■新車で49万円! スズキの「超ミニカー」が凄い!
「スズキ」は、軽自動車やコンパクトカーなどを多く展開している、「小さなクルマ」を得意とするイメージの強いブランド。
しかしそんなイメージを上回る、あまりにも「小さすぎるクルマ」を過去に市販していました。
このモデルについて、実際のオーナーからの様々な声とあわせて紹介します。
【画像】「えっ…!」 これが49万円のスズキ「超ミニカー」です!(20枚)
そのクルマとは、2003年に登場した軽自動車の「ツイン」です。
大人“2名”が乗車できることからこのように名付けられたツインの全長は、わずか2735mm。
現在販売されている一般的な軽自動車の全長が3395mmであることを考えると、ツインは660mmも短いボディを採用していました。
軽自動車は規格サイズが定められており、通常のモデルであれば、可能な限り広い室内空間を確保するために、規格ギリギリまで詰めたサイズで設計を行います。
しかしスズキはそのような発想を転換し、ツインの役割をシティコミューターに限定することで、リアシートや荷室スペースを大胆に排除。
それにより、短い全長と愛嬌あふれる斬新なデザインを実現したほか、ホイールベースも切り詰めて最小回転半径3.6mという圧倒的な小回り性能を達成しました。
さらにこの設計は車重の軽さにもつながり、ベースグレードである「ガソリンA(FF、5MT)」の車重は“570kg”と、量産車とは思えないほどの軽量ボディをツインは獲得。
軽いボディは小さな力でもしっかり加速するので燃費効率も良く、先述のグレードは高価な軽量部品やハイブリッドシステムなどを搭載しないにも関わらず、26km/L(10・15モード)という当時としては異例とも言える低燃費を誇りました。
このように斬新づくしのツインは価格も挑戦的で、車両価格は49万円からのスタート(当時の表記に習い、消費税抜価格を記載)。
物価の大きく異なる時代ではなく、2003年に50万円切る衝撃的な価格を実現したことで、発売当時は大きな話題となりました。
そんな個性の塊のようなツインですが、街乗りしやすい大きさや安価なプライスにも関わらず、実際の販売は低迷。
無駄を省き機能を割り切った画期的なクルマでしたが、最安・最軽量のベースグレードは「エアコン」も「パワーステアリング」も無いという割り切りすぎた設計も販売不振の要因の一つでしょう。
またエアコンをオプションで追加すると、同じくスズキが展開する4人乗りの軽自動車「アルト」との価格差も縮まってしまい、「ならアルトを買おうかな」と思われることも少なくなかったとも言われます。
こうしてツインは、販売からわずか3年未満となる2005年に販売を終了してしまいました。
※ ※ ※
このツインですが、新車の発売から約20年が経過した現在、SNSでは時代が移り変わったことで評価を見直すコメントや、愛車として大切に乗り続けるオーナーからの様々な投稿が見られます。
まず、「たった20年前にこんなぶっ飛んだクルマが販売してたことに驚かされる…」「当時より今の方が需要がありそうですね」「ツインは出た時代が早すぎたかもしれません」などの再評価の声とともに、「現在に合わせてデザインや装備をリニューアルすれば売れると思う」「高齢化の時代だから2人乗りで小回りがきく快適な自家用が欲しい」「今こういうシンプルなクルマが出たら即買いする」「新しいツインの登場を期待します!」といった新型モデルとして再登場を願うコメントが。
またオーナーからは、「現役で乗っていますが軽くてキビキビ走るし、タイヤもブレーキパッドも減らず維持費も安いのでオススメです」「オプションでエアコンを付けたら、狭いせいか夏でもすぐに冷えます」「前を向いて運転してると普通の軽自動車なのに、後ろを向くとすぐリアガラス。バックカメラが無くても後退が簡単です」「通勤や近場の買い物には最高の乗り物」など実際の使い勝手についても書き込まれました。
そのほか「定価が50万円以下だったから当時存在した自動車取得税を回避できて支払い額が抑えられた。スズキのこういうところ大好き」「カスタムして64馬力のターボエンジン載せたらモンスターカーになりました」のようなマニアックなコメントもあり、ツインが今も多くの人の記憶に残っている様子が伝わります。
このように再評価の進むツイン。もしも時代の変化とともにこの声が大きく広がったならば、スズキが実質的な2代目モデルの開発に舵を切る可能性は否定できません。
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