研ぎ澄まされた走りを求めるドライバーへ
現世代のポルシェ911の素晴らしさへ慣れた頃、一層の高みや刺激を求めて設定されるのがGT3シリーズ。この特別なグレードは、1999年の996型ポルシェ911に初めて設定された。サーキットへ焦点を当てた、公道モデルとして。
【画像】死ぬ前に1度運転したい ポルシェ911 GT3 997型と先代の991型 最新の992型も 全96枚
当時のポルシェの目的は、かつてのクラブスポーツのような、モータースポーツを楽しむベースモデルを提供することだった。しかし、必然的に素晴らしいロードカーへと発展した。今回取り上げる997型も、まさにそんな1台といえる。
2004年に発売された997型へ、2006年から設定されたGT3は、研ぎ澄まされた走りを純粋に求めるドライバーの最高の相棒といえた。自然吸気の水平対向6気筒エンジンに、マニュアルのトランスミッションが組み合わされ、類まれな操縦性を叶えていた。
マニアでは997.1と呼ばれる、前期型のGT3がリアに搭載したのは3.6Lの水冷フラット6で、最高出力415psを発生。磨き込まれた6速MTが組み合わされ、0-97km/h加速を4.3秒でこなした。
走りを徹底的に追求するドライバーへ向けられていたのが、GT3 RS。サーキット前提の内容が与えられ、車重はGT3の1395kgから20kgもダイエット。ワイドなリアトレッドと、大きなリアウイングで違いをアピールしていた。
エンジンと6速MTは基本的にGT3と同じながら、0-97km/h加速は4.2秒。僅かとはいえ、しっかり短縮している。
積極的に運転するほど充足感も増大する
2009年にフェイスリフトを受け、997.2と呼ばれる後期型のGT3が登場。排気量が3.8Lへ拡大し、最高出力と最大トルクも増えている。
977.2のGT3では435psを獲得。0-97km/h加速を4.1秒でこなし、前期型のGT3 RSを凌駕した。そこで2010年に追加された後期型GT3 RSでは、最高出力を450psへ増強。0-97km/h加速を4.0秒へ縮めている。
スポイラーのデザインが新しくなり、オプションでボディステッカーも選べるように。よりレーシングカー的な雰囲気に仕上げることも可能だった。
ポルシェ911は、洗練された鋭い操縦性を楽しめるスポーツカーだが、GT3やGT3 RSはさらに1段上を行く。ステアリングホイールやシフトレバーなど操作系の重み付けは完璧で、反応はピタリと正確。特別な911であることを実感できる。
リアエンジンでありながらシャシーバランスも素晴らしく、グリップは絶大。ドライバーへ大きな自信を与えてくれる。後に電動化されるパワーステアリングより、操舵時の感触も素晴らしい。
8000rpm以上まで吹け上がる、フラット6の雄叫びは聴き応えたっぷり。心地いい6速MTでギアを選択し直すことで、何度もその音響に浸ることができる。
997.1のGT3でも977.2のGT3 RSでも、今も最高水準の911にあるといって過言ではない。その魅力を知る人は多く、近年の取引価格は10万ポンド(約1650万円)を超えることが通例だ。
確かにお手頃ではないが、積極的に運転するほど充足感も増大していく。価格以上に価値のある911だといえるだろう。
新車時代のAUTOCARの評価は
期待通り、GT3 RSは素晴らしい。ポルシェはシャシーの特性として、アンダーステア傾向を巧みに調整しており、ドライバーがそれを修正していける懐の深さもある。
ポルシェが素晴らしく速く、痛快なサーキットマシンを作れることは、今や共通認識だろう。それでいて、GT3 RSは日常的な移動手段としても問題ない。これほど乗りやすいことが信じられない。(2006年5月17日)
専門家の意見を聞いてみる
ダニー・ケイ氏:レボリューション・ポルシェ社代表
「997型のGT3とGT3 RSは非常に素晴らしいクルマです。すべてを叶えているといって良いでしょう。わたしが1番好きなポイントは操縦性。サーキットでの生き生きとした走りには、本当に驚かされます」
「死ぬまでに1度は運転したいクルマの、1台に加えるべきですね。現在の価格は上昇の一途。下がる気配はありません」
「エンジンは信頼性が高いですが、わたしが点検する例の多くはラジエータークーラントが漏れています。タイヤとブレーキの状態も大切です。英国の場合、サーキット走行を楽しむマシンとして乗られているのが常なので、購入前の点検は重要ですよ」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
ラジエータークーラントの漏れに注意。クーラントのパイプは、熱膨張から劣化するだけでなく、腐食もしやすいようだ。サーキット走行を楽しみたい場合は、エンジンオイル交換もこまめにしたい。
タイヤとホイール、ブレーキ
前期型のセンターロック・ホイールは、不具合が生じやすかった。安くないタイヤやブレーキの摩耗具合は、契約前に確かめておきい。アライメント調整も大切だ。
ボディとシャシー
サーキット走行中にダメージを受け、修理されていることも少なくない。適正な処理が行われているか、時間を掛けて確認したい。
知っておくべきこと
2011年に発売されたGT3 RS 4.0は、最高の997型ポルシェ911として特別扱いを受けている。500psを発揮する4.0Lエンジンを搭載し、カーボンファイバー製部品を多用することで、1360kgまで軽量化されていた。
製造台数は600台と少なく、近年は特に高値で売買されている。30万ポンド(約4950万円)という例も珍しくない。
英国ではいくら払うべき?
9万ポンド(約1485万円)~9万9999ポンド(約1649万円)
状態の良い997.1型のGT3を英国では選べる価格帯。走行距離は8万km以下が多い。
10万ポンド(約1650万円)~11万9999ポンド(約1979万円)
走行距離が2万kmに満たない、丁寧に扱われてきた997.1のGT3を英国では探せる。
12万ポンド(約1980万円)~14万9999ポンド(約2474万円)
状態の良い997.2型のGT3や、997.1型のGT3 RSを英国では選べる価格帯。
15万ポンド(約2475万円)以上
コレクターズカーとして温存されてきたGT3 RSを狙える。走行距離は長くても5万km以下のようだ。
英国で掘り出し物を発見
ポルシェ911 GT3 3.6(997型/英国仕様) 登録:2007年 走行距離:3万6200km 価格:9万9990ポンド(約1650万円)
前期型の997.1型GT3としてはお手頃ではないものの、後期型の997.2型GT3 RSの半額と考えれば、狙い目ではないだろうか。素晴らしい動的能力で、他に例のないドライビング体験を堪能できるはず。
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