F1や、F1のCEOであるステファノ・ドメニカリらはスプリントの開催数を増やすことを望んでいるが、一方でグランプリのプロモーターの関心は薄れており、F1側の目論みは暗礁に乗り上げているという。
ドメニカリ、F1、そしてチーム代表たちはスプリントイベントを気に入っており、今シーズン予定されている6回をはるかに超える開催数に増やしたいと考えている。モントリオールでは、冗談半分、本気半分でFIAのオフィシャルトップが「来年はすべてのグランプリにスプリントレースがあるかもしれない」と語り、リバティ・メディアが今後はこのフォーマットをデフォルトにするよう、強硬に迫っていることをほのめかした。
スプリント予選規則が再び変更に。ドライでインターミディエイトタイヤが使用される可能性を除去/F1第10戦
グランプリのプロモーターにとっては、金曜日午後に予選、土曜日午前にふたたび予選セッション(スプリント・シュートアウト)、午後にスプリントレースが行われることは、結果を左右するイベントが毎日行われ、マシンが走行することになるのでセールスポイントとなる。とはいえ、金曜日のチケット売上は期待していたほどには伸びていないことに彼らは気づいている。地元のファンは金曜日は仕事があるため、週末にしかイベントに来場しない傾向がある。海外から来るファンたちは、前々から2回のフリー走行セッションを見るために金曜日にコースに来ていた。
F1と各チームは、スプリントイベントの出現によってボーナスを得た。グランプリのプロモーターは、スプリントレース開催にあたってそれぞれ500万ドル(約7億2000万円)という高額の追加開催権料を支払うからだ。そのためドメニカリは、今後数年間に行われるスプリントイベントの回数を最大にすることを目指している。
問題なのは、スプリントイベント開催に向けたプロモーターの関心が大きく低下していることだ。プロモーターは、チケット売上からの追加の収益では、F1への支払いをカバーできないことに気づき、ブラジルはすでに今年、スプリントレース開催のために追加の500万ドルを支払うことを拒否した。ブラジルの情報筋によると、イベントは契約締結前に発表されたという。他のプロモーターたちも、スプリントイベント開催にあたって今後追加料金は支払わないとすでにドメニカリに明言している。
例外は、政府がグランプリ開催を直接推進している国々、つまり中東のレースだ。サウジアラビアとカタールはスプリントイベントの追加料金を喜んで支払う。アゼルバイジャンとオーストリアも同様だ。オーストリアの場合、レッドブルが露出を最大にすることを望んでいるためだ。
チームの方は、追加の収益なしにスプリントイベントを行うことには関心がない。そのためドメニカリは、関係者全員が納得する解決策を見つけようとしている。6月23日金曜日に発表予定だったカレンダーの公開が、少なくとも1カ月遅れることになったのはそれも理由のひとつだ。
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