現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 車のボディに「謎の“木”」!? なぜ“ウッドパネル”必要だった? オシャレすぎる「高級感アイテム」の発祥と衰退と再生とは

ここから本文です

車のボディに「謎の“木”」!? なぜ“ウッドパネル”必要だった? オシャレすぎる「高級感アイテム」の発祥と衰退と再生とは

掲載 24
車のボディに「謎の“木”」!? なぜ“ウッドパネル”必要だった? オシャレすぎる「高級感アイテム」の発祥と衰退と再生とは

■木目調装飾の発祥はアメリカ

 1970~80年代に流行した、ボディサイドが木目調になっていたクルマ。その発信元はどこで、なぜ木目調が採用され、そしてなぜ廃れてしまったのでしょうか。最近再注目されている理由も探ります。

【画像】超カッコイイ! 「”ウッドパネル”採用のクルマ」を画像で見る(47枚)

「ボディサイドが木目調になっていた日本車」と聞いて、日産「サニー(4代目・5代目)カリフォルニア」や同「ブルーバード(7代目)ワゴン」「スカイライン(5代目)ワゴン」「セドリック/グロリアワゴン」、「シビック(2代目)カントリー」三菱「ギャラン(2代目)エステートバン」などのステーションワゴン・バンが思い浮かぶのではないでしょうか。

 いずれも1970~80年代にかけて登場したクルマで、木目調装飾は標準装備・もしくはオプションとされていました。

 これらの装飾は本当のウッドパネルではなく、木目調のフィルムを貼っていましたが、それでもフロントフェンダーからドア、リアフェンダーまで木目調というインパクトは強烈で、どことなくアメリカ車的なイメージも発散していました。

 そんな木目調装飾が施された日本車がアメリカ車っぽい雰囲気となったのには理由があります。というのもブームの発信源が、アメリカのステーションワゴンだったからです。

 クルマは馬車から発展した乗り物のため、黎明期のクルマでは、馬車製作でノウハウがあり、容易に材料が入手でき加工が簡単な木材でボディの各部が作られていました。それは、1910年代に出現したステーションワゴンでも同じでした。

 しかし次第にクルマの生産台数が増え、生産技術も向上すると、大量生産が可能な金属製ボディに移行。1930年代頃にはクルマのオール・スチール(全鋼製)化が大きく進展しました。

 セダンをベースに開発されたステーションワゴンでは、箱型化されたボディ後半をあえて木製のままにするクルマが数多く残りました。

 ステーションワゴンが元来クルマや鉄道が発達する前の「駅馬車」の進化版ということもあり、木製製品への郷愁や、根付いていたカントリーな生活様式が「ウッディ(木製)・ワゴン」の需要を支えました。

 また一方で、手作りのため製作に手間がかかるウッディ・ワゴンは必然的に高額商品になったため、富裕層が購入するステータスアイテムとして人気が高まっていきました。

 第二次世界大戦を生き延びて生産されたアメリカのウッディ・ワゴンでしたが、1946年にジープ「ステーションワゴン」の登場を皮切りに、オール・スチールボディが普及しはじめ、1950年代半ばにはその姿を消しました。

 しかしウッディ・ワゴンと入れ替わるように、ボディ側面に木目調のフィルムを貼ったステーションワゴンが次々と出現。木目調装飾はアメリカのユーザーのノスタルジーを惹きつけて人気を博し、のちにSUVにも波及していきました。

 この流れは1970年代に日本に上陸。「アメリカナイゼーション」と呼ばれた社会や文化面の「アメリカ化」の影響もあり、サーファーやアウトドア愛好家などを中心に木目調のクルマが流行していきました。

 後にアメリカでは、1990年頃まで、サイズの大小に関わらずステーションワゴン・SUVに木目調装飾は広く展開され、アメリカ車の象徴ともいえる存在となりました。

 興味深いのは、木目調装飾が施されたバージョンは「上級モデル」の証だったことでした。ウッディ・ワゴン時代からの伝統が起因しているのはいうまでもありません。

 そんなウッディ・ワゴンも時代の波には勝てず、アメリカでは1990年代以降「古い」ものというイメージがつき、次第に各メーカーのラインナップから消滅してしまいました。

 一方1990年代の日本では、前述の日産「セドリック/グロリアバン」や「ラシーン」に木目調装飾が残り、ビュイック「リーガル(本国名センチュリー)ワゴン」も人気を博しました。

 しかし、日本でもその後流行は廃れ、木目調装飾を持ったクルマは登場しなくなってしまいました。

 ところが近年、カスタムカーの世界では、ヴィンテージ感とぬくもり感を出せる木目調が注目を集めており、様々なメーカーからSUVを飾るウッドストライプやデカールが販売されています。

 2022年には、米国日産が電気自動車「アリア」をベースにした「アリア サーフワゴンコンセプト」を発表しており、レトロブームも手伝い、今後は自動車メーカーからも外観に木目調装飾を復活したクルマが出現するかもしれません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

父と同じ道を進む佐藤凛太郎「早く慣れてQ1から攻められるように」/第71回マカオGPプレビュー
父と同じ道を進む佐藤凛太郎「早く慣れてQ1から攻められるように」/第71回マカオGPプレビュー
AUTOSPORT web
EVだけは無理ない? ”300万円超え”予想の[新型ハスラー]登場か!! ガソリンモデルはどうなるの!?
EVだけは無理ない? ”300万円超え”予想の[新型ハスラー]登場か!! ガソリンモデルはどうなるの!?
ベストカーWeb
【制限速度は350km/h!】マクラーレン史上最速モデルW1が日本初お披露目!
【制限速度は350km/h!】マクラーレン史上最速モデルW1が日本初お披露目!
AUTOCAR JAPAN
クルマ買うなら[ハイブリッド]? [PHEV]? いったいどっちがいいのだろう?
クルマ買うなら[ハイブリッド]? [PHEV]? いったいどっちがいいのだろう?
ベストカーWeb
約2890名が受講した「ラリー教室」が無事に全行程終了! 最終回には新井選手が登場して校庭でデモランを披露…「開催リクエストが増えているみたいです」
約2890名が受講した「ラリー教室」が無事に全行程終了! 最終回には新井選手が登場して校庭でデモランを披露…「開催リクエストが増えているみたいです」
Auto Messe Web
TC2000王者ペーニャがプジョーで2勝目、僚友カルドゥソも選手権首位を奪還/TCR南米第9戦
TC2000王者ペーニャがプジョーで2勝目、僚友カルドゥソも選手権首位を奪還/TCR南米第9戦
AUTOSPORT web
ニュルブルクリンクを7秒超短縮! 小変更 アウディRS3へ試乗 シャシー技術を大幅アプデ
ニュルブルクリンクを7秒超短縮! 小変更 アウディRS3へ試乗 シャシー技術を大幅アプデ
AUTOCAR JAPAN
マフラーで有名な「ロッソモデロ」がなぜモータースポーツ部門を?…「全日本ラリー」「筑波タイムアタック」「eスポーツ」で次世代のクルマファンを増やしていきます
マフラーで有名な「ロッソモデロ」がなぜモータースポーツ部門を?…「全日本ラリー」「筑波タイムアタック」「eスポーツ」で次世代のクルマファンを増やしていきます
Auto Messe Web
農機のヤンマー「やけにかっこいいトラクター」を発表 部品共通化で“建機”に “船”にもできる!?
農機のヤンマー「やけにかっこいいトラクター」を発表 部品共通化で“建機”に “船”にもできる!?
乗りものニュース
絶対王者は予選ヒート時点で“7冠”達成。決勝では両日ともに初優勝者が誕生/WorldRX最終戦
絶対王者は予選ヒート時点で“7冠”達成。決勝では両日ともに初優勝者が誕生/WorldRX最終戦
AUTOSPORT web
F1レースディレクターのニールス・ヴィティヒが辞任。FIA F2などで同職を担うルイ・マルケスが後任に
F1レースディレクターのニールス・ヴィティヒが辞任。FIA F2などで同職を担うルイ・マルケスが後任に
AUTOSPORT web
EVのBMW「3シリーズ」を発見! 2026年発売の "i3" テスト走行か 先鋭的なデザイン
EVのBMW「3シリーズ」を発見! 2026年発売の "i3" テスト走行か 先鋭的なデザイン
AUTOCAR JAPAN
フロントガラスが飛び石被害はなぜ起こる? 温度差で割れることもあるので早急なリペアが大切…DIYで修理しても大丈夫?
フロントガラスが飛び石被害はなぜ起こる? 温度差で割れることもあるので早急なリペアが大切…DIYで修理しても大丈夫?
Auto Messe Web
ドゥーハンのプライベートテストにガスリーが急きょ参加。アルピーヌの思惑に憶測広がる
ドゥーハンのプライベートテストにガスリーが急きょ参加。アルピーヌの思惑に憶測広がる
AUTOSPORT web
『ジャガーXJR-8(1987年)』スピードで打倒ポルシェを果たした殊勲車【忘れがたき銘車たち】
『ジャガーXJR-8(1987年)』スピードで打倒ポルシェを果たした殊勲車【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
TOYOTA GAZOO Racingが2025年シーズンWEC参戦体制発表。不変の体制で王座防衛目指す
TOYOTA GAZOO Racingが2025年シーズンWEC参戦体制発表。不変の体制で王座防衛目指す
AUTOSPORT web
阪神高速の「約3年通行止め」大幅前倒しで再開日時決定!“垂れ下がる橋”架け替えで大動脈がついに復活
阪神高速の「約3年通行止め」大幅前倒しで再開日時決定!“垂れ下がる橋”架け替えで大動脈がついに復活
乗りものニュース
高速道路も走行可能な150ccクラス・スクーター対決! ホンダ「PCX160」とヤマハ「NMAX155」との違いとは?【ライバルをスペック比較】
高速道路も走行可能な150ccクラス・スクーター対決! ホンダ「PCX160」とヤマハ「NMAX155」との違いとは?【ライバルをスペック比較】
VAGUE

みんなのコメント

24件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村