自らのミニカー&1/1カスタムカーブランド『KAIDO★HOUSE』を立ち上げたジュン・イマイ氏のサイン会も行われてこちらもサインを求める人々の長い列ができていた。

 トップランクUSAのブースには25年ルール解禁を経てついにアメリカ上陸をかなえた伝説のGT-R「NISMO400R」が登場。解禁になるまでカナダで保管されていた個体ですでに売約済み。価格は億越えか?

サン・カンに日本からのお土産を渡すことができた! Fugu Zにちなんで「ふぐ煎餅」をプレゼント。ワイスピシリーズのハン役にちなんでスナック菓子も山ほど持参

愛車「Fugu Z」を前にファンとの交流を楽しむサン・カン

R33GT-Rをベースに99台限定で販売されたNISMOのコンプリートカー、400R。エンジンはベースのRB26DETTに対し、2.8Lに排気量アップされたRB-XGT2を搭載し、280psから400psにまで引き上げられている

■ベストオブ〇〇に選ばれた今年の出展車両は?

 JCCSの中のイベントのひとつに、「Japanese Classic Car Show 2021 Award」がある。これは、審査員によって厳正に選ばれた「ベストオブ〇〇」を表彰するもの。各カテゴリーに分かれてウィナーを選ぶ。主なカテゴリーで1位を獲得した車両を紹介しておきたい。


★BEST OF JCCS
1964年型ダットサン・フェアレディロードスター1500コンバーチブル

アイボリーのとても綺麗なダットサン・フェアレディ


★THE BEST OF JC SPEED
1986年型ホンダ・シビックSi 3ドア

1980年代日本でも若者の間で大ヒットしたワンダーシビックのSi


★The Best Survivor
1986年型ホンダ・プレリュード2ドア 

リトラクタブルヘッドライトを持つ3代目プレリュード(XX)はデートカーとして大ブームとなった


★BEST JDM(日本仕様)
1/1996年型ホンダ・アクティトラック

惜しくも2021年6月に生産終了となったアクティトラック。農道のNSXと言われている


2/1995年型トヨタ・クラウンマジェスタ4ドア

マジェスタさえもアメリカ人に人気なのか……


3/1994年型トヨタ・ハイエース

10年ほど前まで街でよく見かけたが、最近はあまり見かけなくなったと思っていたらアメリカに渡っていた……


★BEST SKYLINE
1971年型日産スカイライン(KGC10)2ドア

ハコスカも北米では大人気


★BEST TOYOTA CELICA & SUPRA
1988年型 セリカオールトラック 2ドア

ST165セリカGT-FOURの北米版、セリカオールトラック


★Best NEO Honda Acura
1993年型 NSX(NA1)

初代NSXのMTは日本の中古車市場でも高騰している


★BEST MAZDA RX7
1990年型 MAZDA RX-7 FC3S

なかなかFCは日本では見かけない。とても程度のいい状態

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