■フェラーリのお膝元を訪れたら、一度は食べてみたいカバリーノの味
Writer:野口祐子(NOGUCHI Yuko)
Photographer:野口祐子(NOGUCHI Yuko)/Francescana Group
フェラーリ本社の社食を実食! 表彰台に登った気分に浸れる社員食堂とは
フェラーリ本社を訪れる人の殆どが、マラネッロの老舗レストラン「Ristorante Cavallino(リストランテ・カバリーノ)」に足を運んでいるのではないだろうか。2021年6月30日、リニューアルされたばかりのリストランテ・カバリーノにお邪魔した。(https://www.ferrari.com/en-EN/ristorante-cavallino)
リストランテ・カバリーノは世界中のフェラリスタの間でフェラーリの聖地のひとつとして君臨している。皆の思い出が詰まっているレストランが、2年以上の年月をかけてのリニューアルで、積み重ねられた歴史をどのような形に変え、後世に向けて継承していくのか、興味が湧いた。
●エンツォとともにあったカバリーノ
カバリーノは、1950年にレストランとしてオープン。70年間フェラーリ本社の向かいでフェラーリと共に歩んできた。エンツォを中心にエンジニア、ドライバー、スポンサー、デザイナー、ジャーナリスト、貴族、俳優、文化人……など、多くの著名人がレストランを訪れ、そしてここから多くのストーリーが羽ばたいていった。
プライベートルームでは食卓を囲み、モデナの地元料理とランブルスコを味わいながらドライバーとの契約話や新車のプロジェクト会議、F1の戦略会議など、繰り返しおこなわれていたことだろう。
1987年、バーニー・エクレストンとジャン・マリー・バレストルとのミーティングでエンツォが新しいターボの規則(加給圧制限や燃費制限)をなかなか承諾してくれないので、最後には「インジニエレ(エンツォのこと)、それではあなたが規則を作ってください」という会話があったことは有名な話だ。そのほか数え切れないエピソードが”カバリーノにはある。そう、70年という年月と共に、レストランの隅々にフェラーリの歴史、そしてエンツォ・フェラーリの思い出が刻まれているのだ。
そのリストランテ・カバリーノが2021年6月15日、リニューアルオープンした。一体どのように生まれ変わったのだろうか。
今回のリニューアルでは建物の構造を残し、内装を今までとはまったく異なるフェラーリの世界観に模様替え。その内装は発想力と経験を活かし世界中で活躍している女性建築家のIndia Mahdavi(インディア・マダヴィ)が手掛けることになった。
肝心の料理の方は、モデナの3つ星レストラン”Osteria Francescana”のオーナーシェフ、マッシモ・ボットゥーラが指揮をとった。フェラーリの世界観を一新するために、建築も料理も世界トップクラスのふたりが揃ったのである。
シェフのボットウーラは生粋のモデナ人。地元料理をこよなく愛していたエンツォには地元の料理を熟知しているシェフ、彼ほど相応しい料理人はいないだろう。
■さっそく新生カバリーノの内部へ潜入!
まずは外塀から見てみよう。今までのクリーム色の塀がフェラーリの初期の落ち着いた赤に変わった。入り口の鉄門にはフェラーリの跳ね馬のマークが門全体にレリーフされ、左側には黒い大きな跳ね馬が客人を出迎えていた。これからフェラーリワールドの始まりである。
●明るく現代的な雰囲気に一新
外門を入ると木々に覆われたパティオがあり、その右側に円形状のテーブルと椅子が用意されていた。これはイタリアの田舎のトラットリアの庭によく見られる風景からインスピレーションを受けたのだそうだ。色は外壁と同じ赤。クッションにも跳ね馬マークがプリントされていた。
レストランの入り口の左には、新しい筆記体の”Cavallino”のロゴがあり、扉を開けなかに入ると今までとはまったく異なる空間が繰り広げられていた。
真正面に黒い跳ね馬が鎮座し、自然光で包まれたウエイティングスペースの床はアイボリーと茶系のタイルが市松模様に敷き詰められ、内壁はぬくもりのある木材で覆われ、エントランス全体があたたかい雰囲気に包まれていた。
そしてそこにはモデナ市のシンボルカラーでもある黄色いレザーの椅子が並んでいた。テーブルには歴代のフェラーリエンジンがプリントされていて、椅子のファブリックも跳ね馬マークだ。
中央には跳ね馬のモザイクのがっしりした円柱があり、たくさんのフェラーリマークに囲まれたこの空間は、黄色がよく映えとても明るいイメージだった。
テーブルに向かうとまず目に入るのがフェラーリのエンジンだろう。堂々と置かれたエンジンブロックのシルバーが眩しい。まるでオブジェのようだ。壁にはフェラーリに関する資料やF1の部品が並んでいる。
2階へ通じる階段の壁紙には、ピクセルで図案化された跳ね馬模様がプリントされており、フェラーリにゆかりある人物写真が階段の壁一面に飾られていた。
2階にはプライベートルームがふたつあり、ここはフェラーリの小モデルが壁に並んでいた。窓からはワイヤーで作ったフェラーリのF1モデルが見え、ベランダに出ると木々の間から「Ferrari」の黄色い大きな文字がしっかりと見えた。”カバリーノ”と”フェラーリ”の繋がりを感じさせるロケーションだ。
新しいリストランテ・カバリーノは、名前のごとく(Cavallinoはイタリア語で馬)跳ね馬マークやフェラーリの歴史を支えた記録が各所に展示されており、まさにフェラーリワールドそのものだった。
●伝統を踏まえた新メニューに
さて、一新されたという料理はどうだろうか。
モデナ出身のシェフ、マッシモ・ボットゥーラは他のモデナの人と同様、小さい頃からフェラーリが大好きだった。その憧れのフェラーリのレストランを指揮するにあたり、フェラーリ家、そしてモデナの素材と伝統料理に敬意を表したという。
カバリーノの料理は、彼の想像力と技術力で洗練された新しいメニューへと生まれ変わった。リニューアルしたリストランテ・カバリーノでは、マッシモの手による新しいモデナの食を堪能することができるだろう。
フェラーリが創業したのは1947年。そしてフェラーリがF1デビューした1950年に、リストランテ・カバリーノはオープンした。
緊張の連続のレースの世界。休む暇もなく、サーキットの内外で常に目まぐるしく走り回るF1スタッフ、そしてそのフェラーリを支える仲間たち……。
ここリストランテ・カバリーノは、そんな彼らに美味しい食事と美味しいワインでひとときの安らぎを提供してきたのだ。
* * *
マラネッロのあるエミリア・ロマーニャ州(www.emiliaromagnaturismo.it)はフードバレーとも呼ばれており、パルミジャーノレッジャーノやアチェット バルサミコ、プロシュット ディ パルマなど、美食でも有名だ。
さらに歴史ある都市ボローニャやモーターバレーと呼ばれる自動車産業が盛んなエリアなどの見所にも事欠かない。こうしたエミリア・ロマーニャ州の食や文化について深く知るれば知るほど、よりフェラーリが身近な存在になる。
こうした意味においても、マラネッロを訪れた際には、リストランテ・カバリーノに是非とも立ち寄って、エンツォが愛したこの地の食文化に触れて欲しい。
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