■ボルボが日本カー・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞
知り合いの選考委員に聞く、いわゆる「出口調査」でボルボ「XC40」の健闘をある程度予想していたものの、ボルボが日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下:COTY)を2年連続で受賞したという状況を見て改めて驚きました。
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そもそも日本車ですら連続で同じメーカーが受賞したのはトヨタとホンダとマツダだけ。いずれも素晴らしいクルマを続けて発表し、業績も急上昇するという勢いがあった時期でした。
日本車より高額な輸入車の場合は受賞も難しく、1980年からの38年の歴史の中で、輸入車が日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのは2013年のVW「ゴルフ」と2017年のボルボ「XC60」の2回だけ。さらには同じ輸入メーカーが2年連続で受賞するなど、誰も想像していなかった事態です。
それはなぜなのでしょうか?
いくつか要因を挙げられるのですが、まずは今回最も話題にあがったスズキ「ジムニー」が、スズキの不祥事などを理由にCOTYノミネートを辞退したことです。「ジムニー」に問題があったワケではないけれど、参加したくないとのことでした。
ちなみに、「ジムニー」が辞退していなくても、私は高い点数を入れなかったと思います。「ジムニー」は楽しいクルマですが、作り込みや走行性能は普通。ただ高く評価する選考委員も少なくなかったと思います。
同じくスバル「フォレスター」も不祥事で辞退しました。COTYの主催はメディア側のため、次回からは辞退しても気にせず粛々と評価するシステムに変えた方がいいかもしれません。
■トヨタ車が2車種残り、お互いの点数を取り合ってしまった
2つ目の要因は、トヨタ車が2車種が残って、お互いの点数を取り合ってしまったことです。私も「クラウン」と「カローラスポーツ」で大いに迷いました。あまり話題になっていないのですが、「クラウン」、「カローラスポーツ」から搭載された「コネクティッド」(繋がる技術)は間違いなく次世代自動車の大きな柱になると予想してます。インターネットの黎明期に、現在の姿を誰も予想出来なかったのと同じです。
こういったケースは、今まで“交通整理”をしてきました。自動車メーカーが候補を絞ってくるワケです。私としてもコネクティッドをぜひ今年の象徴にしたいので、トヨタが1車種を押してくればそちらに10点を入れたでしょう。
しかしトヨタは「クラウンとカローラスポーツはいずれもトヨタにとって大切な車種です」。つまり候補を絞らなかったのです。そうなれば確実に票は割れます。
私はコネクティッドの機能が「カローラスポーツ」よりも多く搭載されている「クラウン」に10点を入れました。「カローラスポーツ」にもたくさん点数を入れたら、もはやトヨタの人のようになってしまうため、「カローラスポーツ」に1点。でも他にも魅力的なクルマがあるので、トヨタだけにたくさん点は入れられないです。今回、私のような投票パターンが多かったようで、実際、総得票はトヨタが1位でした。
そして何より、ボルボ「XC40」というクルマの完成度は魅力的だったと思います。ボルボというブランドは、XC90以降、素晴らしい新型車を連発しています。ライバルとなるBMWの「X2」より「XC40」はお買い得プライスでありながら、安全性や動力性能で大きくリード。レクサス「NX」と比べても価格と安全性で優位に立ち、世界的規模で売れ行きを伸ばしています。
今年ノミネートされたクルマの中で、ボルボ「XC40」が最もバランス良かったことは間違いないです。とはいえ魅力的な日本車が減ったという点についていえば、大いに問題だと考えます。日産など、今年は新型車を1車種も出さなかった。
圧倒的に日本車が強かった日本市場ながら、クルマ好きの間ではジワジワ日本車離れが進んでいるということなのかもしれません。
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