プラットフォームはキャリー。全体のデザインは従来モデルの進化版
2020年11月18日23時(日本時間)、ついに第二世代となる新型BRZが発表されました。スバルのデザイン・アイデンティティであるヘキサゴン形状をアンダーグリルに採用することで、低重心をアピールするスタイリングに変身していることは一目でわかるポイントですが、全体としては従来モデルの進化版といった雰囲気です。
北米仕様の目標スペックとして発表されたボディサイズは、全長4265×全幅1775×全高1310mm、ホイールベース2576mm。全幅とホイールベースは北米仕様の初代モデルと同じ数値で、基本骨格はそのまま活用していると考えるのが妥当でしょう。
公式発表においても新世代プラットフォーム「SGP」の“ノウハウを取り入れた”とあり、プラットフォームを一新したのではなく、従来モデルから進化させたことを示しています。とはいえ、新型レヴォーグなどでも採用したインナーフレーム構造や構造用接着剤を採用してフロント横曲げ剛性は約60%、ねじり剛性は約50%向上。こうしてフロントのしっかり感を出すことで、ステアリング操作への応答性向上などのハンドリング性能をレベルアップしているというわけです。
アルミ製ルーフやエンジンフードで軽量化
空力面ではフロントフェンダーに新設されたエアアウトレットがスタイリングでもアクセントとなっています。そのほかダックテールとなったトランクリッド、サイドシルスポイラーやリアフェンダーのスポイラー形状なども躍動感を高めています。
ボディをしっかりさせるというと、どうしても重くなってしまいがちですが、新型BRZはフロントフェンダー・エンジンフード、そしてルーフをアルミ製とすることで軽量化を図っています。とくにルーフのアルミ化は重心を下げるのに効きますし、それは水平対向エンジンを低く搭載するというBRZの素性の良さを引き上げる進化ポイントといえるでしょう。
2.4Lに排気量アップした新エンジン、6速MTも健在
さて、アルミ製エンジンフードの下に収まる水平対向エンジンは、排気量を2.4Lへと拡大した新ユニット。現時点では北米仕様の目標スペックが公開されているのみですが、最高出力228hp、最大トルクは約250Nmとなっています。また、排気量アップや環境対応という社会ニーズを考えると、従来の2.0Lエンジンのような高回転フィールは味わえないと思ってしまいがちですが、公開されているメーター画像を見る限り、レッドゾーンは7500rpmからとなっていて、これまで同様に高回転を維持したスポーツドライビングが楽しめそうです。なお、燃料噴射装置についてはトヨタの技術であるD-4S(ポート噴射・筒内直接噴射の併用型)が引き続き採用されています。
トランスミッションでの注目点は新型BRZには6速MTが健在ということです。スポーツカーでも2ペダルが当たり前という時代に、BRZにはマニュアルトランスミッションが用意されるというわけです。さらにパーキングブレーキもハンド式(サイドブレーキ型)となっているのは、サイドターンやドリフトのきっかけにハンドブレーキを使いたいというドライバーには朗報といえるでしょう。
ATにはアイサイトが標準装備、北米では来年秋に発売
ATモデルの変速段数が6速と発表されたのは少々残念な気もしますが、こちらもおそらく従来モデルと同じ系統のユニットが採用されていると予想されます。ビッグニュースといえるのはAT車にはSUBARUの先進運転支援システムである「アイサイト」が標準装備となること。安全性能に定評ある衝突被害軽減ブレーキや全車速対応追従クルーズコントロールといった機能を、スポーツカーであるBRZでも味わえるようになったというのは見逃せないポイントです。
最後に注目したいのはタイヤサイズ。北米仕様は「プレミアム」と「リミテッド」という2グレードが設定される模様ですが、前者には215/45R17、後者には215/40R18のタイヤが与えられると発表されました。18インチはミシュラン・パイロットスポーツ4を履くということですが、いずれにしても、215幅となっていて、グリップに頼らないスポーツドライビングを目指したことが予想されます。
北米での発売は2021年秋を予定しているとアナウンスされました。はたして日本の公道で新型BRZを見ることができるのはいつになるのか、その日が非常に楽しみです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
こういうの需要多いから。