差別化? 「PHV」ではなく「PHEV」
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】次世代レクサスの象徴【LF-Zエレクトリファイド どんなモデル?】 全53枚
editor:Taro Ueno(上野太朗)
レクサスは2021年5月18日、「電動車の世界累計販売台数200万台達成」というニュースリリースを出した。
その中に「電動車普及をさらに加速すべく、2021年にはレクサスとして初となるPHEV量産モデルに導入し、2022年にはまったく新しいBEVの導入を計画している」という文面を織り込んだ。
これら2つの新型車が具体的にどのようなモデルになるか?
その前に1つ、気になったのがPHEVという表現だ。
トヨタは第2世代プリウスでPHVの実証試験を始め、2009年には第3世代プリウスでPHVが登場。さらに、現行車である第4世代プリウスでは2代目PHVが2017年に発売された。
また、直近でのトヨタ電動車関連の総括的な技術プレゼンテーションである、2019年6月7日実施の「EV普及を目指して」でも、ハイブリッド車をHV、プラグインハイブリッド車をPHVとし、ハイブリッド車の量産技術で世界をリードするトヨタのこだわりを強調してきた。
最新車でも「RAV4 PHV」というモデル名称である。
それが、今回レクサス初という触れ込みでは、トヨタ以外の自動車メーカーのプラグインハイブリッド車の表記であるPHEVとし、さらに「長年に渡ってHEVで培ってきた……」とHVではなくHEVとも表記している。
小さな点かもしれないが、こうしたところにレクサス新世代に向けた、トヨタとレクサスの変化を感じる。
レクサスPHEV第1弾はやはりNX?
では、レクサス初のPHEVとは何か?
すでに、自動車雑誌や自動車関連ウェブサイトでは、2021年新車カレンダーといったスクープ記事の中で、2021年中のNXフルモデルチェンジという予測がまことしやかに語られている。
たしかに、モデルチェンジのタイミングなどを踏まえると、筆者としても新型NXの2021年登場の可能性は極めて高いと思う。
また、レクサス初のPHEVをこのタイミングで出すとなると、トヨタ・ブランドでのPHVではプリウスPHVとRAV4 PHVしかなく、また先代RAV4と現行NXは車体構造などでの共通項が多い。
つまり、新型NXはRAV4フルモデルチェンジにより採用されたプラットフォームGA-Kの最新型になることが考えられる。
そうなると、新型NXはRAV4 PHVで採用する2.5L直列4気筒「A25A-FXS」搭載のPHEVになると予想される。
ただし、それだけでは「レクサスらしい走り」にこだわるレクサスファンは満足しないだろう。
そこで気になるのが、新しい四輪駆動力制御技術「DIRECT4」だ。
筆者はこの「DIRECT4」が「あの時の『e-アクスル』ではないか」と推測する。
「あの時」とは2019年10月、トヨタ東富士研究所(静岡県裾野市)で一部メディア向けにレクサスが次世代技術を紹介するレクサス・テクノロジー・ディープ・ドライブだ。
「e-アクスル」=「DIRECT4」といえるワケ
こうしたメディアイベントをレクサスが開催するのは「1989年が生まれてから初めて」(レクサスインターナショナル幹部)ということだった。
量産に向けて開発途上にある最新技術について、試乗したり機器を触れたりと、かなり踏み込んだ形で公開したのだ。その一部は公開不可情報とされ、記事化が可能は2件のみだった。
1つが、セダンのESベースの実験車両に搭載されたe-アクスルだ。FF車の四輪駆動としては、トヨタはE-Four(電気式四輪駆動方式)があるが、e-アクスルではモーター出力を95.2-136psに高めた四輪駆動車だ。
ワインディング路をハイペースで走行させたが、e-アクスルのON/OFFでその効きの凄さを実感した。
その際、レクサス開発者は「2020年代前半に量産化予定」と話していることから、e-アクスルがDIRECT4である可能性は極めて高い。
RAV4 PHVのリアモーターの出力は54.4psであり、新型NXはその2倍以上の高出力型モーターが搭載されるのではないだろうか。
また、少し気になるのはESだ。
e-アクスルのベース車であったことから、これがビックマイナーチェンジしたESにも搭載され、さらにESも今後、PHEV化されることも十分に考えられる。
いずれにしても、レクサスがいう「レクサスの電動車ならではの新しい価値やドライバイング体験」が実現されることになる。
bZシリーズとは別のEVになる?
もう1台、筆者が2019年10月に東富士研究所のワインディング路をハイベースで走行させたのが、レクサス初のEV「UX 300e」だ。2020年に中国で先行導入され、その後に日本にも発売された。
その際、開発担当者との意見交換の中で、「UX 300e」は「あくまでもUXを活用したEVで、レクサスとしてこの先のEVはEV C.A.スプリット社(で培った知見)の案件となる」という見解を示した。
EV C.A.スプリットはトヨタ、マツダ、デンソーなどの開発者が将来のEV開発に向けた量産研究をおこなうための期間限定で運用された企業だった。
そこでの知見はトヨタのEVプラットフォーム「e-TNGA」となり、2021年4月の上海モーターショーで公開されたスバルと協業する「bZ4X」として結実した。
その際、「2025年までにbZシリーズ7車種を含むEV 15車種をグローバルで導入」と発表した。
となれば、レクサスが2022年に量産するという新型EVは、トヨタ「bZ4X」、スバル「ソルテラ」の兄弟車になるのか、それともこれらとは別枠なのか?
いずれにしても、PHEVと同様に、レクサスらしいドライビング体験が楽しめる、攻める姿勢のEVになることは間違いなさそうだ。
レクサスのものづくり体制、「オール・ウエイズ・オン」は本格的な電動化シフトを踏まえて着実に実行されている。
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みんなのコメント
でもレクサスらしくもうひと頑張りしたパワートレーンにして欲しい