■駐車場で自動でゲート式バーが開くのは当たり前? その仕組みとは? これから先はどう進化するのか?
空港やショッピングモールの駐車場の出口で、こちらは何もしていないのに、自動的でゲート式バーが開くことがあります。
【画像】「これはアウトー!!」これが駐車違反に該当する停め方です
事前に駐車料金の支払いを済ませていたからです。
または、企業などの駐車場で、事前に駐車場の利用を申請しておくと、駐車場の入口で自動的にゲート式バーが開くこともあります。
ユーザーの多くが、こうしたシステムに対して違和感がなくなっているかもしれません。
だた、ユーザーの中には「駐車場の管理者がカメラでチェックして、手動でゲート式バーの開閉スイッチを別室で操作している」と思っている人がいるかもしれませんが、実際は完全に自動で作動している場合が多いのが実情です。
こうした技術を日本では、自動認識と呼んでいます。
仕組みとしては、駐車場ゲートに専用のカメラがあり、ナンバープレートを撮影します。
その画像とそこから抽出したテキスト(文章/文字)情報を記録し、システムの中で駐車場のチケットと紐づけます。
そのチケットを使って駐車料金を精算すると、その情報がシステムの中で再び管理され、駐車場の出口で撮影したナンバープレートの情報とシステム上の情報を照合して、情報が一致すればゲート式バーが開くという流れです。
敷地全体に仕切りがあるゲート式ではない時間貸駐車場でも、ナンバープレートの画像認識によって管理運営されているシステムも普及してきたところです。
自動認識では、画像そのものを管理する仕組みもありますが、クラウド上での情報処理に時間がかかる場合もあるため、テキスト情報だけを切り分けてクラウドに上げることで、情報処理速度が上がるというシステムの導入も進んできています、
そもそも、自動車に関する自動認識技術は、交通量の調査や、テレビなどで警察が捜査などでも使用するケースが紹介されることもある、Nシステム(自動車ナンバー自動読取システム)で導入されたもの。
また、トラックなど商用車でも、専用施設内での車両の出入りを管理するために使われることがあります。
自動車に関して自動認識を使う主な理由は、駐車場の維持管理コストを抑えるための省人化や、駐車場への出入りをスムーズにしてユーザーのストレスを抑えることなどです。
自動車向け以外でも、自動認識は様々な分野で実用化されています。
例えば、製品や食品などを工場の製造ラインで、不良品を見つけるといった使われ方はテレビ番組などで紹介されるのを見た人もいるでしょう。
また、コンビニなどの店舗の商品棚の状態を自動認識し、その情報から商品の補充を店員に知らせたり、また将来技術として完全な無人コンビニであれば、自動で商品を補充するというプロトタイプのデモンストレーションを筆者は実際に見ています。
近年、こうした自動認識に対応するカメラを、人工知能に関する技術を活用した「AIカメラ」と呼ぶこともあります。
カメラで画像や映像を撮るだけではなく、画像や映像から目的に応じた解析を行うことを指します。
解析方法には、熟練技術者のノウハウを反映させることで、商品管理や医療などで精度を上げることも可能でしょう。
AIカメラの技術進化の背景には、2010年代以降に研究開発が急速に進んだ先進運転支援システム(ADAS) の影響が少なくありません。
車載カメラ用の半導体など量産効果によって価格が下がったことで、定置型のAIカメラの商品化を押し上げたとも言えます。
一方で、気になるのはプライバシーの問題です。
自動車の場合、ナンバープレートが所有者に紐づいているのですから。
現在のところ、個人情報保護の観点では、情報を収集した企業が自動車の所有者を特定しないことなどを前提として、特に問題はないものという考え方が一般的のようです。
では、将来的に自動車の自動認識はどのように進化するのでしょうか。
ポイントとなるのは、ナンバープレートという考え方がいつ頃まで続くのかという点ではないでしょうか。
これは、通信によるコネクテッドと深く関わるはずです。
自動車同士が通信でつながる(V2V)や、自動車と道路インフラが通信つながる(V2I)、そして自動車と歩行者が所有するスマホなどと通信でつながる(V2P)ことが社内全体に広がると、自動車の識別も外からの見た目ではなく、それぞれの自動車が持つデジタル認証のカタチになるかもしれません。
そうなると、様々分野で「紙からデジタル」が進んだように、ナンパープレートの在り方が問われることになるのではないでしょうか。
つまり、自動車の自動認識は、カメラで自動車の外観を確認しなくても、システム側が自動で認識することが当たり前の時代がやってくるかもしれません。
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出入り口の渋滞も無くなり、便利で有り難いです。